海外生活体験者・学生インタビューvol.20


深田菜央さん。福岡生まれ。3歳から4歳にかけて、ブラジルで過ごす。帰国後、福岡と山口に住み、その後、東京で中高一貫校に通うが、高校1年の1月に、South Carolinaへ。高校卒業後帰国し、東京農工大学の獣医学部に進学。現在、獣医となるべく勉強中。

―深田さんの海外生活を教えてください! まずは高校から。

私が通っていた高校は、日本人が3人しかおらず、最初は苦労しました。11年生のときに数学のhonors societyに入って、数学のtutorを2週間に1回、放課後か早朝にしていましたが、それ以外は特にスポーツなどはしていませんでした。

よく覚えていることは、先生と話す機会が多く、勉強面でもいろいろ助けになってもらいましたことです。例えば、家庭教師の人には、私がその人の家に行って英語のessayのcheckをしてもらったり、その日学校であったことを相談したりしていました。ESLの先生にも勉強はよく見てもらいましたし、理系科目も、化学の先生に家庭教師として化学を見てもらっていました。

他には、貧富の差が激しいことにショックを受けました。南部なので、奴隷制度が影響が未だにありました。昔からcotton fieldなどの土地を持っている白人はお金持ちで、 黒人奴隷の子孫は貧しいままでした。cafeteriaに行くと、はっきりと白人と黒人で分かれているのです。黒人のほうが排他的で、日本人には近づいて来ない。白人は黒人の2倍ほどいて、プレスビテリアンやメソジストが多かったですね。

―海外での生活で獣医を目指すきっかけになったことありますか?

私は元々馬の獣医師になりたかったんですけど、自然が多く馬が多かったSouth Carolinaの環境からは、少なからず影響を受けていると思います。私が住んでいたエイケンはサラブレッドの産地として有名で、巨大なpolo fieldがたくさんあって驚きました。downtownの道は碁盤の目のようになってるのですが、そこには6頭立ての馬車もあったんですよ。乗馬のレッスンも受けていて、夏休みはtrailに行ったりしていました。

ブラジルにいたときも、周りに放し飼いの馬がたくさんいて、ホームレスの子供たちがそれらを乗り回しているのを見て、すごくうらやましかったのを覚えています。蚤がたくさんいて、その馬たちには触れはしなかったんですけど、どうしたらあんなに馬と仲良くなれるのか、いつも考えていました。

―帰国後の生活はどうでしたか?

人種がみんな同じということに、今更ながら驚きました。ですが、アメリカにいたのは2年半ほどだったので、あまりアメリカナイズをされなかったと思います。それほど逆カルチャーショックもなかったです。勉強に関しては、アメリカで生物はがんばっていたので、苦労はしなかったんですけど、小論文や数学は大変でした。

―大学はどうですか?

人見知りだからなじめなかったですね。入学初日から飲み会でどうしたらいいかわからなかったです(苦笑)

最初は馬術部に入っていたのですが、毎日活動するので、前から持っていた喘息が出てしまい、体力的にも問題があったので、残念ながら止めてしまいました。体育会系の上下関係にも慣れなかったです。たとえば、朝5時に1、2年生がきれいにして3、4年生は馬に乗るだけみたいな。その代わり、飲み会だと上級生がおごってやるよ的雰囲気が苦手で(笑)、別に払えるのにって思ってました。

―その感じ、わかります!(笑) 現在はどんな活動をしていますか?

薬屋でレジ打ちのバイト以外には、Mini horseの会に入っています。毎週火曜日4限後厩舎に行って、mini horseを散歩させます。農工大の学祭や近くの公園のイベントで、馬車を引かせて子供たちを乗せたりしてます。アカペラサークルにも入っているんですけど、勉強が第一優先なので、あまり参加できていません。授業は獣医生理学、生化学、生化学実習があります。他には、心理学やenglish communicationも取っています。

―将来の夢はなんですか?

馬の獣医師になりたかったのですけど、馬に毎日触れると喘息がでるとわかってしまったので、今は迷っています。ですが、基本的には大きい動物を扱いたいなと思います。

他には食品の安全管理や狂牛病などの予防の仕事をしたいなとか。語学力を生かして海外の獣医専門書を翻訳する仕事も考えています。やはり、参考書は洋書が多く、日本語版は高い。参考書が高いと、学生は困りますよね。

―自分が帰国子女であることについて、何か特別に感じることありますか?

たまに意識します。例えば、図書館で参考書を借りるときに、和訳じゃなくて原書にしようかなとか考えたりするときは。ですが、やっぱり日本が長いから、そんなに意識しないですね。学校の英会話の授業で結構話してみたがるので、そこは帰国っぽいのかもしれませんね(笑)

―自分が一番大切にしていることって何ですか?

アメリカでは、一人で行動することも多かったので、一人で行動するのもそんなに苦ではなくなったんですね。だから、周りを気にしないようすることを大事にしています。そして、自分の思ったことをやりとげたいですね。海外に行くまではすごく人の目を気にするタイプだったので、アメリカで得たものを持ち続けたいと思います。

―将来どういう人になりたいですか?

獣医師としてだけでなく、人として偏見を持たずに、色んなことを見て吸収できる人になりたいです。それは、高校時代、外国人だからこう、東洋人だからこう、という偏見を持っている人がいて、偏見をもたれるのはつらいなと痛感したからです。

インタビュアーから一言

とってもかわいらしい人でした。一つ一つの質問にしっかりと考えて答えてくれました。私も獣医学専攻ですが、将来どんな獣医師になるのか、まだしっかりとは決まっていないので、将来を考えるにあたって、とっても刺激になりました。mini horseの写真を見せてもらいましたが、すごくかわいかったです。学園祭などでmini horseを公開するそうなので、ぜひ皆さんも見に行ってくださいね。

内山紗也子。1986年鹿児島県生まれ。その後、東京、沖縄に暮らし、小学5年から2年間マレーシアに滞在。東京に帰国後、中学2年の夏から米国シカゴへ。高校卒業まで5年間在住。帰国後、東京大学理科Ⅱ類に入学。現在2年に在学。