海外生活体験者・学生インタビューvol.42

interviewee_s_80_profile.jpg 岩下芙実さん。1988年ベルギーブリュッセル生まれ。3歳で日本に帰国。その後13歳まで千葉で過ごし、渡米。アメリカコネチカット州で5年過ごし、帰国。現在 京都大学法学部1回生。

―まず、海外生活についてお聞かせください。

はい。中学2年生から5年間、アメリカのコネチカット州に住んでいました。最初は本当に大変でしたね。中2だったので、勉強自体が難しくて、特に大変だったのは理科と社会。他の科目はESLクラスがあったんですけど、その二つの科目だけはなくて、先生にあてられるし、本当に嫌でした。だから、最初は毎日「帰りたい」と泣いてばかり。親にも迷惑をたくさんかけました。

毎年、夏休みは5週間サマースクールに通いました。親元から離れて、自分で身の回りのことを全部しなければならないので、いやでも英語を使う環境に置かれました。最初はもう本当に辛かったんですけど、こういう環境に置かれたことで、最終的には英語も聞き取れるようになったし、台湾人の友達もできて、とても良かったです。

高校のときは、2年間、日本から来た子たちのヘルプをするボランティアをしていました。図書館で勉強をみることが主でしたね。幸いなことに、私の親は英語ができたので、私の勉強を見てくれてたんですけど、そうでない子たちも多くいると思ったので、自分が親にしてもらったことを今度は他の子たちにしたいという気持ちと、来たばかりで辛い気持ちを理解できると思ったので、始めてみたんです。

―帰国受験はどうでしたか?

実は私、私立受験では思うような結果が出なかったんです。だから、ちゃんと勉強して大学に入りたいと思って、国立受験をしました。京大の法学部を選んだのは、もともと法律に興味があったのと、押し付けられることなく、自分で好きなことを好きなペースで進められると思ったからです。

今になって、国立受験をして本当に良かったって思います。というのも、法学部の試験は論述問題なんですが、受験で小論をやってたから全く苦にならないし、試験の結果も良かったです。逆に、一般受験している子は知識があっても小論文は書き慣れてないので、周りの友達は結構苦労してました。

―大学生活についておしえてください。

大学ではテニスサークルに所属し、その他にアルバイトを三つしています。最近、年長と小学校2年生の子に英語を教えるというアルバイトを始めました。“Hello”からはじめて、一緒にアルファベットを覚えたり、ゲームをしたりしてますが、楽しく英語を覚えて欲しいと思っています。

やっぱり、小さい子はアルファベットを覚えることが難しいので、この間、カルタ遊びみたいなゲームをしたのですが、たとえば、「A」という文字が書いてあるカードを引いて、ちゃんと「A」と認識できたら、そのカードをとることができる。そして、姉妹で競わせるんです。

こういうゲームは自分で考えるんです。好きなんですよ、こういうのを考えるのが。そして、何より小さいころからゲーム感覚で英語と触れることで、英語って楽しいって思ってもらいたいんです。

今、中学2年生の家庭教師もしているのですが、その子は英語に苦手意識を持ってしまっているんです。それは中学1年生のときの、先生が一方的に説明するだけの授業が原因みたいなんです。だからこそ、「英語って楽しいな」って、早いうちから思ってもらいたいですね。

―話しが変わりますが、帰国子女であることを意識しますか?

もう絶えず意識してます(笑) たとえば、大学の友達に出身高校やセンターの話しをされると、「私センター受けてないし」みたいな感じで意識します。だから、入学当初はすごく劣等感がありました。そうした劣等感があったからこそ、前期試験はすごく勉強して、その結果、良い成績をとることができました。

あと、京大には海外生活をした人があまりいないので、すごく珍しがられて、「すごい!」とか「英語話して」とかよく言われます。英語の時間に発言したら「おぉー!」みたいな(笑) 正直言って、帰国だからとバカにされるかと思ってたんですけど、全然そんなことなかったです。

―京大に入学して一年が経ちますが、振り返ってみてどうですか?

京大大好きです! 学風も放置プレー(笑)な分、やりたいことをやりたいときにすることができるし、やりたくないことはやらなくて良い。それから、下宿生が多いので、みんな近くに住んでるから何かと協力もできるし、遊びに行くのに電車を使わなくて良いし(笑)

いろいろな人がいるから楽しいですね。今すごく仲良くしている子に、タイ人の留学生の子がいるんですけど、そういう違う環境で育った人の話しを聞けるのは面白いです。

いろいろな人がいると言いましたが、根はみんなマジメで、やるときはやるってタイプなんです。やっぱりそういうところが好きですね。やらなきゃいけないことがあるのにやらない人を見てると、「文句ばっかり言ってなんで何もしないの?」とイライラしてしまいます(笑)

―将来の夢について教えてください。

将来は、検事が弁護士になりたいと思っています。やっぱり、資格が欲しいですね。資格は平等だから。企業にはいってしまうと、女の人は、結婚・出産というキャリア的な障害があるので、男女差別はどうしてもあると思うんです。その他にも、P&Gとかカネボウのような、女性が上に立っている企業に魅力を感じます。そういう会社であれば、女性も優遇されると思いますしね。

―では最後に、一番大切にしていることを教えてください。

自分にできることは、絶対にミスしないということ。たとえば、レポートとかでも、やらないとなんか気持ち悪いんです。重いものをしょっている感じがして。

それから、後ろ向きは大嫌いなので、反省するけど後悔はしないことです。もちろん、「ここはダメだった」とちゃんと反省はしますが、「今回は失敗したけど、学べたからよかったじゃん!」みたいに考えるようにしています。

インタビューアから一言

どの質問にも笑顔で一所懸命答えてくださった岩下さんがとても印象的でした。帰国子女であるが故に、入学当初感じていた劣等感や、帰国受験を通して得たものといった岩下さんのお話は、3年前の私自身が感じていたことであり、自分自身と重なるところがありました。これからのご活躍に期待しています!

夏目寛子。1985年新潟県生まれ。5歳の時ニューヨークへ渡り、6年間滞在。その後帰国し、5年間東京で暮らす。16歳のときロンドンへ。2年間インターナショナルスクールに通い、卒業後帰国。現在京都大学法学部4回生。大学では国際政治学を専攻。グッドサマリタンクラブ(京都を外国人にガイドするサークル)、法律相談部に所属。