海外生活体験者・学生インタビューvol.64

interviewee_s_129_profile.jpg 亀井大輔さん。1986年東京生まれ。4歳まで東京で育ち、そこから3年間南米チリで過ごす。小学校低学年で帰国し、日本の義務教育を修了。その後3年間スイスに渡り、ジュネーブのInternational School of Genevaを卒業。現在横浜市立大学国際総合科学部国際総合科学科4年に在籍。某メーカーに就職が決まっている。

<海外生活について>

みんな人柄がいいというか、陽気というか

―海外に住むきっかけになったのは何でしょうか?

父親の転勤です。一応日本に残るっていう選択肢もあったんだけど、即決でスイス行きを決めました。幼少時代(チリ)の楽しかった思い出もあって、海外に行くこと自体に抵抗は無かったのかな。深く考えず、「楽しそう」とか、「いい経験になりそう」とか言ってた記憶がありますね。まあ、中学生ですからね(笑)

―スイスはどんな国でしたか?

スイスというより、私の住んでいたジュネーヴ州のイメージになっちゃうんだけど、とにかくコンパクトでスマートって印象が強い。オシャレで栄えてる通りもあれば、大きな公園もあるし、いかにも欧風な市街地もあったりするんだけど、それでいて街全体は小さくスッキリまとまってる。通りは清潔で、治安なんかも問題ないし、個人的には東京より住みやすかったかも。

―スイスにいてびっくりしたこと、日本と比べて何かあればお願いします。

びっくりしたというか、日本と違うなぁと思ったのは、「ひと」かな。きっと、言語的・文化的な違いも大きいんだろうけど、みんな人柄がいいというか、陽気というか。例えば、エレベーターに乗り合わせた人や建物の入り口ですれ違った人なんかと、挨拶は絶対にするし、ちょっと世間話なんかしたりもする。基本的に皆暖かいっていうイメージかな。

―同じ高校に在籍したわけですが、学校に対する感想をどうぞ!

ムダにでっかい芝のグラウンドとか、やたら古風で屋根もついてないグリーク・シアターとか、嫌いじゃなかったな(笑) ワタルが中庭でよくバスケしてたの覚えてるよ。まぁ、とにかく色々と自由だったよね。日本から海外に、中学から高校に変わったっていうのもあるけど、いきなり環境変わって、急にルールが少なくなって、自由だったけど、責任や不安もあったかな。

経験そのものが財産だと思う

―学校で頑張ったことは何ですか?

やっぱIBかなぁ。そもそもIBって何だ? ってとこから始まって、最終試験に向けて勉強はもちろんなんだけど、他にも色々と課外活動しなきゃいけないとか、エッセイ書かなきゃいけないとかあったでしょ。今思えば、人生で一番頑張ってたかもしれない(笑)

―他にこれはつらかったと思ったことはありますか?

勉強面では、レポート書くのが辛かったというか、苦手だった(笑) 日本の教育では、書かせる課題ってあんまりないけど、海外ではむしろ重視されてたと思うんだよね。次第に慣れてはいったけど、最後まで一番苦労したなぁ。

勉強以外では、ありきたりだけど、やっぱり言語の問題。特に始めの1年ぐらい。転校して、一番初めのガイダンスが英語で、さっぱり分からない。授業ももちろん全部英語で、休み時間も英語。で、遊びに出かけようにも、街は街で今度は仏語。ほんと始めはつらかったね。

―友だちについても教えてもらえますか? どんなひとたちでした?

やっぱり、インターナショナル・スクールっていうだけあって、多国籍だったね。アメリカ・イギリス・ヨーローッパ・アジア・中東。ほんと世界中のひとがいたけど、みんな隣り合って教室に座って、一緒にご飯食べて、同じ言葉で喋ってたんだよね。

みんな素直で明るくて、フランクだったってイメージがあるかな。俺なんて、全然言葉分かんなくてさ、無視されたり、いじめられたりしてもおかしくないと思うんだけど、逆に話しかけてくれたり、教えてくれたりして。助けられたなぁ。

―スイスにいて良かったなと思えたことや、もしくは、海外に身を置くことで得られたと思うことはなんですか?

視野が広がったとか、客観的思考力が身についたとか、っていうきれいごとは置いておいて(笑)うーん……、なんだろう? 経験そのものが財産だと思う。海外で学生やったとか、IB頑張ったとか、言語で悪戦苦闘したとか。思春期の3年間に、多くの経験をしたこと自体が、大事だと思う。それでもあえてスイスで過ごした3年間で得た一番のものって言われたら、これまたありきたりだけど、「友人」だな。もちろん、ワタルもその一人!(笑)

<大学生活について>

人が持てる一番の財産は友人

―日本の大学を希望した理由は何ですか?

日本人であるために。将来、どんな仕事をするにしても、どこで生活をするにしても、まず自分は日本人でありたいって思ったんだよね。自分の中にしっかりと日本人という軸を形成するために、日本に戻ろうと決意した……というのが建前。単純に、日本の大学に進学した方が人生を楽しめると思ったからっていうのが本音です。正直なところ、建前と本音半分半分でした。こんなんでごめんなさい(笑)

―大学で頑張ったことはなんですか? サークル、勉強、ゼミとかはどうでしたか?

凡庸に、サークルとゼミだね。サークルはスキー&スノーボード・サークルで、ゼミは社会科学のゼミ。サークルでもゼミでも、活動内容とか勉強内容ってよりも、友人を一番大事にしてた。もちろん合宿や講義は欠席ゼロで、飲み会なんかも毎回参加して。動機は不純だったけど、一番積極的ではあったかもしれない。

―ゼミではどのようなことをやりましたか?

特定の社会科学の分野にあえて限定せずに、社会科学全般のことを勉強するゼミ。その中でもメインで研究してるのが、アダム・スミスの『道徳感情論』。あらゆる社会科学の前提である社会を創る「人間」そのものを研究するってイメージで。内容的には議論がメイン。

―帰国後、もしくは大学在学中に、帰国子女として感じたこと、もしくは、俺はやっぱ日本人だなぁ~って思ったエピソードはありますか?

最近就職活動をする中で感じたことなんだけど、日本の社会の在り方。端的に言えば働きすぎってことかな。海外で見た社会の在り方というか、ひとの働き方というか、多分根本的には価値観とかそういう話になってくるんだけど、とにかく、日本とは全然違うな~、と。コンビニはないし、土日はサービス業でも平気で休みだし。逆に、日本はすごいと思う。ま、自分ももうすぐ仲間入りするわけなんだけど。

―振り返ってみて、何が楽しかったですか?

何回も同じこと繰り返しちゃって申し訳ないんだけど、やっぱり友人といること。逆に、何するにしても一人じゃ出来ることも限られるし、面白くないでしょ? 他の人間がいるからこその社会であって、他者との関係があるからこその人間であるわけで。人が持てる一番の財産は友人です。でもって、人生は楽しむものです(笑)

<就活について>

―就活はいつから始めました?

3年の11月ぐらいだったかな。大学主催の就活セミナーが始まって、それに参加したのが始まり。そこから情報集めたり、外部のセミナー、企業説明会に参加したりという感じかな。

―どのように進めました?

全く持ってノープランだったね(笑) そもそも自分が就職したいのか、するのかどうかも疑問だった。ほんとに仕事して、稼がなきゃ生きていけないとかっていう必然性に追われてないから、どうにも必死になれないというか、動機が弱い。ありていに言えば、やる気が無かったと(苦笑)

―苦労したことは?

やりたいことが定まっていなかった。これが一番のネックになったよ。逆に、これさえ分かっていれば、上手くいくと思う。自分が本当にやりたいことが明確になっていれば、職種や業界を絞り込んで情報収集できるし、動機が強くなるし、熱意も沸いてくる。逆に何がしたいのか分からないと、就職活動が進まないんだよね。

―もっとここを頑張れば良かったと思うことはありますか?

前の話の続きになるけど、要は自己分析だよね。自分が何に興味があるのか、どんな適性があるのか、どんな仕事がしたいのか、将来どうなりたいのか、などなど。就職活動の一番始めであり、一番基礎になる部分なんだけどね。これをないがしろにして進めてしまったばっかりに、後々業界が絞れないだとか、志望動機が書けないだとかっていう酷いことに……(苦笑)

―これから就活する学生に向けて、なにか一言アドバイスよろしく。

こんな失敗談ばかり語っている人のアドバイスなんか聞いても、あてにならないと思うけど(苦笑) うーん……そうだな。案外、就職活動って楽しいですよ(笑) いろんな有名企業に入って中を見たり、社員と話したり、自分が今まで知らなかった業界や社会の全体図が見えてきたりとかって、単純に面白い。あと、面接も実際やってみると面白かったりする。用意してなかった質問に、アドリブで答えて切り抜けたり、何回かやってるうちに、自分が本当はどういう人間なのかとか、新発見があったりする。

就活に関して、不安なり、大変なり、面倒くさいなり、ネガティヴなイメージ持ってる人が多いと思うけど、自分が働く企業を自分で選んで、一緒に働くことになる人と話しに行くって考えると、少し楽しくなってくるんじゃないかと思います。

―いろいろと勉強になりました。今日はありがとうございました!

International School of Geneva :
http://www.ecolint.ch/ecolint/ch/en-ch/index.cfm

インタビューアから一言

亀井くんとはスイスで知り合った友人だったので、特に緊張もせず、時には突っ込んだ話をしたりして、楽しくインタビュー出来ました。話を聞いたら10社くらいしかES出していなかったみたいですが、まあ、こうしてすんなり内定決まったので、さすがの一言です。これからもちょくちょく飲みに行く機会があると思うので、今後ともよろしく。スイスの貴重な日本人の友ひととして、これからの彼の活躍に期待します。
interviewer_s_47_profile.jpg 倉門和遠。1986年東京生まれ。高校1年まで日本で過ごすが、その後、父の転勤により、スイスのジュネーブでおよそ4年間過ごす。 International School of Genevaを卒業後、大学受験のため日本へ帰国。慶應義塾大学に進学し、現在法学部法律学科3年に在学中。