海外生活体験者・学生インタビューvol.27

interviewee_s_64_profile.jpg 山梨 David 頼人さん。1986年米国ニュージャージー州生まれ。高校卒業までをアメリカのニュージャージー州で過ごす。18歳のとき、大学入学を機に来日、上智大学に入学。現在、国際教養学部(旧比較文化学部)3年に在籍し、国際経済を専攻。体育会男子ラクロス部、学生団体AGE、学生団体OVALに所属。OVALでは学生のための国際ビジネス・コンテストの運営を行い、Creative Director 局長(デザイン統括)を務める。趣味はスポーツ、映画、デザインなど。

―生まれてから18年間米国生活なんですよね。なぜ、来日されたんですか?

日系アメリカ人であるという、自分のアイデンティティに悩んだことが、進路決定のきっかけでした。国籍も選択しなくてはならないし、その前に日本でも生活してみたいと思ったんです。日本人なんだし、日本にも住んでみたい。それが理由です。そして、上智大学での学生生活と初めての日本生活が始まりました。

―「18年間外国育ち」はインパクト大。これってラッキーじゃないですか?

とにかく、初めて会う人にすぐ覚えてもらえること。ラッキーだと思いました。いつだって自己紹介ではインパクトを与えられる。新しいことを始めるときと新しい出会いには、海外生活の経歴は役立ちますよ(笑) 何事も、初めのインパクトって、結構重要だったりするんですよね。

―始めて暮らす日本の印象はどうでした?

日本の何に驚いたって、電車です。満員も満員、溢れてるじゃないですか! これは日本ならではだ!!と思って、早速駅員のバイトを始めたんです。そしたら、すごいんですよ。毎朝、電車に人を押し込んでも押し込んでも、他の場所から人が湧いてくる(笑) あんなに沢山の人が電車に乗るんだって。面白かったですよ。でも、捕まえた痴漢の数が多かったことは、喜べない事実でしたね。日本の電車文化のプラスとマイナスの部分が見えました。

―他になにか感じたこととかありますか?

恐らく、海外生活者は皆感じたことがあると思いますが、アメリカを含め、外国では自己主張をすることが常識なんですよ。でも、日本は空気を読むというか、協調を重んじる。言わなくてもわかるだろっていう感覚が、お互いにあるのが日本なんですよね。でも、そんなことわからなくて、当初は自己主張していました。アピール上手が成功のポイントって、アメリカでは思われていますからね。

でも、日本での成功のポイントは協調性を持つこと、空気を読むこと。これは、空気を読めるようにならなければいけないと思って(笑)、大学で入った体育会ラクロス部で上下関係というものを教わって、空気を読むとか、そういう感覚も鍛えられました。今ではしっかりと、空気読めますよ!

―大学での生活を教えてください。

体育会ラクロス部とOVALが一番力を入れているものです。ラクロスはサークルではなくて体育会なので、きついです。本当、練習練習の毎日で。でも、体育会という環境や練習の中から学ぶ、日本的なものは多いです。最近は慣れたので、もはや日常ですが(笑)

あとは、何といってもOVALの活動。自分の将来とも関係するようなことをやっているので、ついつい時間を忘れて没頭してしまいます。OVALというのは、日中韓の大学生が集まって、学生のためにビジネス・コンテストを主催する団体です。

各国の運営スタッフもコンテスト参加者もインカレなので、学校の外に沢山知り合いが増えるのは面白い点です。また、中国や韓国の大学生は本当に勤勉で優秀だし、もちろん、日本人のOVAL関係者も何かしら皆やっているので、目指すところが本当に高いというか、果てしない感じで、刺激的ですね。

社会人の方々や多くの企業、政府団体にも注目していただいて、多くのことを社会から教わる機会が身近にあるのが日常で、それが当たり前のようになってしまっているけれど、実はこれってとても貴重なことなんですよね。学生も社会人も注目のOVALを、よりよいものへと創っていくことが、楽しくて仕方ないんです。

―OVALでの仕事を具体的に説明してもらえますか?

クリエイティブ局という、デザインやウェブを扱うセクションの局長を務めています。デザインといっても、本当に多くのものを作らなくてはいけなくて、コンテスト参加者募集のパンフレットやポスター、また、コンテスト中に使う映像やノベルティ、あらゆる配布資料等の表紙など、短期間でこれでもかというほど、実力を発揮する機会があります。

OVALの映像などは、過去数年間、クオリティが高いという評価を頂いて来ていますから、今年もプレッシャーではあるけれど、よりレベルの高いものを創りたいという一心で、日々勉強しています。ここでクリエイティブをしていた先輩方は、大手広告代理店D社、H社などに行かれましたが、皆さん本当にOVALでの経験が貴重だったと話されるので、きっと間違いないのだと思います。学生ながら、本格的にアウトプットできる場がここにはあるので、それを存分に楽しみながら創っています。

また、製作途中ではありますが、今年のOVALサイトが完成しつつあります。ご覧頂けると嬉しいです。(http://www.oval-official.org/

―私も3年生なんですが、そろそろ、就活が気になりませんか?

大学3年生になると、みんな就活を考え出しますが、やはり、自分も最近は気になります。アメリカに戻るか、日本に残るか、選択肢がありますが、自分はこのまま日本に残ろうと、今のところ思っています。広告代理店に行きたいんですよ。

やはり、クリエイティブを実際にやってみて、面白さを知ってしまったので(笑)、将来の夢として、日本でラクロスを広めるプロモーションをしてみたい。ラクロスはまだまだ競技人口が少ないスポーツ。それを日本で広めてみたいんです。

―今日はありがとうございました。

OVALでの活動報告はこちらから:
http://www.rtnproject.com/2008/06/_vol17_david.html

インタビューアから一言

生まれてからずっとアメリカに滞在し、大学入学を機に初めて日本にきた、そんな彼と初めてサークルの新歓で出会ったとき、英語で会話したのを思い出します。しかし、その彼も、今では日本語のビジネスレターをきちんと書けるまでになっていました。ずっと日本に住んでいた学生でも難しいことだと思いませんか? 不思議だ、理解できないと思ったことに、あえて飛び込んでいく彼の姿勢を、インタビューを通じて知り、嫌いを作らないという、素晴らしいその姿勢を見習おうと思いました。
interviewer_s_50_profile.jpg 小池藍。東京生まれ。韓国Seoul Foreign High Schoolを卒業後、慶應義塾大学法学部政治学科入学。大学1、2年次に学生のための国際ビジネス・コンテストOVAL副実行委員長、学生団体Age渉外局長、慶應義塾大学法律学研究会第34期代表を務める。2年次に金融コンテストShareの投資銀行部門に出場し、リーマン・ブラザーズ証券賞、UBS証券賞、日興シティ・グループ証券賞、モルガン・スタンレー証券賞、ドイツ証券賞受賞、総合第2位を獲得。現在3年に在学し、公共経済学を専攻。