海外生活体験者・社会人インタビューvol.30

interviewee_s_73_profile.jpg M.H.さん。法政大学の英文科を卒業後、大手メーカーの子会社で3年間働く。国際機関で働くことに興味を持ち、2年間イギリスに留学。留学中に結婚し、開発学の修士号を取得して帰国。日本で開発コンサルタントとして1年働いた後、都立大学の博士課程に入学。夫の転勤のため、10ヶ月ほどカンボジアで生活。現在は社会学(ジェンダーと移民)を専攻中。

―海外生活について教えてください! まず、イギリス留学の方からお願いします。

英文科を卒業後、大手メーカーの子会社で3年間働きました。でも、国際機関で働くことに興味を持って、2年間イギリスに留学しました。開発学のバック・グラウンドがなかったから、1年目はロンドン大学の予備スクールに。2年目に、もう少し郊外の大学で修士号をとりました。

1年目がすごく楽しかったですね。始めたばかりの勉強は、新鮮だから身が入るし、夜に町が明るかったから!(笑) ロンドンみたいな大都市じゃないと、お店が5時にしまってしまうんですよ。それに、中国人やアフリカ、インド人など色々な人がいたから、外国人ゆえの疎外感を感じることも、ほとんどありませんでした。今の夫と出会ったのもこの頃だし、本当に楽しかったです。

逆に、2年目の始めの3ヶ月は辛かったです。ロンドンと違って夜は暗いし、何もやってない!(苦笑) もちろん勉強も大変だし、「ジェンダーと移民」というテーマだからか、クラスは若い女の子の輪ができていて、入っていけません。年が明けて、指導教官が決まったのが転機でしたね。1対1の面談の機会があり、自分の考えていることや論文の内容について、教官に話すことができたことで、授業中も積極的に発言できるようになりました。

―その後、カンボジアにも行かれたんですよね?

専攻していた「ジェンダーと移民」について、調査ができるかなと思ったこともあり、夫の転勤について行きました。9ヶ月と2年9ヶ月の子供がいたのですが、「お手伝いさんに任せればいい」という夫の言葉を信じて行ったら、大変なことになりましたね(笑)

お手伝いさんはカンボジア語しかしゃべれなくて、ほんの少しは勉強して行ったけれど、言葉も通じない。現地では、材料を調達することさえできなかったので、料理をしてもらうためだけに雇った方でした。子供は全然なつかなくて、私の手を離れません。どこに何があるか分からないし、交通機関を利用するコミュニケーション能力がなかったので、物理的にも精神的にも外に出られなくて、プチうつ状態になりました(苦笑)

状況はあまりよくならなかったのですが、カンボジアで見聞きしたことが、今の研究や仕事につながっているので、行ってよかったと思います。転んでも、ただで起きるのは嫌でした。カンボジア難民が日本に来ているとはじめて知って、関心を持って、現在はそれを博士課程の論文のテーマにしています。

―海外生活から学んだことを教えてください。

自分が海外できることには、いつも限界があって、どこかで誰かに助けてもらわなくてはなりません。だとすれば、いつもまわりに感謝することを忘れないということですね。そして、それは日本にいる外国出身者の人も同様に感じているとするならば、どんな些細なことでも、役に立てるようになりたいと思います。

―どうして国際協力の方面に興味をもったのですか?

もともと世界の話に興味があったんです。「世界ふしぎ発見」のミステリー・ハンターに、本気でなりたかったくらいです(笑) だから、大学の間に留学したいだとか、国際機関で働いてみたいだとか、そういったことはずっと考えていましたね。今は、国際機関で働きたい気持ちは抱きつつ、研究の道を進み続けるのもいいなと考え始めたので、まだ分かりませんけど。

―就職活動へのアドバイスがあればお願いします。

大学で勉強できることは限られています。社会に出て学ぶことの方が多いです。自分は全て知っている、ではなく、これからのほうが人生勉強だという態度で臨んだ方がいいのではないかな、と思います。

―最後に、自分が一番大切にしていることを教えてもらえますか?

家族です。どう研究と両立するか。自分のしたいことも、家族も大切にしたい。そして、そのバランスも大切にしたい。そう考えています。

インタビューアから一言

高2のときに授業を受け持って下さっていたとき以来、長い間お会いしていませんでした。久しぶりに会った先生は、相変わらず優しくて、和やかなムードで、お話させていただきました。全然知らなかった先生の一面を知ることができて、とても有意義なインタビューだったと思います。
interviewer_s_53_profile.jpg 村田和恵。1989年生まれ。神奈川県出身。高校3年次に、オーストラリアに語学留学。現在は、慶應義塾大学法学部政治学科2年に在学中。体育会馬術部に所属していて、馬の世話と騎乗に明け暮れる毎日。引退後に、本場の西洋馬術を見に行くのが夢。また、最近中国の政治経済に力を入れて勉強中。