海外生活体験者・学生インタビューvol.33

interviewee_s_69_profile.jpg A.S.さん。1989年神奈川県生まれ。小学校3年生までは東京の小学校に行うが、その年の秋にイギリスへ渡り、中学3年生まで現地校に通う。6年9ヶ月の海外生活を経て帰国し、ICU高校に帰国枠で入学し、卒業。一般入試で、慶應義塾大学に合格。現在、法学部法律学科2年に在学中。

―Aさんの海外生活について、まず教えてください。

小学校から中学までしかいなかったのですが、本当に楽しく充実した毎日を過ごしていたと思います。最初に行ったときは、言葉が分からなくて壁を感じていたのですが、だんだんと分からないのに慣れて、英語が全然話せない、分からない状態でも、イギリスの子供たちと遊んでましたね(笑)

でも、週に3回、父の会社がつけてくれた英語の家庭教師の先生に英語を教わっていたので、英語を少しずつ身につけて、そのうち会話にも溶け込めるようになりました。私が最初にいた私立の学校は、部活がなかったので、なにもやってなかったのですが、公立の学校に転校してからは、学校のextra curricular activities(課外活動)に参加して、サッカーと新体操をやってました。

週末や休みの日は、イギリスの方たちは家族との団欒を楽しむ人が多かったので、私の家族も皆で買い物に出かけたり、イギリス内の観光地に行ったり、近くの公園に行ったりと、ゆっくりとした生活をしていましたね。でも、中には中学生からも行けるようなクラブのような場所があったので、そこで楽しむ人たちもいましたよ。もちろん、保護者の人たちも行けるような場所だったので、イメージしているクラブとはきっと違うと思いますけど(笑) 土曜日の午前中は、日本語の維持のために日本語補習校に通って、国語を中心に勉強もしていました。

―イギリスに行って一番よかったなぁと思うことはなんですか?

そうですね……。日本では関われないような人たちと交流ができで、日本にいるだけでは見えなかったものが見えて、自分の視野が広がったと思う。だから、行って本当によかったなぁと思いましたね。イギリスの人たちともちろん、現地の学校に行っていたので交流はありましたし、毎日彼らから何かを学んでいた気がします。イギリスの方たちは、日本人に比べて、わりと自分の意見をはっきりと言うんですが、毎日交流していたので、自分もそういう性格になっちゃいましたね(笑)

イギリスにいる間は、海外にいることが普通だと思っていましたけど、すごいことなんだなぁって、帰ってきて改めてわかりました。特に英語をしゃべれるようになったという意味では、行って本当によかったと思いましたね。英語ができるようになったおかげで慶應にも入れましたし(笑)

日本には高1の時に帰ってきてしまっていたので、帰国子女枠ではなく、一般入試でしか慶應を受けることはできなかったんです。6年間というブランクもありますし、普通に日本で生活して、小学校から高校まで、ずっと日本で勉強をしている人たちと一緒に受けるなんて、到底無理だと思っていました。

でも、慶應の一般受験英語の配点は200点で、どの科目よりも配点が多いので、英語で点数を稼げると思い、挑戦してみようと思いました。もちろん世界史や国語なども勉強しなくてはなりませんでしたが、英語の分野でほぼ満点を取ることができたので、無事合格することができました。ちなみに言えば……、世界史は48点でしたね(苦笑)     それでも合格できたので、英語に力を入れられれば、受験もスムーズに行くんだなと実感しました。同じころに受けた英検1級の試験も、簡単に合格できましたよ。

あとは、イギリスに行ったことで、ヨーロッパ各地やエジプトなど、日本からはあまり頻繁にはいけないところにも行けて、いろんな国の世界遺産や歴史的建造物を見ることができたので、本当に良い経験だと思いましたね。こんなにいろんなところに行って、教科書を飛び出して世界史を勉強できたのに、48点はもう笑うしかないですよね(苦笑)

―いやいや。海外に6年間いて、一般受験で慶應に入っただけで、充分すごいと思いますよ?! 逆に、高校で不便なこととかありませんでしたか?

ありましたよー!(笑) 最初のほうは、授業がすごく難しいと感じましたね。でも、それよりも大変だったのが、日本の人との付き合いですかね。日本の人たちはみんな「場の空気」というのを大事にするじゃないですか。そのことで一番苦労しました。

例えば、高校の学園祭のときにクラスで会議があったのですが、みんなの意見がまとまりつつあるときに、「他に意見はありますか?」と言われて、自分が発言したらみんなに冷たい目で見られると思って言えませんでした。すごく思い出に残っています。それも「空気を壊さないため」と思っての考えですけどね。

高校入学当初は、どうしてもところどころ英語が出て来てしまって、日本人とのコミュニケーションがうまく取れなくて、苦労したこともありました。日本語の単語が出て来なくて、代わりに英語で置き換えても、なんのことだか理解してもらえず、誤解を招いてしまうこともありました。すごく辛かったです。最近は少し慣れましたけど、やっぱり英語で話しているときが、今でも一番楽ですね。今から英語で話しませんか?! なんてね(笑)

―あ、じゃぁご要望に合わせて、次の質問は英語で!(以下インタビューア訳) 将来の夢について教えてください。

正直言うと、実はまだ、いまいち自分がやりたいことが見つかっていないんです。でも、人との交流がすごく好きなので、さまざまな文化の人たちと関われるような仕事に就きたいと思っています。きっとイギリスでの経験も生かせると思いますし、人見知りをあまりしないので、どんな人とも関われる自信はあります。

あとは、今からでもできることですけど、今も将来も、ずっと自分のIdentityを持って行きたいと思います。ほら、日本人はわりと周りに合わせようとするじゃないですか。イギリスでは、自分を持っている方がすごく多くて、私はそれが本当に素敵なことだと思ったので、日本にいても、自分を持って周りに左右されない人間になりたいなと思いました。

―英語の維持のために努力していることって、なにかありますか?

学校では、一応法学部設置の英語の授業で、特殊クラスという、試験を受けて入る最上級クラスを受けていますけど、やはりそれだけでは足りないので、いろいろな本や雑誌などを読んでいますね。英字新聞を取っているので、それを読んだり、TIMEという英字雑誌を読んだり。本は月に最低1冊は読むようにしています。

どれを読むときも、分からない単語があれば、辞書で調べるようにしているのですが、英和辞書で調べるのではなく、英英辞典で調べるようにしています。英語で理解するという姿勢で続けることが一番大事だと思いますし、脳内を英語モードに切り替える機会を増やすという意味でも、そうしています。日記も英語で書くようにもしていますし、今みたいに帰国子女の友だちと一緒に英語で会話をしたりもしています。

―最後に、イギリスへ旅行に行ったときの必見スポットがあれば教えてください!

私はイギリスのロンドンに住んでいたのですが、ロンドンは本当にいい街なので、絶対に行くべきです! 市内にLondon Eyeという大きな観覧車があるのですが、それに乗ればロンドンの街並みを見渡せますよ。すごく綺麗なので、ロンドンに行くことがあれば、是非乗ってみるといいと思います!

インタビューアから一言

Aさんとは、学校でも授業が一緒だったこともあって、話したことはありましたが、彼女のイギリスでの生活や日々の努力などを、今回のインタビューを通して知ることができて、本当に良かったと思います。Aさんは本当に明るくて、彼女がインタビューでも言っていたように、自分を持った女性であることに私はとても魅力を感じました。また、是非インタビューをさせていただきたいと思います。Aさん、本当にありがとうございました!
interviewer_s_54_profile.jpg 雄谷麻梨。1989年東京都生まれ。小学校1年生のときに、アメリカ・サンフランシスコに渡り、小学校4年生のときに一旦帰国。その後、中学1年生のときに再度日本を離れ、高校卒業までカナダ・バンクーバーの現地校で過ごす。大学受験のために帰国し、慶應義塾大学に合格。現在、法学部政治学科2年に在学中。スポーツが好きで、夏はテニス、冬はスノボー・サークルにて活動している。