帰国子女大学入試・合格体験記vol.25

interviewee_s_103_profile.jpg 大塚優さん。1988年東京都生まれ。生後6ヶ月でイギリスに渡り、8年間過ごした後、帰国。千葉県に2年住んだ後、今度は渡米し、カリフォルニア州に9年間滞在。Woodbridge High School を卒業後、帰国し、上智大学外国学部英語学科に入学。現在3年に在籍。

自信を持つこと、そして、マイペースが大事

帰国への準備

私は日本に住んでいた期間が短く、ほとんどをイギリスやアメリカなどの海外で過ごしてきたため、受験をしたことが一度もなかった。そのため、9月の帰国子女入試のために、5月から始めた受験勉強は目新しく、未知の体験であった。そのせいもあってか、最初は何をしていいか戸惑い、不安でいっぱいだった。

私は家の近くにある日本人向けの塾で受験勉強をした。おもに、試験対策のために小論文の構成を理解し、書く練習、普通の現地の英語とは少し異なる「受験英語」の過去問題、リスニング、エッセイを書く練習、様々な大学の過去の読解問題の練習、塾の先生との模擬面接などを行った。TOEFLで満足な点数が出ていなかった受験生は、再受験するためにTOEFL対策の授業も受けていた。一日13時間勉強することも稀ではなかった。

私が特に苦手だったのは、小論文と読解問題だった。小論文は本当に苦手であったため、他の生徒よりも何倍も書き直しをさせられ、他の生徒が帰った後も、先生が認めてくれるまで自分だけ残って勉強した。読解問題の方は、他の受験生と同じ問題を解いても、自分の点数が最下位だったことは珍しくなかった。

しかし、英語の勉強は、もともと英語圏での生活が長かったことが幸いし、さほど問題も難しいとは感じず、エッセイも書き直しさせられるようなことはなかった。これが当時自信をなくしていた私の唯一の救いだった。そして、自分が「英語の方が得意」だということを自覚できたため、その分野だけだが、「自信」を持つことができ、将来は英語中心の勉強をしようという方向性も見えた。

受験という特殊な状況が作り出す「不安」は、受験生なら誰しもが持ち、それに影響を受けるのは普通である。人によっては周りに劣等感すら覚える。上に述べたように、日本語の勉強全般が苦手だった私は、読解問題の点数を言われる度に、小論文の書き直しを要される度に、周りに劣等感を覚えていた。だが、これも自信と繋がるのだが、自分の得意、不得意を把握できてからは、「人は人、私は私」とマイペースに考えることができた。そのマイペース故に、受験勉強を乗り切れたのだと思う。

上智大学帰国子女入試で感じたこと

8月の終わりに母と帰国し、マンスリーマンションを借りた。最後に時事問題を調べ、英文和訳の練習をし、時には母に模擬面接の相手をしてもらう。母には、日本にほとんど住んだことがなく電車に不慣れな私のために、試験会場まで同行してもらった。そして、9月。上智大学外国学部英語学科の帰国子女入試を受けに行った。試験の内容は、男女の対話を聞いて、穴埋めをするリスニング、英訳、エッセイと面接だった。

この試験を受けて感じたのだが、受験勉強で大事なのは「物事の本質を見抜き、理解できる」能力である。英訳やエッセイでは、特にこの能力が試される。訳には、おもに「直訳」と「意訳」がある。「直訳」は単語を覚えればできる人が多い。問題は、「意訳」の方だ。「意訳」は、文章の意味だけでなく、それを言った人、書いた人が「何を言いたかったのか」、つまり、「意図」も理解しなければならない。英訳や和訳で大事なのは、「直訳」と「意訳」を両方丁度いい具合にこなすことなのだ。エッセイでも、課題の本質を見抜き、理解できなければ、良いものを書くことができない。

さらに、臨機応変が大事である。これは面接で特に必要とされる。私が受けた学科の面接では、日本人と外国人の教授の両方と面接をした。私は運がよかったため、2人ともとても優しい面接官にあたり、最後には「4月に会いましょう」とも言われた。しかし、私の友人の例だが、面接官に本を出され、「この場で読んで要約しなさい」、と言われたそうだ。このように、時にはハプニングが起こることがあり、それにどう対応するかで、その受験生の合否は決まってしまうのだ。

このように、受験では、「努力」はもちろん、時には「運」も大事だが、自分に「自信」を持つことと「マイペース」でいること、面接のときには臨機応変に対応することが、同じくらい大事である。そして、何よりも大事なのは、自分が行きたい方向性を定め、知名度に関係なく、自分が勉強して楽しめるような大学を選ぶことだ。

Woodbridge High School :
http://www.woodbridgehigh.org/