RTN Project / アールティーエヌプロジェクト - 海外生活体験者・社会人インタビューvol.1

海外生活体験者・社会人インタビューvol.1


中川淳一郎さん。1973年東京都に生まれる。中学時に渡米、4年9ヵ月をアメリカで過ごし、高校卒業後帰国。一橋大学商学部へ入学。卒業後、株式会社博報堂に入社。4年間同社に勤務した後、半年間のニート生活を経て、フリーランスへ。現在は、ネットニュースの編集長をはじめ、会社のPRや雑誌の編集などで活躍中。

若林(以下W): こんにちは、今日はよろしくお願いします。
中川(以下N): こちらこそ、よろしくお願いします。

「今」が一番楽しくないと意味がない

W: さて、中川さんは現在ネットニュースの編集をされていますが、具体的にはどんなことをされているのですか?
N: 毎日、記事を15本位出します。ライターから原稿が来るのですが、加工して入稿します。あとは、PV(PageView)が上がるだろうと予想した内容で記事を書くよう、ライターに指示をします。
W: 何か注意している点は?
N: やはり編集には、やはり細心の注意を払っていますね。コメント欄が荒れないようにしたい。
W: ライターさんは、何人いらっしゃるんですか?
N: ライターは、一回でも書いた人は70人くらい。編集は一人です。
W: じゃあ、お休みは?
N: ないですね。
W: えぇっ?! このお仕事はどれ位続けていらっしゃるんですか?
N: 一年です。
W: 大変ですねぇ……。でも、楽しいですか?
N: ええ、今が一番楽しいですよ。やっぱり「今」が一番楽しくないと意味がないと思うんですよね。

「サラリーマン」という生き方&「フリーランス」という生き方

W: ところで、以前は博報堂にお勤めだったそうですが、なぜフリーランスになられたんでしょうか?
N: んー、サラリーマンという仕事が厭で厭で仕方なかったんですね。会社員って、自分の好きでもない人の出世のために働く仕事なんですよ。
W: 自分のためじゃなくて?
N: もちろん、自分の出世にも繋がりますけど、自分より上の人。あと僕らの場合だと、クライアントの出世のためですよね。でも、自分はその人に何の愛情もないのに、休日出勤はするし、風呂にも入れないし、いったい何のためにやってるんだろうって。
W: ご自分の時間が全然ない?
N: 僕が辞めようと思ったきっかけは、ある外国企業が日本に進出する時のPRの仕事だったんですが、僕は、300時間残業したんですね。
W: えっ?! 一ヶ月にですか?
N: そう。でも、残業手当は全部付けられるわけないし、時差の関係で、夜に電話は入るから、疲弊はするし。そうこうする内に、クライアントの幹部がアジアで成功した報酬に、確か1900万ドルのボーナスを貰ったと聞いたんですね。
W: それは、ショックです……。
N: そう。実際に細かいところで、動いたのはオレ達スタッフじゃん? 3000ドルでもいいからくれ! って。彼のことも、全然好きでもないのにって思ったら、馬鹿らしくなって辞めることにしたんです。あと、こんな金額聞いて、残業代のことでセコイこと言ってる自分にも呆れた。
W: た、大変ですね……。
N: うん、でも、今の仕事って全部自分のためなんですよ。それに、会社にいると、なにかと人のせいにするんですね。誰々さんが悪いとか、下請けがダメだとか。でも、今は全部自分の責任なんですよ。良かったのも、悪かったのも自分のせい。人のせいにはしたくないですね。何でも人のせいにしていたあの時期を思い出すと、恥ずかしいですよ。だから、今が一番いい。

「ヒューマン・ネットワーク」の重要性

W: お話をお聞きしていると、今が一番楽しいということが凄く良く伝わってきました。それから、自分のため、自分の大切な人のため、という印象も。最後にお伺いしたいのですが、そんな中で、中川さんが一番大切にされていることはなんでしょうか?
N: そうですね。信頼できる人を沢山作るってことじゃないでしょうか。僕が頼めば何とかしてくれる人がいるって。それは普段の生活から作ることが大事ですよね。本当にね、一人じゃ仕事ってなーんにも出来ないですもん。
W: 月並みな言い方で恐縮ですが、人と人との繫がりって本当に大切ですよね。中川さん、今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。
N: いえいえ、こちらこそ、ありがとうございました。

インタビューアから一言

 中川さんは、独特の雰囲気を持っていらして、とても楽しくお話させて頂きました。今回、インタビューをさせて頂いたことで、お仕事の大変さや楽しさを、ちょっとだけ垣間見ることが出来たように思います。「今」が一番じゃなくちゃ意味がないよね、という中川さんのお言葉通り、常に今が一番楽しい!と言えるように頑張りたいと思います。

 若林志帆。1986年広島県生まれ。高校2年まで外国とは無縁に過ごす。17歳の冬、無謀にも単身渡英。語学学校を経て、現地の高校へ。ケンブリッジで2年間の高校生活を送り、卒業後帰国。現在は慶應義塾大学法学部政治学科1年に在学中。