海外生活体験者・社会人インタビューvol.2 ~後編~


N.D.さん。1981年台湾生まれ。2歳で日本に帰国し、4歳のときに渡米。8歳までLAで過ごし、その後デトロイトへ。12歳で、再び台湾に渡り、現地ではアメリカンスクールに通う。高校卒業後、日本に帰国、慶應義塾大学法学部法学科に入学し、04年に卒業。現在は財閥系大手総合商社に勤務。社会人4年目。

―会社ではどのようなお仕事をされているのですか?

入社直後の業務内容は、営業ではなく、人事や業績の管理、予算の作成など主に、管理の仕事を行っていました。3年弱ほど在籍したのですが、残念ながら英語を使う機会は殆どありませんでした。そこでは営業が持ってきた仕事を管理するような仕事が中心だったのですが、やはり、自分で考えて自分で実行するような、主体的に取り組めるような仕事がしたいと思って、異動を希望し、今はウェブビジネスを企画する部署にいます。eコマースチームというところにいるのですが、そこでは新しいウェブサイトの企画などをしています。

―今のお仕事では英語は使いますか?

そうですね、インターネットのサイトを見るときとか、アメリカからのお客様を相手にお話しするときなど、多少は使います。でもやっぱり思うのは、英語が出来るからと言ってビジネスが出来るわけではなく、日本語でも英語でも自分の考えをしっかり持っていないと、何も表現することは出来ないですよね。逆に言えば、自分の考えをしっかり持っていれば、英語が出来なくてもそれは伝えられるだろうし。だから、今は英語が使いたいというよりも、それ以前にそもそものビジネススキルをあげていきたいと思っています。

―後輩のために、就活の話をお聞かせください。

自分の経歴を使って、海外に常に接点を持つ企業で働きたいと思っていて、それを軸に就活は行い、外資系金融や商社、メーカーなどを受けていました。海外に接点を持っていたいとは言え、具体的に何の仕事をしたいのかそのときはまだわかりませんでした。外資金融からも内定をもらっていたのですが、そこではたいてい仕事内容が入社する前からもう決まっていて、部門間の異動もそんなになかったのですが、一方で商社ではいろんな仕事をしていて、入ってからも異動もあるので、入ってから自分の本当にやりたいことを模索するのも良いと思って、商社に決めました。

もう少しテクニカルなやり方の話をします。人によっては自分の興味ある業界しか受けない人もいると思うのですが、私の場合は自分が何の仕事をしたいのかとか、どういう企業に向いているのかとか、わからないことが沢山あったので、とりあえず時間のある限り、あらゆる会社を見てみました。ESも沢山出しましたし。切るのはあとからいくらでもできるので、可能性を狭めることなく、なるべく自分の可能性を広く残しておいて、だんだん絞っていくというやり方が、余裕のある人にはお勧めです。

学生って結構イメージで決めていることが多いのですが、例えば、商社だったら海外駐在が出来る、マスコミは派手、銀行はお金ばっかりとか、それって突き詰めていくと、なんとなくのイメージでしかなくて、実際にそこで働いたこともないのに、そんなことを確信を持って言うことはできないと思うんです。先入観とかイメージで決めていることが多いと思うので、一歩踏みとどまっていろんな会社をじっくり見てみることはした方が良いと思います。

―将来の夢は何ですか?

将来の夢は、今は模索中というか、毎日を一所懸命生きるという感じですね。本当は、3年後、5年後、どうしていたいかという目標を立てるべきだと思うんですが、今はまだわからない部分が多いです。出来れば、30歳前に結婚して、子供も欲しいと考えています。ただ、専業主婦になるつもりはないので、仕事はずっと続けていたい。海外のバックグラウンドとか今の会社で得られたものを生かせるような仕事をずっとしていたいと思っています。

それから、いずれは社会に役立てるような仕事をしたいです。これは私がinspirationを受けた話なのですが、ある主婦の方なんですが、その方はマタニティウエアのeコマースサイトを作っています。その方は旦那さんの都合でアメリカに駐在して、現地で元気でおしゃれな妊婦さんを見たそうです。でも、日本に帰ってくると妊婦さんやマタニティウエアから地味で暗い印象を受け、日本の妊婦さんやこれから妊娠・出産を考えている女性にも元気を与えたいという気持ちがあって、自分でアメリカのマタニティウェアを輸入して販売するeコマースサイトを立ち上げました。

その方は、別に政府系機関やNGO・NPOで働いて社会貢献をしているわけではないのですが、自分の経験を生かして社会の役に立てているので、そのように経験やバックグラウンドを生かして、小さな形でも社会に貢献できる仕事がしたいなと思います。

インタビューアから一言

一つ一つの質問にゆっくりと丁寧に答えてくださって、お話を伺っていてとてもわかりやすかったです。Dさんは今のお仕事がとても楽しいとおっしゃっていて、自分も3年後、5年後にそんな風に言えたら良いなと感じました。自分の意思を持って、仕事をずっと続けたいとおっしゃる姿はとても素敵です。お忙しい中、どうもありがとうございました。 

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東馬裕子。1985年東京生まれ。1歳のときに渡米しニューヨークで過ごす。3歳でシカゴに行き、3歳で帰国する。高校1年のときに再び渡米(シカゴ)し、高校卒業に帰国。現在、慶應義塾大学商学部3年在籍。大学では、体育会水泳部飛込部門、中条ゼミ(公共経済学)に所属。