帰国子女大学入試・合格体験記vol.20

interviewee_s_97_profile.jpg 工藤香緒里さん。1985年横浜生まれ。2歳になる前に日本を離れ、バーレン、イギリスに滞在後、7歳で帰国。横浜の小学校を卒業後、ブラジルで5年間過ごす。サンパウロ日本人学校の中学部に通い、高校からアメリカンスクールに編入。高校最後の一年を目前にしてマレーシアに移り住む。クアラルンプールのインターナショナルスクール(ISKL)を卒業後、一人で帰国。現在は早稲田大学第一文学部4年に在学中。

【早稲田大学第一文学部・上智大学総合人間科学部社会学科合格】

慣れない日本

英単語を交えないと、日本語で言いたいことも伝えられない状態から、受験勉強をスタートしました。そもそも、高校のときに日本語で十分な表現が出来なくなってしまったことに危機感を持って、日本の大学に進学を決めたので、受験勉強は良い鍛錬の場だと捉えていました。日本語力を高めるために、予備校の先生に薦められた新書を読んで、小論文で使えそうなポイントをノートにまとめることを続けて行きました。

新書はどんなにつまらないと思っても、とにかく読むと決めて読み続けていくことをお奨めします。新書を散々読んだおかげで、受験後小説を読んだときに、主人公がいて、登場人物が出てきて、物語が展開されるという、当たり前のことが何て素晴らしいのだろうと思いました。私にとってこれは大きな収穫で、生まれて初めて日本語の本を面白いと思えた瞬間でした。

高校のときに授業でとった文化人類学を大学で学びたいと思っていたので、人文学を学べる早稲田の第一文学部と上智の社会学部を受験しました。受験料がとてつもなく高いと感じ、2つの学部しか受験しませんでした。実は円に対する感覚がなかったため、マレーシアのリンギットを基準に計算をしていたのです(笑) 今振り返ると恐ろしいことをしていたと実感します。

いざ受験

社会学部や文学部の小論文では、滞在国について日本と比較し論ずる問題が多いという傾向があります。私は、高校時代をブラジルとマレーシアの2ヵ国で過ごしたので、それぞれの国の政治、経済、宗教、教育などのポイントを調べて、ノートにまとめ、自分なりの考えを持つよう意識していました。

また、小論文では具体的な数字を示しながら論ずることができると、格段に説得力が増します。特に、英語圏出身ではない帰国生は、ここで採点する先生の知的関心を誘うような数字を上手く使えると強いと思います。

上智は面接もあるので、自己分析も行いました。何故日本の大学なのか、何故上智大学なのか、何故社会学なのか。入学後追求していきたいテーマや問題意識についても、しっかりと述べられるように繰り返し練習をしました。本番では自信を持って、例え面接官に突っ込まれたとしても、堂々と自分の考えを述べれば良いと思います。

自分で決める

上智と早稲田に合格し、どちらを選ぼうか迷っていたとき、周りから様々な意見を頂きました。考えていても納得する答えが出ないので、自分の目で確かめに行くことにしました。上智の文化人類学の授業にもぐりに行き、授業後教授に質問に行きました。

早稲田は人文学専修の研究室まで乗り込み、教授の話を聞きにいきました。結局学びたい環境が整っていたことと、学校の風土が私に合っていると感じた早稲田に行くことに決めました。

親や先生の意見も貴重ですが、最後は自分で決めるスタンスをとることは、今も大事にしています。大学の授業は簡単にもぐりこめるので、実際に学校に足を運んで授業を受けてみると良いと思います。

The International School of Kuala Lumpur :
http://www.iskl.edu.my/