海外生活体験者・学生インタビューvol.47

右田次郎さん。1988年東京都八王子市生まれ。小学六年生の時に渡米、サンフランシスコで7年間過ごす。Abbott Middle School、Aragon High School へ通い、高校卒業後、帰国し、慶應義塾大学商学部へ入学。現在3年に在学。大学では、経済学部設置のProfessional Career Programで、アカデミック・イングリッシュの習得に励む。課外活動では、アカペラサークルWALKMENで、メンバーとともに日々パフォーマンスの向上に打ち込む。

英語で名前を書く

―アメリカに行った当初はどんな感じでしたか?

サンフランシスコに行った始めの頃は、やはり英語という言語とアメリカ人に慣れることに苦労しました。向こうに着いた当初、ある日本の塾に行こうとしたんですが、そこでまずアンケートがあったんですよ。英語で自分の名前を書かなくてはならなかったんですが、手を挙げてわからないと先生に言ったら、何とその塾に入らせてもらえなかった。ありえないでしょ?(笑)

そんなところから、僕のアメリカ生活が始まりました。その後に、アメリカ人のチューターをつけてもらい、色々なアメリカの風習や文化を学んで、ようやく英語とアメリカ人に慣れてきましたね。

本当の善悪をはっきりさせる

―海外生活で一番印象に残ったことは何ですか?

う~ん……、学校の先生が学内のトラブルの対処をきちっとやっていることですね。日本では生徒の中でいじめがあることを知っていても何も対処しない先生が多いですが、アメリカでは先生に強制力があって、ちゃんとトラブルをコントロールしています。

中学の頃、アメリカ人にいじめられている同期の日本人の友達がいたんですけど、ある時、あるアメリカ人に強く押されて、それに怒って思いっきり殴り返したんですね。後で二人とも先生に呼び出され、事情を話したのですが、傍から見て外傷は明らかにそのアメリカ人のほうが大きかったので、その友達が悪いということになると思いました。

しかし、先生は「悪いのはあなたの方だから、あなたが謝りなさい!」と、そのアメリカ人に言い、ちゃんとその友達がいじめられていた事情を考慮して決断を下したんです。
そういった、表面的だけでない、本当の善悪をはっきりさせることがすごいなぁと思いました。

日々テニスに打ち込む

―向こうで力を入れていたことは何かありますか?

やっぱりテニスですかね。学校のテニス部に8年生から11年生まで所属していて、テニスに打ち込む日々でした。シーズンオフでも、サンフランシスコの気候は暖かかったので、結構テニスばっかりしてました。特に向こうは、公共のテニスコートがたくさんあったので、練習し放題でした。

また、ボールボーイも経験しました。SATオープンという地元のプロテニスの大会があって、そこのボールボーイのボランティアとして10年生の時から2年間働きました。仕事は息をつく暇もないほど大変だったのですが、有名選手のサーブやストロークを近くで見ることが出来たので、本当にいい経験でしたね。

やっぱり中国でしょ?

―大学に入ってからの生活を聞かせてください。

大学に入って最初の2年間は中国語ばかりやっていました(笑) 大学では中国語インテンシブという、アドバンスのクラスに入っており、普通2週間かけてやる内容をたった15分で終わらせたりと(苦笑)、かなりペースの速い授業でした。でも、そのおかげで、初めて上海に行ったときに、あまり苦労せずに、現地の生活になれることが出来ました。

―なぜ中国語を頑張ろうと思ったのですか?

とりあえず、これから経済はアジア、特に中国が主体になると思ったので、中国語を学ぼうと思いました。その頃は、言語ほど日々の反復練習が結果としていきる科目はないと信じていました。もし、自分が本気で学べば、実社会に通用する中国語を習得できるのではないかと思い、ひたすら勉強に打ち込みました。

数学は避けて通れない

―「最初の2年間」と言いますと、3年に入って何か変わったのですか?

2年間中国語に励みましたが、2年生の終わりに、このまま言語を学んでいるだけじゃだめで、数学を学ばなくては、と思い始めました。

数学を今まではなるべく避けていたのですが、やっぱり経済を知る上、で数学は避けて通れないと今年の初めあたりから気づきましたね。あと、数学が出来ないと論理的思考もうまくできないじゃないですか。論理的思考が出来ないと他人とのコミュニケーションもうまくいかず、話が通じないので、これじゃいかん(笑)と思ったのも、数学を学ぼうとしたきっかけですね。このことに気づくまでに結構時間がかかりましたが。

そんなわけで、今年からは中国語の授業を取るのを止め、マクロ経済学や計量経済学といった、数学を多用する経済系のクラスを多く取っています。

英語を主体的に学ぶ

―大学でゼミに入っていますか?

ゼミではないんですが、PCP(Professional Career Program)という、経済学の全ての授業が英語で行われるプログラムに入っています。

―経済学を全部英語ですか?! それはまた難しそうですね……。どうして英語に特化したプログラムに入ろうとしたのですか?

最近、自分の英語が物足りないと感じることが多くなった、それが大きな理由の一つですね。アメリカに住んでいるときには、高校の勉強に着いていくために、仕方なく英語を勉強していたのですが、日本に帰ってからは主体的に英語を勉強するようになりました。帰国子女だと英語をうまく喋らないといけないというプレッシャーがあって(笑)、日本に帰ってから逆に英語に対するモチベーションが高まったことがその要因ですね。

あと、中国語を一所懸命勉強してみて、0から学んでこれだけ喋れるようになったんだから、既に海外生活で養った基盤のある英語を学べば、もっと上達することが出来ると思うようになったのも理由の一つです。日常会話の一歩上のレヴェルで英語を巧みに扱えるようになりたいと思っています。

意外と目立つのが好きだった

―現在、何か課外活動はしていますか?

今、大学でアカペラのサークルに入っており、アカペラをやっています。最初は卓球サークルに入っていたんですが、自分が初心者なのに、周りは卓球経験者が多かったので、あまり馴染めませんでした。そこで、元々歌うことが好きだったこともあって、アカペラのサークルに入りました。みんなが集まれる練習の時間がなかなか取れないという苦労もありますが、日々自分の好きな歌の練習を行っていて、とても充実した日々を送っています。

―アカペラはかっこいいですね~! そのアカペラを始めてから、何か学んだことはありますか?

アカペラサークルに入って、自分は目立つことが好きだということを改めて自覚しましたね(笑) いままではあまり人前で目立つという機会がなかったのですが、アカペラの活動を通して、観衆の前で歌うといった、人前で目立つ機会がぐんと増えました。

僕の場合、人前でのプレッシャーといったものはあまりなくて、むしろ歌という自分の個性を人前で表現できる楽しさを感じますね。やっぱり歌は誰かに聞いてもらわないと意味がないので、それを聞いてもらえる喜びが大きいです。

―今後の目標はありますか?

そうですね……、とりあえずアカペラでテレビに出ることですか(笑) 同じサークルでテレビに出たバンドがいるので、自分達もそれを目指して頑張りたいですね。今のところ、自分が大学卒業後にどういった進路に進むのか、はっきりとはわからないのですが、せっかくPCPに入っているということもあって、英語を使って企業や社会の手助けが出来ればいいと思っています。

―ありがとうございました!

Abbott Middle School :
http://www.smfc.k12.ca.us/abbott/
Aragon High School :
http://www.aragon.schoolloop.com/

インタビューアから一言

右田君とは予備校時代によく勉強した(遊んだ?)仲で、お互いのことを色々理解しているつもりでしたが、このインタビューで、彼の海外経験について、より深く知ることが出来ました。また、彼が中国語や英語に熱意を持っていることは、今まで知らなかったので、ちょっとした驚きです。勉強熱心な彼の姿を見て、私も自分の好きなことを精一杯頑張ろうと決意しました。
interviewee_s_101_profile.jpg 吉住拓郎さん。1986年ニューヨーク生まれ。生まれたときから、アメリカと日本を頻繁に行き来し、日本の高校で1年過ごした後、ニューヨークでHorace Greeley High School を卒業。帰国後、横浜国立大学に進学。現在、経済学部国際経済学科3年に在籍。