海外生活体験者・社会人インタビューvol.18


Nelson Babin-Coyさん。通称NELさん。1985年米国生まれ。University of California, Berkeley校日本語学科卒。在学中に慶応義塾大学に一年間留学し、初バンドJaplishを結成するが、ビザ関連のトラブルが原因で止むを得ず帰国することとなり、バンドを解散。その後、‘07年9月にベルリッツの英会話教師として来日し、音楽活動を本格的に始める。現在はBS朝日の「英語の達人 チャレンジ・ザ・ワールド」の主題歌の他、CMなど、さまざまな芸能活動をしている。また、バンドnothing ever lastsのボーカルを務めている。音楽はセルフ・プロデュースで、NELさん本人が日本語で作詞・作曲をしている。

―早速なのですが、NELさんにとって、海外で生活することってどうですか? 何か、大変なこととかありますか?

もちろん、あります! やっぱり、島国ってこともあるのだろうけど、文化も特別なものがあるし……。(F:ですよねェ。)うん。だから、もっと頑張らなきゃなーと思いますね(笑)

―日本には、いつ頃から興味を持ったのですか?

日本にはずっと興味があったんだけど……、それが深くなったのは、15歳のときですね。日本に2週間、交換留学生としてきたんですよー。よくある、「姉妹校との交換留学」みたいな感じで。

そのとき、日本に初めて来て、俺感動したんですよ。行った先が群馬だったってこともあるんだけど……、田舎だからね(笑) ホントにいい人が多くって、「人のあったかさ」とか、「家族のあったかさ」に、すごく感動したの。それで、日本っていい国だなぁと思って。

―日本で初めてパフォームしたのって、いつですか?

15歳のとき。(F:若いっ!) でしょ(笑)

帰国する前日に、お世話になってくれた人たちが、さよならパーティをしてくれたんですよ。200人~300人くらいのパーティで、俺たち留学生は皆やらなきゃいけない設定があって。それで、お世話になった人たちのために、「あぁ、なんかやんなきゃな」と思って。ちょうど、その半年位前に親父から貰ったギターがあったから、それ使って初めて人前で歌ったの。

でも、そんな大人数の前で歌うのなんて、それまで経験なかったから、もう、恥ずかしくって、客席は見れないし……。でも、歌い終わったあとの拍手がすごくてさ、俺、努力が認められた~!って感じで(笑)

その時は、まだ全然デビューとか意識してなかったんだけど、こういうところで認められるっていいなぁって、そのとき思ったの。

―なるほど。ちなみに、NELさんから見て、日本の歌の特徴ってなんでしょう?

まずね、歌詞の意味の重みが違う。俺、大学で万葉集を日本語で読んだのね。(F:うええっ、原文で、ですか?)それが、そうなの(笑) で、そのときに、短い言葉で、言葉の感じを表現する、かなり「日本っぽい」日本語に触れたの。遠回りだけど、ひとつの歌詞に、色んな意味や思いがこめられている……、そんな感じの日本語。

あと、J-POPとかも含めて、日本の歌は、安心感を求めてられていると思う。例えば、J-POPは、構成がはじめから決まってるよね。Aサビ・Bサビ、って具合に。アメリカにはそういうのもあるんだけど、アメリカは、どっちかというと、歌にワクワク感だとか、ドキドキ感を求めてると思う。

―では、日本の音楽で、何か嫌いなところってありますか?

うーん……(首を傾げるNELさん)。待って、待って、絶対なんかあるっ!

日本の音楽の世界では、全然歌が上手くなくても、顔がいいと売れちゃうところがありますよね。それはちょっと違うんじゃないの、と思う。アイドル系の歌手でもさ、自分で作詞作曲しないで、誰か他の人が作った曲を歌うだけで売れるのは、うーん……(苦笑)

アメリカだとね、問われるのは歌唱力とか他のことだから、余計にそう思うのかも。

―NELさんの目から見て、日本文化ってここが面白いなと思うところがあれば、教えてください。

「ワビ・サビ」の文化。「完璧じゃないものは、完璧じゃないから綺麗」とか。日本では、ただ綺麗なものがウケるんじゃなくて、ちょっと染みがついてるけど、愛着があるようなモノがウケると思うんですよ。

歌詞でも、単純なのじゃなくて、ちょっとヘヴィーで、寂しさだとか悲しさだとか、人間性が出てるような歌詞がウケてる。これは、ちょっと面白いなァと思いますね。

―NELさんの作る音楽って、私もよくYOUTUBEで見てるんですけど、ホントに新鮮だなぁと思うんですよねェ。NELさん自身は、自分の強みはどこだと思いますか?

俺は日本の生まれじゃなくて、4、5年日本語を勉強してる身じゃないですか。それで、自分で作詞・作曲をやってる。だから、他のアーティストに比べたら日本語では劣るんだけど、でも、だからこそ新鮮な歌詞を作れてるって自分では思う。もちろん、できた歌詞は、「いいね」って言ってくれる人と、「うーん」って言う人がいるけど。

この間も、「今日が明日の誕生 永遠に続く僕らの手作業」っていう歌詞を作ったとき、周りで「「手作業」って使い方が違うんじゃないの」って言う人もいたのね。なんか「手作業」って、労働してるみたいだから、って。でも、「あ、これいい、新鮮」って言ってくれた人もいたの。

俺は日本語のニュアンスが完全に分かるわけじゃないから、そこは自分の弱みだと思うけど、同時にそれって、自分の強みなんじゃないかと思うんですよ。分からないからこそ、誰も使わないような使い方で、日本語を使って歌詞が書けるから。

―うんうん。NELさんの音楽は、日本の音楽に新しい風を吹き込んでくれそうですよね。

そうですね、新しいセンスを持ち込みたいって思います。日本って、色んなことが「決まってる」んですよねぇ。J-POPは、歌詞も構成が決まってるし、生き方も年功序列だとか、そういうので決まってるじゃないですか。俺は、そういうのじゃなくて、型にはまらないようなセンスを持ち込みたいと思ってます。

―ありがとうございます。では最後に、NELさんのファンの方々に一言お願いします。

ありきたりだけど……、うん、これから、一所懸命がんばって、成功したい気持ちが沢山あるので、期待していてください! 期待には、ちゃんと応えますっ!(右手ぐっ)

―NELさん、今回はありがとうございました。

NELさんの次回ライブは赤坂GRAFFITIにて3月2日の18:00より。詳しくはこちら。
http://www.nelmusic.net/blog/?cat=4
貴重なライブです。この機会をお見逃しなく!

NELさんのofficial websiteはこちらから
http://www.nelmusic.net/
NELさんのyoutube動画はこちらから
http://www.youtube.com/user/nbcsaku
NELさんの他のインタビューはこちらから(My Eyes Tokyo)
日本語:http://www.myeyestokyo.com/aboutme/Interview/taidan/pg30.html
English:http://www.myeyestokyo.com/aboutme/Interview/pg30.html

インタビューアより一言

約束の時間の20分過ぎ、茶目っ気たっぷりに謝りながら「ごめんなさい~っ!」と登場したNELさんは、良い意味で、まことにマイペースなお方でした(笑) しかし、中身は本格派のミュージシャン。音楽の話になると、熱く語って下さり、インタビューアの私も、ワクワクさせていただきました。NELさん、このたびは本当にありがとうございました。ライブの成功、心から祈ってます。それでは、またっ!

藤原彩加。1988年生まれ。5歳から9歳までフランス・パリで過ごし、帰国後、東京の小学校に通う。小学校6年からインドネシア・ジャカルタ。中学1年の時に日本に一時帰国、中学2年でインドネシアに戻るが、その直後にカナダに渡り、オタワにある私立高校へ編入。卒業後、慶應義塾大学法学部政治学科に進学し、現在1年在学中。