海外生活体験者・学生インタビューvol.21

interviewer_s_40_profile.jpg A.Nさん。1984年千葉県生まれ。幼少期に1年アメリカで過ごし、高校3年間をニュージーランドで過ごす。高校卒業後、京都大学経済学部へ進学。在学中はフリーペーパーを2誌創刊、学生ブロガー・ポータルサイト立ち上げなど、様々なプロジェクトに携わる。4月から外資系証券会社に勤務予定。

―海外生活について教えてください。

高校3年間、ニュージーランドに在住していました。もっと広い世界が見たい、日本を飛び出したいと思い、留学しました。単身で留学したのは、日本語にできる限り触れないため。自分を追い詰めたかったんです。昔からこういう向上心が強くて(笑) ニュージーランドの英語は多少アクセント(訛り)がありましたが、そのおかげか、British AccentからAmerican Accentまで聞き取れるようになれたことは収穫でした。

高校時代、好きな科目はなんといってもArt。高校3年間、ずっとArtのクラスを受講していました。他の科目についても、高校を主席で卒業することを目標に、真剣に勉学に励み、その結果、目標を達成しました。これは自分の中で大きな自信となりました。

大学は、アメリカか日本で迷いました。Art、特に、映画製作に興味があったため、Hollywoodに行きたかったんです。ですが、海外滞在中、日本について、Artをはじめ、さまざまなことを知らない自分に気づき、母国についてもっと学びたいと思い、帰国を選びました。河合塾に通い、京都大学経済学部に合格することができました。

―大学生活と就職活動について教えてください。

勉強は、課外活動を熱心に行っていました。ウェブ制作事業で起業も経験しました。人を集めて、何かにがっつり取り組むっていうのが好きなんですよね。

就職活動の準備ですが、はじめは、こういった課外活動から自分の実力に自信を持っていたため、あまりする必要はないと思ってました。が、世の中そんなに甘くなく(笑)、友達が利用していた就職準備活動に参加した際に、全然思い通りにいかないことを痛感しました。そこで、積極的にインターンを経験して、そこでのグループワークなどを通して、本番に備えました。

就職活動では、外資系の証券会社、テレビ局の製作部門、映画会社など、7つほど受けました。いろいろな企業から内定をもらうごとに、私の中で大きな悩みが膨らんできました。「どんな職業に就きたいのか」という気持ちと、「どのように、どういう人と働きたいのか」という気持ち、そのジレンマに悩んだのです。私は本当にArtが好きで、だからこそテレビ局を複数社受けてたんですけど、外資系企業の気質や、そこで働く人たちにとっても魅了されてしまったんです。

結局、私は外資系企業を選択しました。やはり多少の後悔がありましたが、今はこれでよかったと思っています。人間、人生の流れに乗ることも大事だと思います。自分の中で、本当になりたいものを明確に抱き続けていれば、そのための一般的な最短の道に進めなかったとしても、人生でたくさんある分岐点で、少しずつ少しずつ夢に近づく道へ軌道修正していくことができれば、いずれ目標地点に辿り着くことができるだろうと思います。流れに身を任せ、目の前の仕事をこなし、能力を磨き、自分を磨き、人とつながっていけば、おのずと夢の職業につながる道が、自分の前に現れてくると思う。

これが、わたしの就活の教訓です。私の場合、証券会社がどのように映画製作につながるかと言えば、たとえば映画制作会社への融資の証券化などをイメージしています。

―外資系証券会社の魅力は何ですか?

対人の仕事というか、人と接する仕事だということです。そして、やっぱり働く人が魅力的。「外資系企業」って、やっぱり看板がすごいじゃないですか。でも逆に、その中で働く人たちについては、余り話題に上らないですよね。でも、本当は、内で働く人たちの魅力が、その企業の看板の魅力を創りだしているんです。

極端な話をすると、日本の典型的な企業には、仕事は余りできなくても、年功序列で役職についている場合とかありますよね。外資は違います。上司は自らの仕事はもちろんこなせるし、また、リーダーシップというか、部下を率いる力も持ち合わせています。自分の能力がきちんと評価され、それに見合った報酬がもらえる。性別も関係ないですし、外資は、向上心のある人にはぴったりですね。

―外資系証券会社にはどのような人が向いていると思いますか?

私の経験から考えると、企業が計ろうとするのは、頭の回転、対人能力、成長可能性、向上心だと思います。優良企業を狙うのであれば、学歴も関係すると思います。

また、比較的少人数のチームをつくる外資系企業の場合、チームメイトがあなたに魅力を感じ、あなたと仕事したいって思うかどうかも重要だと思う。譬えるとすれば、大学のゼミ入室時の面接試験。どんなに能力があっても、教授やゼミ生とよりが合わなければ入れてもらえないし、合えば入れる。だから、外資を受けるなら、たとえなかなか内定をもらえなくても、自信を保って、諦めずにいくつか会社を受けてみることが大切だと思います。

また、学歴についてですが、一言に外資といっても、企業のトップなどと交渉するといった人を相手にする仕事や、パソコンや机の前で書類を作成する仕事など、さまざまです。対外的な仕事は、企業イメージのためか、高学歴の方が多いです。しかし、法律の契約書作成などをする人は、能力に重きが置かれるため、学歴はあまり問われないように感じます。

―海外生活体験者の特性とはどういうものだと思いますか?

一言でいうと、「ビジョンが定まっていること」だと思います。海外生活って、本当に大変ですよね。単身留学に限らず、家族で渡ったとしても、無数の苦難があります。そのような中、諦めずに進み続けるには、やはり何かしらの目標がなければ厳しいと思うんです。英語を話せるようになることだったり、主席で卒業することだったり。このような経験から、海外生活体験者は、厳しい状況に置かれても、明確な目標というか、ビジョンを持って頑張れるんだと思います。

海外生活体験者は就活に強いと言われたり、事実、私の周りでも優良企業に入った人を多く知っていたりするけれど、それは外国語運用能力への評価のみではなくて、このビジョンが企業に魅力的に映った結果なのだと思います。また、個人的な感情としては、同様の苦悩を共有できるということで、海外生活体験者に対しては、仲間意識があり、また尊敬しています。

インタビューアから一言

インタビューは2時間ほどのお時間をいただいていましたが、お話が大変興味深く、とても短い時間に感じました。これが外資系企業の求める人間力なんだな、と思いました(笑) ものすごい向上心と自信、そして勢いを感じ、魅了されました。これから、私も就職についても真剣に考えていこうと思います。 
石井竜馬。1987年千葉県出身。'05年、米国オハイオ州の現地高校卒業。'06年、中央大学法学部法律学科フレックスB入学。刑法ゼミ所属。 '08年、Asian Law Students' Association(アジア法学生協会)中央大学支部代表。同年6月、「弁護士と救済されるべき人を繋げたい」という想いから、iRasコンサルティンググループを設立し、現在に至る。趣味は水泳とイベント主催。