活動報告 「世界の学校から」vol.11 荒木智博

韓国ソウルの中心地の一つである、若者の街シンチョン。国内有数の地位を誇る延世大学があることで有名ですが、その延世大学のキャンパスの裏手、緑に囲まれた丘の上に、ひっそりと佇むインターナショナルスクールがあります。そこで高校3年間を過ごした、慶応大学法学部の荒木智博さんにSeoul Foreign School(以下SFS)をご紹介願います。

荒木智博。1988年静岡県生まれ。東京の小・中学校を卒業後、高校1年の夏から3年間韓国に滞在。Seoul Foreign Schoolを卒業後帰国し、07年4月に慶應義塾大学法学部法律学科に入学。大学2年までは、バンド活動と遊びに明け暮れる。現在3年に在学中で、心機一転、就活に向けて着々と準備中である。

活動報告

ソウルの中心地にひっそりと佇む学校

SFSは1914年に設立されたクリスチャン系の私立学校で、現在では、幼稚園から高校まで一貫した教育が行われています。私のいた03年~06年当時 は、各学年100人程度、総勢1500人近くの生徒が在籍していました。韓国国内のインターとしては最大規模で、主な進学先も、アメリカの有名大学がずら りと名を連ねています。アメリカおよびイギリスに倣ったセメスター制・単位制を採用しており、授業はもちろん全て英語で行われます。近年では、IB Diploma Programを導入するなど、高い教育水準を保つための積極的な試みが多々見られます。 report_s11araki1.jpg

SFSで暮らす人々

SFSには、多種多様なバックグラウンドの生徒が在籍しています。一番多いのは韓国人とアメリカ人のハーフである、いわゆるコリアン・アメリカンですが、その他、白人・黒人・アジア人など、様々な人種が一同に集まり、一つのコミュニティが形成されています。授業の休み時間・ランチタイム・放課後などは、様々な人種・性別・学年の生徒がごちゃ混ぜになって行動を共にしていました。私自身、その光景を初めて見たときには驚きを隠せませんでしたが、その傍から見れば異様な光景こそが、インターの醍醐味なのだと思います。この独特な雰囲気は、欧米の現地校などではなかなか味わうことができないものでしょう。

教師に関しては、ほとんどが欧米人もしくはコリアン・アメリカンで、授業中でもアメリカン・ジョークを連発するような気さくな人から、至って真面目に授業を行う人まで、様々なタイプのひとがいました。基本的に教師と生徒との距離は近く、学年顧問がMSNのチャットで生徒と気楽な雑談をするといったように、非常にフランクな関係を築いています。学年顧問に限らず、生徒が何か相談を持ちかければ、生徒の目線に立って、親身になって対応してくれる教師が多かったように思います。日本のように教師と生徒が全く別のカテゴリーに属すのではなく、あくまで「同じ学園の構成員として生徒も教師もいる」という印象を受けました。

毎日山積みの宿題

欧米の教育を受けたことのある人なら分かるでしょうが、インターに入ってまず驚くのが、その宿題の量の多さです。英語がペラペラの欧米人ですら音を上げるほど大量の宿題が出るので、非英語圏から来た生徒は大変です。成績は宿題の出来などを含めた総合評価でつけられるので、あまりサボっているわけにもいきません。日本にいた頃からは想像できない、過酷な勉強生活が待っていました。ただ、逆に言えば、それをやった分だけ確実に評価されるということなので、勉強に対するインセンティブは自ずと高くなります。その意味では、なかなか合理的なシステムなのかなとも思います。私自身、3年間の滞在でかなり鍛えられたと思います。

豊富な課外活動とイベント

生徒が勉強以外にも色々な課外活動に従事するのがインターの特徴ですが、SFSもその例に漏れず、様々な形で課外活動が行われていました。その筆頭として 上げられるのが、スポーツです。バレー・サッカー・バスケ・クロスカントリー・水泳など、シーズンごとに色々なスポーツが行われていました。日本のように 一年中同じ部に所属するのではなく、秋はバレー、冬はサッカー、春はバスケといったように、シーズンごとに異なるスポーツに取り組むのが特徴です。 report_s11araki2.jpg

APACというアジア圏のインター同士が集まる大会が定期的に開催されるのですが、SFSで試合が行われるときは、授業そっちのけで、生徒と教師がチームの応援に駆けつけます。まさにお祭り騒ぎといった感じで、学校をあげた一大イベントです。スポーツ以外にも、演劇・美術・合唱・バンド・生徒会・ボランティア・国際交流など、生徒各自が何かしらの課外活動に従事しています。

また、課外活動とは別に、欧米流のイベントもかなり充実しています。まず、アメリカ文化に倣い、前期の終わりにHomecoming、後期の終わりにPromがそれぞれ開催されるのが慣習です。普段普通に接している相手でも、いざ誘うとなるとなかなか緊張します(笑) report_s11araki3.jpg

他にも、自分発見の旅と称して一週間程度海外旅行に出かけるDiscovery Week、日本で言うところの隠し芸大会を大々的に行うTalent Show、友達同士でロックバンドを結成してライブをするBattle of the Bands、ゆるい雰囲気の体育祭といった趣きのField Dayなど、一年中何かしらのイベントに参加しているような感覚です。勉強や課外活動は真面目に取り組むものであるのに対し、イベントに関しては完全に息抜きなので、良い意味でメリハリがついているように思います。

最後に

このようにSFSは、多種多様な生徒・教師の中で、勉強・課外活動ともに常に全力で取り組んでいる学校です。最初は不安だらけの学校生活でしたが、振り返ってみれば、素晴らしい高校3年間を送ることができました。これからも、活気溢れる素敵な学校であり続けて欲しいと思います。