海外生活体験者・学生インタビューvol.13


Y.Mさん。1985年東京都に生まれる。小学1年のときに渡米、小学2年で一度帰国、再び中学2年のときにシカゴへ。Glenbrook South高校を卒業し、帰国後、東京大学文科Ⅱ類に入学。現在、国際経済学と金融のゼミに所属。来年度からは外資系コンサルティング会社に入社予定。

―海外生活について教えてください、何か苦労したこととかありますか?

もともと人と話すのが大好きで、人と接するのが私の生活の中ですごい大事だったし、中学生って一番友達としゃべるのが好きな時期だから、そのときに海外にいって言葉が通じないってことがつらかったかな。英語で自分の言いたいことを伝えられないもどかしさがあったし、そんな自分に苛立ったり。現地の人たちはすごく優しかったけど、やっぱり言葉の壁があったから、うまくなじめなかったんだよね。

でも間違いを恐れて黙っているよりは、間違えても何か言おうって考えてたかな。親の転勤の間だけっていうリミットもあったから、少しでも早く、少しでも多くのことを吸収しようと努力した。現地の生活になじめるように、現地の生活の一部となれるように頑張ったよ。差別はぜんぜん受けなかったけど、やっぱり私が外部のものっていう事実を消すことはできなかったし、現地の人も悪気がなくてもそう接しているのが伝わってきて、それがつらかった。

―帰国後の生活について教えてください。

アメリカにいたときに、自分が日本人の代表になることもあったのに、日本について聞かれても答えられないことに気がついたんだよね。アメリカの人もそうだったけど、特にアジアの人たちはすごく日本に興味を持っていて、日本の知識も結構ある。だから、日本に帰ってきて日本の文化とか経済についてしっかり勉強しないといけないと思って、今の学校や学部も選んだよ。あと、自分の周りで、社会で、何が起きてるのかに対しては、常に敏感になっていたいなって意識してる。

―人と接するのが好きで今の職業をえらばれたのですか?

そうだね。私の一番根底にある欲求っていうのは人と話すことで、その人が幸せになること。しゃべるのは大好きだし、相手の笑顔が見られたときが一番幸せなんだよね。バイトでも、お客さんに少しでも快適になってもらえるように改善を続けてる。すごく細かいところでも、ちょっとした変化が大きな影響を生むことって多いんだよね。

―帰国後に苦労したこととかはありましたか?

とりあえず、日本の高校卒業した人が持ってる知識がないから大変だった。漢字とか四字熟語とか(苦笑)

あと、大学では帰国生をよく知らない人たちともなじめるように頑張ったかな。4年前にアメリカでしてたことと逆をしたんだよね。今度は帰国生の代表として。

―帰国生ってマイノリティーになること多いですよね。

うん。でも矛盾してるけど、なじもうとしている一方で、ほかの人と違うことが逆に強みになってたりするよね。だから、完全になじむっていうのは、帰国であることの強みがなくなるみたいで、淋しかったりするよね。

―現在の活動について教えてください

うーん。。。内定者として来年から働くための準備はしてるかな。あとは、学生生活でしかできないことは、なるべくやるようにしてる。予備校や大学の友達とバイトの友達は、すごく大切にしてる。ゆっくり時間を贅沢に使って、大切な友達と旅をするのは今しかできないし、みんな働き出したら会えなくもなるから、いろんな人と会おうとしてうるかな。来週もアメリカにいくよ(笑)
  

―いいですね、旅行とか久しく行ってないです(笑)

たしかに、私も去年は就活で地下鉄ばっかり乗ってた(爆)

―将来の夢について教えてください。

本当に決まってないけど、今までは、自分の道を選ぶときは、自分の決断が置かれた環境に左右されてたんだよね。だから、仕事をして、これからも何ができるかを探すことになると思う。

でも、人と接するのが好きって言う軸が動くことはないし、人に少しでも幸せになって欲しいという気持ちはある。だから、社会全体をよくできるような仕事ができたら、すごいかっこいいとおもう。まだまだそんな大きいことはできないけど(笑)

私にとってのホームタウンはやっぱり日本。でも、海外で過ごした時間を無駄にはしたくないんだよね。だから、私が海外から得られるものを得て、日本社会に還元したい。

―自分が帰国生であることについてどう思いますか?

本当に運がよかったとおもう。せっかくできた友達との別れとか、辛いこともあったけど、海外での滞在経験は本当にありがたかった。日本で生活している中で学べないことをたくさん吸収できたし、アメリカで過ごした日々は今の私の財産になってるよ。

―自分が一番大切にしていることはなんですか?

繰り返しになるけど、ひとが何をしたら、一番うれしいと思うかってことかな。仕事でもプライベートでも。

―就活へのアドバイスはありますか

こんなにいろんな業界を見てみることができる時期って、今しかないと思うから、視野をなるべく広げて、可能な限りいろんな仕事に触れるといいんじゃないかな。また、就活は自分を見直すいいチャンスだよ。外部に触れてはじめて自分のことを知るんだよ。なぜ自分はそれがしたいのか、突き詰めていくいいきっかけだよね。就活は頑張る時期だし、頑張った分だけ自分の身になるよ。

つらいときもあったけど、私は就活好きだったよ。大学の授業では一方的に話を聞いたりするだけだけど、就活は自分のやったことに対して常にフィード・バックがある。

就活は内定をもらうことがゴールではないよ。最終的には自分の働く場所を探すこと。自分のしたいことができる場所が探せるかが重要だよ。面接で、自分が思ってもいないことを言っても、あまり意味がないと思う。自分の素を出して、それを伝えて、相手が受け入れてくれたら、本当に自分に合ってる会社が探せるんじゃないかな。内定をゴールにするとそれを見失ってしまうと思うな。

インタビューアから一言

周りの人のために、社会のために、何ができるのかを常に探しているMさんの姿勢はとてもかっこよかったです。すごく優秀な人物なのに、それを相手に全く感じさせないMさんの完成された人間性を前に、自分の小ささを痛感しました。誰からも頼られ、好かれ、敵を作らない人っているんですね(笑)

一木香奈。1986年東京生まれ。中学2年のときにフィリピン・マニラへ。International School of Manila を卒業後帰国し、東京大学文科Ⅲ類へ入学。現在は農学部3年に在学し、開発経済を専攻。