海外生活体験者・学生インタビュー vol.2

RTNプロジェクト
A.Hさん。1984年兵庫県生まれ。その後しばらく東京在住。3歳の時に渡米し、8歳までコネチカット州の私立小学校に通う。帰国後2年間を神戸で過ご すが、震災に遭い、再度東京へ。高校2年生の9月からドイツのデュッセルドルフにあるインターナショナルスクールに通学。卒業後帰国し、慶応義塾大学経済 学部に入学、現在4年生。

―海外生活について、お聞かせ下さい。

最初の頃はやはり英語で苦労しましたね。でも、私は引越しが多いせいもあって、新しい場所に身を置くことが好きなので、いつも自分のいる場所を楽しんでいました。ドイツではずっとダンスをやっていて、放課後はダンススクールに通い、友達とチームを組んで学祭に出たこともあります。

―帰国後の生活について教えてください。

受験を10月に終えて、入学までに時間があったので、世界各国で緊急人道支援をしている日本のNGO団体でボランティアをしていました。イベントの企画やウェブ制作のほかに、一度現地に行かせていただく機会もありました。大学1年の終わりだったと思いますが、新潟県中越地震が発生した翌日にトラックで現地に入り、提携していた大手スーパーの駐車場に「バルーン・シェルター」という緊急支援用の大型テントを設置して、被災者の避難所として活用していただきました。ライフラインが止まった状況で人はいかに無力な存在になってしまうのか。情報が錯綜して混乱する現場で、支援者に求められる判断力や行動力とはなにか。私自身が被災した10年前とは違った立場から、色々なことを考えさせられた貴重な経験でした。それ以外にも、在学中は、ダンスサークル、学生シンクタンク、新聞社でのデスクアシスタント、証券会社での資料作成、ベンチャー企業での販促業務など、常に新しいことにアンテナを張り、多くの活動に参加してきました。

―将来の夢は何ですか?

もともとニュース報道などのメディアに興味があったので、将来的には、メディアを通して日本が東アジアや世界に向けて積極的に情報発信を行い、社会を変えていけるようなムーブメントを起こしたいと色々構想しています。(具体的に教えていただけませんか?)それは秘密です(笑)

―自分が帰国子女であることについてどう思いますか?

帰国子女には、二つの意味があると思いますね。ひとつは、海外に出て外から日本を見ているから、ずっと日本にいると気づかないことや、外国人が考える日本の姿を知ることが出来る。そして、そこから日本に帰って来ていることに、もうひとつの意味があると思います。日本に帰ってきているからには、せっかく外に出て何かを感じたのだから、それを活かして日本を変えていく使命が帰国子女にあるのではないかな、と思います。

―自分が一番大切にしていることは何ですか?

常に可能性が最大の状態にあるようにと、心に留めています。たくさんの選択肢がある状態に置かれたら、その中で一番可能性の大きくなるものを選ぶというのが、一つの大きな基準になります。また、チャンスを与えられたら拒まない。チャンスをくれた相手を信じて、好奇心をかきたてられることにはなんでも挑戦していく姿勢が、新しいものを生み出す原動力になるのではないかと思います。

―最後に、就職活動に対するアドバイスがあれば聞かせてください。

来春から外資系のコンサルティング会社に就職する予定です。私がコンサルティングの仕事に向いていると思うのは、「考える」のが好きな人。そして社会に貢献したいという想いとビジョンを持っている人だと思います。人の役に立ちたい、社会を少しでも前に進めたいという想いがあればそれを言語化しておくこと、また自分や周り、世の中で起きていることの相互関係や本質を意識して考え直しておくのもいいと思います。選考プロセスではそういったことについて意見交換をしたほか、論理的思考力を問うテストもありました。最後に、就職活動のときほど色々な会社を見られるチャンスはないと思います。学生というだけで、気軽に会って、本音で話をしてくれる方が多いです。だからこの貴重な機会を活かして、多くの会社を訪問し、たくさん刺激受けて、その中で相対的に自分はどんな人なんだろうって考えていくのが大切なことだと思います。

インタビューアから一言

自分のことを言葉で表現するのは苦手と話していらっいましたが、将来の夢や信念が明確で、芯の強い自立した大人の女性だなという印象を受けました。また、あらゆることに挑戦していて、その行動力に驚かされました。帰国子女を2つの意味から捉えている視点も面白く、海外に出て貴重な経験をして戻ってきたからには、日本を変えていく使命があるという話が大変印象的でした。
RTNプロジェクト
中山絵理香。1985年奈良県生まれ。0歳から5歳までをポルトガル・リスボンで過ごし、帰国後、東京の小学校に通う。中学1年の夏にイギリス・ロンドンに渡り、インターナショナルスクールに通う。卒業後帰国し、現在一橋大学法学部3年。大学では、国際取引法を専攻。体育会女子ラクロス部所属。