海外生活体験者・学生インタビューvol.39〜第2編〜

interviewee_s_84_profile.jpg 山田尚輝さん。1987年愛知県豊田市生まれ。中学2年生の時に渡米。アメリカのミシガン州・デトロイト郊外にて中学・高校時代を過ごし、卒業後単身で帰国。’07年4月に早稲田大学に入学、現在は法学部2年に在籍中。2年次を通し、緑法会のゼミ内にて、刑法レクチャー・チーフを務めている。早稲田大学射撃部にも在籍。次期OB主任。

―早稲田大学に入学したときのこと、お話していただけますか。

こんだけ寮生活で遊び呆けてて、全く授業行かないで、でも、自分は京都大学受かった気でいたんだよ。もちろん落ちる訳わけ。面接でぼろかす言われて。論文は、まあ、そこそこ出来てたなって印象があったし。とは言え、今思うとそこまで出来てなかったんだけどね。

だから、2月の後半ぐらいから早稲田大学入学まで、もう、ふてくされてふてくされて(苦笑) あんなに遊び呆けてたやつが、何を言うって感じなんだけど(笑) そこで結構切り替えが遅い自分が早稲田大学というものに通ってみて、一番驚いたのが、「こいつら頭よくね? すごくね、おまえら?!」と。受験戦争を勝ち抜いて来た人たちっていうのは、やっぱり、自分みたいな甘ちゃんとは違うな、とは、最初の1ヶ月っていうか、前期、しみじみと思った。

最初は、アメリカ時代と同じように、友達なんて別にどうでもいいや、流されるまま4年間過ごして行こうと思ってたんだけど、早稲田って、いろんなバックグラウンドの人がいるわけよ。沖縄から来てたりとか。自分と違うバックグラウンドの人と喋ってると、めちゃくちゃ面白いなって。それぞれに物語があること。それは早稲田に入ってすごい感じた。早稲田って変な人おおいんだよ、正直!(笑) それが変な意味で楽しくなっちゃってさ。

さっき、パーソナル・スペースって話をしたけど、大学でも最初はかなり広かった「こっから入って来ないで」っていうスペースが、2年に入って狭まったっていうのは、実感としてあるね。後輩が出来て、責任感が出たからっていうのもあるけど。やっぱり、後輩っていうのは、自分に対してやっぱり若干壁があるなとも思うし、その壁をとっぱらってやるのが自分の仕事じゃないか。

あとは……、なによりも好奇心だよね。その人のバックグラウンドも知りたいなって。それは本当によく思うようになった。それからかな、かなり変わったのは。めちゃくちゃ切り替えが遅い人間なんだよ。決断するのもすごい時間かかるし。即断即決みたいに思われるけど、実はそんなことないんだ。本当に。

―山田さんは、緑法会で刑法レクチャー・チーフをしていらっしゃいましたよね?

刑法大好きなんだ。自分は1年の時、刑法、曽根先生だったんだ。曽根さんは、早稲田でも有名な通称「単位の番犬ソネット」。1年生の前期に、先輩との科目登録相談会で、先輩に時間割見せて、まず一言目に「ご愁傷さま」って(笑) 「伝説の7割落とし」とか、いろいろ聞いてると思うけどさ。

法学部入って、流されるままと言いつつ、単位だけは取ろうと思って、そこで勧誘してた緑法会に入ったんだよ。そしたら、刑法のレクチャー、前期からやってくれて。曽根さんて、論点が25個ぐらいあって、それを全部覚えないと単位取れないっていうのもあるんだけど、それを一から順に、緑法会の先輩に丁寧に教えてもらったんだ。結果、他の成績は酷いくせに、曽根さんだけAだった。

刑法だけは真面目に勉強しすぎて、あのときは刑法なら何聞かれても答えられるよってくらいに。本気で勉強したのは久々だなって思った。そのきっかけをくれた緑法会のゼミに対して、何らかの恩返しができないかなって思って。

刑法教えてくれた緑法会の先輩には、今もお世話になってる。後期から、先輩と同じ国際法のゼミに入ったんだよ。一次選考にもれたとき、私のところに来なさいよって言ってくれて。これから3年間お世話になることは確定なんだけどさ。それで、緑法会や先輩への恩返しに、刑法のレクチャー・チーフやろうかなって。まあ、実際問題流されたっていう、お前なら出来るよって言われて、自分しかいねえなって(笑)

―なるほど(笑) 実際にやってみて、どうでしたか?

難しい! 非常に難しい! 自分でレジュメ作って、自分が分かってることを相手に教える難しさって、すごいなって思った。すどうさん尊敬するよ。すどうさん、じきに心労で死んじゃうんじゃない?(笑)

でも、幸いなことに、全員単位取れた。本当によかったよ。緑法会のゼミの夏合宿中に成績が発表されたんだけど、そこで教えた子に「単位来た?」って聞いたとき「単位来た」って言われたり、「おかげさまで」ってメールが来たりしたとき、「ああ、やっててよかった」って思った。自分でやるより達成感があった。人が何か出来るようになるっていうのを見るのは、嬉しいよね。

大学の授業って、そうだと思うんだけど、出てみないとわかんないんだよね。去年の先輩が使ってたデータが残ってなくて、去年もらったレジュメを友達から回収して……、2年前期は死にそうだった。一週間にレジュメ3枚書いてたから。自分で作成して。今思えば問題なかったし、みんな単位取れたからよかったけど。

自分だけで教えるのもやばいかなと思って、「空いてるよね? 空いてるよね?」とか聞いたり、「今度これ教えるからさ、いっしょにやろうぜ」って言ってみたり、友達巻き込みつつレクチャーしたんだ(笑) そういうことが普通に言えるような仲間が出来たことも大きいかな。第3編はこちら>>

第1編はこちらから>>
倉門亜実。1988年、東京生まれ。国内を幾度か移動した後、中学2年でスイス・ジュネーヴに移り住む。インターナショナル・スクールを卒業後、帰国し、現在は早稲田大学法学部1年に在籍。