活動報告 「世界の学校から」vol.1 足立創

今回は、4月から早稲田大学に進学する足立創さんに、‘07年まで通っていたアメリカの現地の高校と、そこでの生活体験について紹介して頂きます。

足立創さん。1989年生まれ。中学一年生まで日本で過ごし、その後カリフォルニア州サンディエゴへ。現地で二ヶ月間の中学生活と四年間の高校生活を体験。Rancho Bernardo High School 卒業後、帰国し‘08年度から早稲田大学商学部に入学予定。

活動報告

America’s Finest City

私は、中学2年生から約4年間、アメリカのサンディエゴに暮らしていました。サンディエゴは、米国カリフォルニア州の最南端にある、太平洋に面した美しい土地です。気候は一年を通して比較的安定していて、毎日のように清々しい雲ひとつない青空を見ることができます。その暮らしやすさから、America’s Finest Cityとも呼ばれています。

そして、私が通っていたRancho Bernardo High SchoolのあるRancho Bernardoは、サンディエゴ市内でも大きな街で、多くの人々が暮らしています。また、幅広い人種の人々が住んでいるのも特徴です。皆さんは、アメリカというと治安が悪いというイメージを持っているかもしれませんが、Rancho Bernardo内では、夜中でも散歩をしている人々をよく目にするなど、治安もとてもよい、とてものどかな地域です。

食事に関しては、海が近いという利点から、豊富で新鮮な魚介類を使った料理を口にすることが出来ます。また、幅広い国籍の人々が暮らしているため、様々な食文化を楽しむこともできます。

Rancho Bernardo High School

私の通っていた高校は、Rancho Bernardo High Schoolという、米国カリフォルニア州のサンディエゴ市にある公立高校です。生徒数3500人ほどのマンモス校で、様々な人種や国籍の人々が通っています。

その規模や、スポーツ、学問などの成績から、サンディエゴの高校生はもちろんのこと、地元のお年寄りなどもほとんどが知っている、とても有名な高校の一つです。しかし、進学校というわけではなく、生徒の主体性を尊重する、とてものびのびとした雰囲気の学校です。現地での学校生活を満喫するには、アメリカらしさを感じられる、とてもよい環境の学校だったと思います。

また、マンモス校という利点を生かして、生徒会を中心に、毎年多くのイベントを生徒たちが企画し、学校生活を盛り上げています。例えば、私の参加した「マルチ・カルチャー・フェア」は、各国の料理を、その国の代表の生徒たちが、他の生徒たちに振舞うという行事です。日本料理は一番人気で、いつも即完売だったのが印象的でした。

この高校は、日本の学校のように、一つの建物にクラスが集まっているのではなく、各クラスごとに小屋のようになっていて、その教室の教師たちが、自分の好みで教室を飾りつけています。そのため、多くの小屋が集まった村のように見えるかもしれません。教室間を結ぶ廊下には屋根があるものの、人が歩く場所以外は屋根がなく、サンディエゴの真っ青な空を見ることができます。また、スクールカラーが青と銀ということで、教室の扉など学校のいたるところが青と灰色で彩られています。

普通のクラス以外に、ESLクラス、そして大学1年のカリキュラムを行うAP(advanced placement)クラスも存在します。このadvanced placementのクラスは本当に力が入れていると思います。例えば、AP chemistryと AP biologyでは、放課後にレクチャーがありました。

学校の設備も充実していて、図書館、全校集会などにも使う体育館、スタジアム、広いグランド、2年ほど前に新設したばかりのプールや、テニスコート、芝生の中庭、吹奏楽や合唱などに使うホールなどがあります。また、カリフォルニアでは16歳から運転免許を取得できるため、生徒用の駐車場もあります。


arts and humanitiesが充実している点も魅力の一つです。カリフォルニア州では、勉強以外のプログラムに対する資金援助が削減されていますが、バンドを始め、ダンス、オーケストラ、劇、コーラスと、どれも優秀な成績を修めています。特に、オーケストラは優秀なのですが、SDYS(san diego youth symphony:サンディエゴ市のトップレベルの高校生オーケストラ)に所属しながらボランティアに精を出している人や、ハーバードで数学と音楽をダブるメジャーする人も所属しています。また、こうしたアーツを支える新たな音楽室が最近できました。学問と同様にfine artsに力を入れている学校であって、それがRB特色の一つだと思います。

My School Life

さて、私の学校生活ですが、中々充実した生活を送っていたと思います。渡米してから二ヶ月ほど、高校の隣にある中学校に通っていましたが、ほとんど何も分からないまま卒業してしまいました。しかし、高校に入ってから二年間は、ESLという英語を第二言語とする生徒たちのクラスで、親切に教えてもらえたので、安心して高校生活を送ることが出来ました。気さくな先生たちも多く、英語の不自由な私に、なにかと協力してくれました。

そんな私の高校生活の中で、一番やっておいてよかったと思ったのが、部活動でした。最初のうちはやはり言葉の壁があり、中々チームメイトたちと打ち解けられなかったのですが、毎日、共に練習することで、段々と仲良くなっていきました。

私の所属していたRancho Bernardo High Schoolのクロスカントリー部は、強豪とされていて、毎年必ず男女のどちらかは、大会の優勝候補に選ばれるほどでした。しかし、チームの雰囲気はとても和やかで、男女共に和気あいあいと練習に取り組んでいました。そんな彼らは、時にはからかいながらも、違う文化を持ち、言葉も覚束なかった私に、とても温かく接してくれました。そして、私自身、彼らと毎日過ごすことで英語も上達し、様々な人種や宗教を持った人々の考えを学ぶことが出来ました。

あれだけのマンモス校だと、多くの人々と知り合う機会があるのですが、クラスによってクラスメイトがほとんど異なるので、実際のところ、なかなか親しくなれないものです。しかし、私は4年間の部活動を通して、沢山の仲間に巡り合うことができました。確かに、言葉の問題や文化の違いから、色々と苦労することも多かったのですが、友人たちの助けや、彼らとの繋がりがあったからこそ、本当に学校生活を楽しむことができたのだと思います。

Moving for the First Time

実のところを言うと、私は海外経験が全くなかったどころか、引越しすらもしたことがなく、言葉の不安もあり、渡米するのが嫌でしようがなかったのです。しかし、結果的に、家族で海外生活を一番楽しんでいたのは、私だったのかもしれません。

この海外生活で改めて感じたことは、例え違う文化を持っていたとしても、一所懸命に努力すれば、周りはそれに見合う評価をしてくれるということです。また、周りに受け入れてもらうためには、異文化を理解しようとし、なおかつ、自分の意見もしっかり持つことが必要だと思いました。

これから海外の学校に通う機会がある皆さんにも、是非色々な活動に挑戦して、学校生活を充実したものにして欲しいと思います。

Rancho Bernardo High School :
http://powayusd.sdcoe.k12.ca.us/pusdrbhs/