海外生活体験者ブログ vol.4 岸茉利

interviewee_s_89_profile.jpg 岸茉利さん。1990年3月23日生まれ。小学校6年生の夏に渡米、フロリダ州オーランドで10年生まで過ごす。06年にリベラル・アーツ・カレッジであるBard Collegeサイモンズロック校に入学、07年に中退。日本に帰国し、予備校を経て、08年京都大学法学部に入学。現在に至る。マーチングバンドの管楽器ユーフォニウムを得意とし、フロリダ代表としてチームでヨーロッパ演奏旅行をしたこともある。主としてジェンダー論に興味を抱いており、大学1回生の今、自分の目指す道を精力的に模索中である。

海外生活体験者・学生インタビューvol.41〜前編〜
http://www.rtnproject.com/2009/01/vol41.html
海外生活体験者・学生インタビューvol.41〜後編〜
http://www.rtnproject.com/2009/03/vol41_1.html
Bard College :
http://www.bard.edu/

「フェミニスト」って古臭いですか?
「もう女性は十分社会に進出したし、男女平等だよ。」本当にそうですか?
私はそうは思いません。

親の仕事の都合で海外生活を経験したキコク学生の99.9%は、「母親」ではなく「父親」の仕事の都合でその貴重な機会を得たことでしょう。この明らかな偏りを見てもまだ、「男女平等が実現した」と言い切れますか? そして、あなたが日常的に使っているかもしれない「帰国子女」という言葉も、Politically Incorrect、フェミ的に正しくありません。

米国のクリントン国務長官が春に来日した際、一部のニュースで彼女が「ヒラリー長官」と呼ばれていたことに、驚きと怒りを隠せませんでした。誰もオバマ大統領を「バラック大統領」とは呼びません。これもまた、立派な「フェミ的」問題です。

誰だって、常に抑圧されている・差別されているとは考えたくないものです。しかしながら、生まれ持った性別によって、周囲の期待から労働における賃金まで、私たちは多くの場面で不当な扱いを受けていることは事実です。私が信じるフェミニズムは、被害者意識を振りかざして叫ぶことでも、海外で働く既婚男性に憎悪を燃やすことでもありません。むしろ、日々の何気ない対話や指摘を通じて、周囲の人々に、自らの持つジェンダー・バイアスに気づいてもらうことだったりします。

そして幸運なことに、「フェミ的」要素は、私たちが普段聞く音楽、昨日見た映画、店先に並ぶ本の中に、確実に存在しています。そういった小さな「フェミ的」要素に気づき、世の中のジェンダー問題を「おかしい」と、より多くの人が感じるようになれば、きっと社会は変わるのではないか、私はそう信じています。

いつか「母親の仕事の都合で海外に移動した」というキコク学生が現れ、そして、それが珍しくなくなるといいな、と私はいつも考えます。そして、個人の性別は勿論のこと、性的指向(Sexual Orientation)、性自認(Sexual Identity)を理由としたハラスメントや不当な差別が、この社会から消える日を待ちわびています。

ブログ 「The Young Bitch's Diary」
【「クリントン長官」と正しく表記するようテレビ局に指摘の電話を入れたいきさつ】や【リリー・アレンはかなりフェミ的である】といった私のフェミ的な日々や思いつきを、超不定期更新で綴っています。
http://kishimari.blogspot.com/

2009-04-10