海外生活体験者・社会人インタビューvol.23~第7編~

interviewee_s_56_profile.jpg T.Kさん。1976年佐賀県唐津市生まれ。茨城県つくば市で育つ。中学2年の夏に家族でフィジーへ。4年弱を過ごした後、単身イギリスへ渡り、パブリック・スクールに通うも、3ヶ月で退学。その後、日本へ帰国し、高校2年の3学期から、神奈川県の高校へ編入。一般入試で一橋大学社会学部入学。卒業後は電通に就職。現在はTVブロス編集者。

愛情がないと、ね。

W:じゃあ、大切にされてることはなんですか?
K:やっぱり、愛情ですかねぇー。やっぱり愛情がないと途中で飽きちゃうし。仕事ってやっぱ大変なんですよね、責任があるし。なんか、すげぇ良いことを思いついても、これを実際やることになったら、すげぇ大変だろうなぁーと思って尻込みして、ゴクッと飲み込んじゃうことって、結構あるんですけど。
W:言っちゃったら、やっぱり……。
K:言っちゃったらそれは、言った人が刈り取らなきゃいけないじゃないですか。それが責任ですよ。でも、その責任がちょっと取れそうにないなって、仕事になるとやっぱ大変ですよ。詰めて、詰めて、詰めて考えないといけないし。色んなところに電話だ、ファックスだって、しないといけないし。期限決めたら、それを何とかして守らないといけないし。何かと面倒なことばっかり。でもね、その苦労を、苦と思うか思えないかの境目って、やっぱり愛情だと思うんですよ。
W:じゃあ、今のお仕事は好きですか?
K:まぁ、一つ一つに対しては、好きなのと嫌いなのがありますけど、まぁ、総合的に見れば好きなのかなぁーっ。
W:活字は嫌いでも?
K:活字は嫌い。書くのも嫌い。でもね、やっぱり自分のアイディアが実行に移せる。それで、金ももらえるっていうのでは、良いポジションだなって思いますけどね。でも、やっぱり本当に愛情は大切ですよね。愛情が持てないなら、やらない方が良いですよ。今ね、ホスト。ホストの雑誌の仕事をやってるんですけど、ホントに、ホストに対して愛情を持ってないんですよねー。だから、やっぱ、頑張れるか頑張れないかは、愛情だと思いますよ。
W:今まで、一番頑張れた特集、お仕事っていうのは?
K:んー、何だろうなぁ。。。基本、自分でやりたいと言い出したものは、愛情がありますよね。やってくれって言われて、やったものもありますけど、そういうのって、大概、愛情入りませんもんねぇ。
W:どんな企画をやったんですか? 自分でやりたいって言ったのは?
K:今まで? んー、エアラインとか、ロン毛とか、あとは、童貞とか。あだ名力とか、缶コーヒー、何やったっけ? 最近すげぇ忘れちゃうんですよね(笑) あとは、ウィキペディアとか。そんな感じかなぁー。

「キコク」であるということ。

W:今のお仕事に、帰国子女であるって、何かプラスだったりマイナスだったりすること、ありますか?
K:ありますよ。
W:プラスはどんなことですか?
K:英語のサイトが読める。やっぱり情報が全然違いますよ。情報収集の面においては、絶大な威力を発揮しますよ。
W:じゃあ、マイナスは?
K:マイナスは。。。いわゆる一般的日本人の気持ちが分からないときがあります。やっぱりがさつになるっていうか。
W:まぁ、良い意味でおおらかというか。
K:繊細さはなくなりますね。
W:でも、普通に生活する中でそういうことって感じますか?
K:どーだろうなぁー。もう、昔海外で生活してたなんて、忘れちゃってる状況ですからねぇ。
W:でも、3月なのにサンダルですよね。名残が現れてますよ(笑)
K:でもねぇ、海外経験でね、実家がちょっと変わったんですよ。お母ちゃんがインターナショナル・スクールを自宅で勝手に始めたんですよ。
W:え? 東京で?
K:いや、つくば。で、妹はそこで先生やってたんすけど、今や、フィジーで真珠の養殖してますからね。真珠の養殖をフィジーでやろうなんて、フィジーで生活してなきゃ思いつかないし、インターナショナル・スクールやろうなんて、一家で海外に行ったことがなけりゃ、思いもしないですからねぇ。実家帰る度に、なんかその、普段耳にしない情報がいっぱいあって、楽しいんですよ。その、なんて言うんですかね、英語のサイト以上に、外国人が持ってる、日本人が知らない情報っていうのを、上手いこと仕事に生かしたりとか。
W:でも、お母さん凄いですね。
K:みんな、がさつです。繊細さがないですよ(笑)
W:いや、でも逞しくて、楽しそうで、それに、皆さん自由奔放で羨ましい限りです。
K:そいじゃ、もう仕事行かなきゃ。
W:えっ!もうそんな時間?
K:そいじゃ、またー。
W:今日はホントにありがとうございました!

インタビューアから一言

編集長すどうに、「君、インタビューに行っておいでよ」と、Kさんのもとにぽーんと送り込まれた今回のインタビュー。「えー、あさってから、海外旅行いくのにぃ……」と、実は思っていた私。そこへ、編集長から送られてきたKさんについての一通のメール。「ヤバイ。これは行くしかない……」期待と不安で私の小さな胸はイッパイでした。。。

Kさんとお話しをさせて頂いて、「頭の良い人なんだなー」という印象を強く受けました。話にメリハリがあって、2時間以上お話をさせて頂いたのに、飽きるということがありませんでした。ずーっとオモシロ、オカシイ話をするのではなく、その中にチラッと見える知性が、とても魅力的でした。次に巨大ウナギと戦うときは、私も是非誘ってくださいね。多分見てるだけですけど(笑)

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若林志帆。1986年広島県生まれ。高校2年まで外国とは無縁に過ごす。17歳の冬、無謀にも単身渡英。語学学校を経て、現地の高校へ。ケンブリッジで2年間の高校生活を送り、卒業後帰国。現在は慶應義塾大学法学部政治学科2年に在学中。