帰国子女大学入試・合格体験記vol.19

interviewer_s_47_profile.jpg 倉門和遠さん。1986年東京生まれ。高校1年まで日本で過ごすが、その後、父の転勤により、スイスのジュネーブでおよそ4年間過ごす。その後、大学受験のため日本へ帰国。慶應義塾大学に進学し、現在法学部法律学科3年に在学中。

【東京大学理科Ⅱ類受験・慶應義塾大学法学部合格&進学】

1.勉強法

帰国前


私立でも、特に慶應は、海外での成績を重視し、受かるためには、最初の書類選考に是が非でも通ることがカギとなります。そのため、まずは徹底的に海外の成績を上げることに専念した方がいいと思います。

私はIBを取って受験しましたが、教科は、自分が好きで、高得点取れるものを選びました。Extended Essayは、3取りたいなら、迷わず日本語にすべきです。ちなみに、慶應の理工に行きたいなら物理は必須です。希望者は忘れないようにして、IBのカリキュラムを無駄のないものにしてください。

私立入試

皆さんは帰国して予備校に通うと思いますが、入ってすぐ始まるのが私立入試です。慶應、早稲田は例年他より早めにやります。合格するためにクリアしなければならないことは、慶應では書類選考と小論文、面接です。

小論文対策としては、私の場合、小論文の書き方の本を2、4冊買って読みました。読んだ本は、「本物の文章力」(樋口裕一著、集英社新書)と「原稿用紙10枚を書く力」(斎藤孝著、大和書房)です。

斎藤孝さんは3色ペン読書法で有名な方で、そちらも読んで損はありません。方法ですが、読んだ本を自分なりに解釈すると、まずは型を守って書き、論点を3つ立てて、キーワード、言いたいことを紙の上にはきだしていくという方法を取りました。まあ、そこら辺は、塾の先生方はその道のプロなので、彼らに聞いた方がいいかも知れません。色々と話を聞き、ノウハウを知り、自分に合った組み合わせをしていくのがベストだと思います。

国立入試

話をする前に、帰国の皆は敵ではなくて、仲間だと思ってほしいです。では、本題に。

ここでは、理系で受ける場合について話したいと思います。私は東大理科Ⅱ類が不合格でしたので、あまり参考にならないと思いますが、失敗者の体験談として読んでいただければ幸いです。

東大の場合は、まずなんといっても数学です。これができるかどうかで戦術が大きく変わります。科目の優先順位としては、数学>化学、生物、物理=小論文といったところです。ですから、帰国してから速攻で数学の問題集を始めてください。

8ヵ月なんてすぐです。帰国したばかりで色々と誘惑があると思いますが、振り切ってください。大多数がそうあるなかで頑張るからこそ差がつきます。なぜなら、数学は力が伸びるのに時間がかかり、できるできないとでは、他と大きな差がつくためです。生物や化学で満点取れる自信があるなら別ですが。

あとは、自分の得意教科で攻めるのがいいです。化学を軸にして、生物か物理を選択するのがベターだと思います。私の場合、参考書は、河合塾の講師で超有名な「照井俊の化学」(照井俊著)を使い、問題集は、赤本と駿台受験シリーズの「理系標準問題集化学」「有機化学演習」その他2冊をやりました。生物は、問題集は赤本に、駿台受験シリーズ「理系標準問題集生物」と「生物考える問題100問」「大森徹の生物計算・グラフ問題の解法」「大森徹の生物遺伝問題の解法」をやりました。東大の生物はユニークで難解な文章を読み解く問題なので、それを解くにはトレーニングが必要です。

2.受験スケジュール

慶応・早稲田


予備校等に入って本当にすぐなので、やれることも限られてしまいますが、それでも1、2ヵ月くらいあると思いますので、限られた時間内で、自分の志望する分野の本を読むとか、小論文を何枚書きあげる!とか、具体的な目標を作るのもいいかもしれません。

国立

私立入試が終わってひと段落……ですが、国立入試を考えている人には、ここからが正念場だと思います。私から言いたいことは、驕らないことです。おそらく、国立を志望する人は慶応や早稲田に受かっていると思いますから、俺ってすごい、受かって鼻高々!なんて、つまらない自慢を棄て、謙虚に次の目標へと進んで欲しいです。ただし、息抜きも必要です。1週間くらい遊んで十分楽しんだら、次にどうすればいいか、やるべきことを忠実にこなしていってください。

3.受験準備

帰国前


海外の成績は良くとれたか、TOEFLのスコアは限界まで上げたか、そして、学校で思い残すことのないように試験後1ヵ月遊びまくったか、の3つを確認してください(笑)

IBについては、結果開示後、郵送で送るということなんですが、これがくせものです。連絡がついてもなぜか全然届かないので、前もって連絡をとるなり、結果開示後に、小まめに連絡を交わすのが肝です。後になってパニックに陥らないためには必要です。

帰国後

まずは、簡単でいいですので、年間予定表を作成してください。私も私立、国立と2つ作りました。あるとやっぱり燃えますから。あとは、冷静に、受験する大学の試験の科目をリサーチして、それに合った勉強を決めてください。

どの問題集を使うか、どの参考書で攻めるかは、始めるうえで大変重要で、やってることが合ってないと時間の無駄ですから、情報収集をしっかりした方がいいと思います。自分のやった本をいくつか挙げましたが、あくまで私個人が良いと思ってやってものにすぎず、もっと良い参考書なり問題集なりがあると思いますので、問題の傾向に照らし合わせたり、塾の先生に聞くなりしてほしいと思います。

受験直前

まずは、脳が働く時間を、本当の試験時間と対応する教科に合わせてみた方がいいと思います。その方が、脳が一番活発に働き、かつ緊張感があるからです。私自身、国立が始まる1ヵ月くらい前から実践していました。

例えば、国立で言えば、日本語、英語小論文は9時スタートだとすると、その3時間前には起きて脳を慣らしてから、9時ジャストから始め、小論文を一本書きあげるという感じです。数学も化学も生物も、同様にしてやりました。試験にはベストコンディションで臨みましょう。

4.最後に

これはゼミの教授が言っていたことですが、すべての帰国受験生に送りたいと思います。

良いゼミに入ったからといって安心ではないし、落ちたからといって負けになるわけではない。要は、そこから何を学び、腐らず立ち続けられるか。目標に受かるか否かが全てではなく、むしろ、他の可能性がもしかしたら自分にとって良い結果につながることもある。