活動報告 vol.23 藤原彩加

昨年12月6日に行われた、読売新聞と香港政庁が共同で企画した全日本英文スピーチコンテスト、通称「香港杯」に参加し、2位に入賞された藤原彩加さんからの報告です。RTNプロジェクト広報代表として自分が培った能力を、何か他のところで生かせないかと意気込んでいたときのことでした。ちょうど、RTNプロジェクト能力開発&人材開発ゼミ(通称すどうゼミ)2008の課題として、英文スピーチが課されたのです。

    
    
藤原彩加。1988年生まれ。5歳から9歳までフランス・パリで過ごし、帰国後、東京の小学校に通う。小学校6年からインドネシア・ジャカルタ。中学1年の時に日本に一時帰国、中学2年でインドネシアに戻るが、その直後にカナダに渡り、オタワにある私立高校へ編入。卒業後、慶應義塾大学法学部政治学科に進学し、現在3年に在籍。RTNプロジェクト広報代表&慶應義塾大学支部代表として活躍。

活動報告

スピーチ応募のきっかけ

「私に、RTNプロジェクト広報代表をやらせてくれませんか」

report_23fujiwara_1.jpg RTNプロジェクト・スタッフ会議で、自ら申し出たあの日から早1年。人前で話すたびに顔を赤らめ、呼吸困難寸前に陥っていた私が、一転、イキナリ英語のクラスに「突撃※」し、一度にメンバーを2、30人獲得するようになっていた頃の話だ。私は、RTNプロジェクトで自分が培った能力を、何か他のところで活かせないかと意気込んでいた。

※    突撃 : 初代RTNプロジェクト広報部代表・藤原彩加が初めに身につけた必殺技。その名の通り、アポなしで授業前の英語のクラスに押しかけ、プレゼンする。一度の訪問タイムは平均3分。メンバー獲得率は平均85-100%。

そんなとき、RTNプロジェクト能力開発&人材開発ゼミ(通称すどうゼミ)2008で、ある課題が出された。「香港杯・全日本大学生英語スピーチコンテスト2008」。

これだ!と思った。

人前でも怖気づかない図太い神経と、人の注目を集めることを望んでやまない性格。これらを活かすのに、格好の場所ではないか。これこそ私が求めていたものだ。これが私と香港杯の出会いだった。

スピーチ原稿がなかなかできない

意気込んで始めたは良いが、初めてのスピーチ大会だ。しかも、ほとんど何も知らない香港のことを、どう書けというのだ? Elmwood High School時代、香港人の子が一人同級生にいただけで、まったく他のことは知らない状態。一度だけ、彼女を訪ねに香港に行ったが、恥ずかしながらショッピングや食べ歩き、夜遊びに明け暮れていたので、本当に何も思い出せないような状態だったのだ。

とりあえず、アマゾンで沢木耕太郎の小説「深夜特急1」をオーダー。香港・マカオを旅する主人公を参考に、スピーチを書こうという安易な考えからだ。たとえば、「ほほーう、香港では公衆電話が少なかったから、電話は人に借りていたのか」ということが分かれば、「香港の人々は互助精神にすぐれているから、見習うべきだっ!」というスピーチを書いた。また、「ほほーう、香港の街は夜もにぎわっているんだな」ということが分かれば、「香港のエネルギッシュな人々が発展を支えたのだっ!」という具合にスピーチを書いた。

アニメ“Hong Kong Phooey”に辿りつくまで

だが、どれもしっくり来なかった。最後には、香港に対するイメージを外から調達するのが馬鹿らしくなってしまった。結局、自分が体験していないことや、自分がよく知らないことを、最もらしく偉そうにスピーチすることはできない。RTNプロジェクト広報の仕事でも、自分が「価値のある」と思ったことだけを宣伝してきたではないか。

そんなわけで、「私の香港に対するイメージは何だろう」と考えた結果、フランスにいたころ、再放送で見ていたアニメ“Hong Kong Phooey”に辿りついたのだ。街の悪漢を、猫のSpotと協力してコミカルにやっつける、犬のHong Kong Phooey。現在の香港と日本に、子供時代のヒーローだったHong Kong PhooeyとSpotの姿を見出すことはできないだろうか。

書き始めてからは早かった。ゼミ主宰のすどうさんから指導を受け、自分が肌レベルで感じたことを、正直に書いた。まさか最終まで残るとは全然思っていなかったので、読売新聞から電話がかかってきたときは、嬉しビックリだった。

皆、聞いてくれてる……!

当日は楽しかった。普段、私は「帰っ国のみんなー! おねがーいっ! きーいーてぇーっ!」と、カオス状態の英語のクラスに「突撃」し、注目を集めるべく声を張り上げているのだが、そんな私が当日ビックリしたのは、「みんなかしこまって聞いてくれる」ということだ。ああ、スピーチというのは何て気持ちがいいんだろう。あ、あのおばさんなんか、メモ取ってくれちゃってるよ。うわ、皆あたしの顔ガン見してるよ。うっれしーよー!

普段は体験できないようなアテンションをいただき、大変恐縮したと同時に、自信もチャージさせてもらった。当日は、ゲストスピーカーとして来ていた丸山珠代さん(とても綺麗な方だった)とも政治について話せたし、大満足だった。何より、他のコンペティターのスピーチを聞くのは、「あぁ、こういうアプローチの仕方もあったのかー、すごいな!」と、クイズ番組の答え合わせをしているようで、大変参考になった。

スピーチ第2位の賜物

自分ではあまりわかっていなかったのだが、香港杯というのは結構有名なイベントのようだ。とくに新聞に載ってからだが、色んな人からメールが来た。例えば、慶應からは、私の第一志望のゼミ関連の先生から直々に祝福のメールが来た。英語の先生からもお祝いのメールが来た。現在、ゼミは第一希望に入れているのも、この影響もあるのだろうか? それはよくわからないが、香港杯には本当に感謝している。

香港でのVIP待遇

report_23fujiwara_3.jpg 香港では相当VIP待遇で、感激した。お小遣いまでついたのにはビックリした。初めの3日は5ツ星SHERATON HOTELの個室。ホテルでの朝食、観光案内、美味しい料理。特に、観光では香港のビーチやお寺、他にも文化展など、大変楽しいところに沢山案内してもらった。美術館でジャッキーと撮った写真は私の宝物である。

香港政府主催のイベントということで、現地では何度か政府高官と会った。香港政府を訪問し、高官の方々から香港の現状について直々に教授いただいた。また、香港政府からのインタビューで、政府の記者のかたがたとお話した。大変いい経験をさせてもらった。

香港、独立したREGION

自由時間が結構多かったので、街をブラブラ歩いていたら、法輪功学習者のデモ隊に何度か出くわした。普段着のような格好で、黙って座り込み、看板を背に精神統一をしているのだろうか、目を閉じている。法輪功学習者といえば、今中国共産党政府から弾圧されている人々。中国で同じことをしたらどうなるんだろう? 私が「あぶなくないんですか」と英語で聞いたら、「いや、なんで?」と不思議な顔をされた。香港は私が思ってたよりずっと、中国から独立した地域なのだと悟った。

最後に御礼

report_23fujiwara_2.jpg 今回の香港旅行で、私がとても感謝していることのひとつに、自分の世代の香港の学生と遊び、話し、触れ合うことができたことがあります。中国人でも、イギ リス人でもない、「香港人」としての彼らが、何を考え、何を感じているのか。それを直接彼らに聞くことができました。気のいいChinese University of Hong Kongの日本語学科のみんなには、心からお礼を言います。本当にありがとう!

最後になってしまいましたが、今回のスピーチコンテストへ、私の背中を押してくれたRTNプロジェクトとゼミ主宰すどうさん、それから、読売新聞の担当者の方には、この場を借りてお礼を言いたいです。すばらしい経験をありがとうございました!

そして、香港スピーチコンテストに応募するか迷っている皆さんへ。「私なんてムリ」なんて思わず、自分のベストを尽くした上で、ぜひ挑戦してみてください。

来年のスピーチコンテストでは、私もゲストとして参加する予定ですので、会場でお会いしましょうっ! 皆さんのスピーチを、心から楽しみにしていますっ!

藤原彩加 香港杯2008スピーチ原稿 :
http://www.yomiuri.co.jp/adv/hongkongcup2009/winner02.htm