海外生活体験者・学生インタビューvol.25

interviewee_s_59_profile.jpg 中尾聡美さん。1989年愛知県生まれ。4歳から8歳までイギリス・ダービシャーで過ごし、帰国後、小学3年生から6年生まで愛知県の小学校へ通う。卒業後、今度はアメリカのケンタッキー州へ。高校卒業後帰国し、現在、慶應義塾大学法律学部法律学科1年に在学中。慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラに所属し、勉学とバイオリンの演奏に日々励んでいる。

―まず海外での生活について聞かせて下さい。

向こうでの生活は、とにかく忙しかったですね。特に、バイオリンに力を入れていました。私は、6歳からバイオリンを弾いていたので、高校は、芸術のオーディションを受けて、バイオリン専攻として通っていたんです。夏休みに州が主催した3週間の芸術プログラムに参加し、自分たちでアンサンブルを行ったり、州の選抜オーケストラもやったりしていて、毎日がバイオリン漬けという感じでしたね。

他にも、学校のミュージカルの役者、プール高飛び込み、テニス、生徒会役員、それに、ボランティア・クラブの委員長などもやっていました。ボランティア・クラブでは、週一で、恵まれない子供たちに、バイオリンのレッスンをしていました。

こんな感じで、勉強はほどほどで、3年間課外活動に熱中していましたね(笑) でも、全く後悔もないし、とても充実した生活を送れて、良かったと思っています!

―向こうでの生活を本当に楽しんでいたようですね。文化の違いなど、困ったことはなかったですか?

やはり、幼い頃イギリスに住んでいたこともあって、渡米した時は、そんな大きな抵抗というものはなかったですね。でも、イギリスのアクセントだったので、アメリカの英語や学校生活に慣れるのには、1年くらいかかりました。私の住んでいたケンタッキー州は、南部訛りが強く、最初の頃は言いたいことが伝わらず、自分の英語力不足かと悩んだ時期もありました。しかし、発音のせいだと気づいてからは、すぐに生活に慣れていきました。文化の違いなどで困ったのは、むしろ今の方かもしれません(苦笑)

―それは、どういう意味ですか? もっと詳しく教えて下さい!

大学に通い始めて、ちょうど一ヶ月くらいたったのですが、今は先輩・後輩関係に、少し苦戦しています(苦笑) 私は小学校しか日本で過ごしていないので、正直まだ、この日本独特の上下関係に違和感があります。アメリカでは、みんな年に関係なく同じように接するし、先生にも、とても親近感を持てたんです。もちろん、礼儀を学ぶ上でも、将来社会に出る上でも、大切なことではあると思うのですが、たった一歳の差でも、敬語を使うと、なんとなく距離があるような気がしてしまって、悲しいなと感じることもあります。これから、だんだん慣れていこうと思います。

―自分が海外経験者であることについてどう思いますか?

帰国生の中には、自分が帰国生だと言うと、回りに自慢のように捉えられてしまうのが嫌で、言うのを控える人もいると思うんです。でも、私は自分が帰国生であるのは、たまたま父の仕事でという、単なる成り行きであって、日本で生活していた学生と比べて、劣っているとも優れているとも思わないし、日本でみんなが勉強や部活を頑張っていたのと同じように、私は海外で色々な事に手を出して、色んな体験をしたというだけで、特別だとは思わないです。だから、自分が帰国生であるということに、全く抵抗は感じないですね。

―海外の忘れられない一番の思い出はなんですか?

先ほども少し話した、州が主催する3週間の芸術プログラムに参加したことです。ケンタッキー州からの応募者が1300人ほどいて、その中から、200人しか選ばれない、選抜の非常に厳しいものだったので、音楽だけでなく、ダンスや絵や執筆など、本当にさまざまな才能を持った人々に出会えて、たくさん刺激をもらいました。今でも、ここで出会った友だちとは、頻繁に連絡を取り合っています。

―海外での生活で学んだことはなんですか?

自分の意見をしっかりと持つことの大切さです。アメリカでは、授業でも、ディスカッション形式のものが多く、自分の意見を求められる機会が多くありました。だから、常に、物事に対して自分はどう思うのだろうと、考えるようになりました。当然、それを表現する力も身についたと思います。

―海外での生活を通して得た自分の長所は何だと思いますか?

自分をしっかり持っているというのもそうですが、結構堂々としているところですかね(笑) 自分が不安なときでも、自信を持って色々行動していれば、何かと良いことが起こると思っているし、比較的ポジティブ思考です。これは、海外での生活があったからこその性格だと思います。もし、海外に行っていなかったら、もっとおとなしかったと思うので(苦笑)

―大学はどうですか? 帰国後も続けていること、大切にしていることがあったら教えて下さい!

大学では、特に語学に力をいれています。高校3年間勉強していたスペイン語に加えて、新しく中国語も学び始めました。課外活動では、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラに入り、バイオリンを続けています。6月にはコンサートもあるので、それに向けて練習に励んでいます。受験中はあまり練習できなかったのですが、今は、環境も整っていて、色んな曲を練習しているので、これからが楽しみだなと思っています。その他にも法律サークルに入っていて、大学でも、相変わらず毎日忙しいですね(笑)

―これから、大学生活で頑張りたいことはなんですか?

勉強は今一番頑張りたいことです。もちろん、オーケストラも。あとは、バイトがしたいです。今まで海外では出来なかったので、日本では、自分の英語力や社交性を生かせるバイトをしてみたいです。実際、仕事をしてみないと分からないこととかあると思うし、自分にはどんな職業が合うのか全くわからないので、色んなバイトに挑戦したいです。

―では、将来はどんなことがしたいですか?

将来は、まだ全く想像がつかないですね。でも、バイオリンは趣味として続けたいです。それから、アメリカでの生活を通して、最低限の暮らしができない人々に、何か役に立つ仕事ができれば良いなと思うようになりました。まだ、法律の勉強も始まったばかりなので、これからゆっくり考えていこうと思っています。 

―将来、海外で働きたいと思いますか?

ありますね! アメリカでの生活は大好きだったので。でも、在学中に、英語圏以外の国にも行ってみたいなと考えています。特に、先進国ではない国に行きたいですね。これからの新しい出会いが楽しみです! 

―では最後に、これから留学を考えている人に、アドバイスをお願いします。

おそらく、日本で勉強をしていると、文法は出来るのに、しゃべることに抵抗を感じてしまう人が多いと思います。たとえ、発音や文法が間違っても、自分が思うより、向こうの人はすごく寛大に受け入れてくれるし、馬鹿にすることもないので、自分からとにかく積極的にコミュニケーションを取って行ってほしいですね。それが、一番語学力アップに繋がると思うし、視野も広がると思います。頑張ってコミュニケーションの場に足を運んで下さい!

インタビューアから一言

興味を持ったことには何でも挑戦する、チャレンジ精神旺盛な女性です。とても明るく、気さくな人柄で、インタビューも楽しくできました。彼女自身も話していた通り、インタビューを通して、しっかりと自分を持っている魅力的な女性だと、強く感じました。私も彼女を見習いたいです。きっと、これからも色んなことを吸収して、どんどん人間的に大きな女性になっていくのだろうと思います。みなさんも機会があれば、ぜひ彼女の所属するオーケストラの演奏を聴きに行ってみて下さい♪
interviewer_s_46_profile.jpg 宮城夏子。1989年愛知県生まれ。中学まで日本の学校へ通うが、中学卒業後、中国・上海へ単身留学。高校3年間を上海で過ごし、現在は、立教大学経営学部国際経営学科1年に在学。RTNプロジェクトの立教大学支部を自ら立ち上げ、1年生ながら、代表も務める。