活動報告 「世界の学校から」vol.13 倉門和遠

倉門和遠。1986年東京生まれ。高校1年まで日本で過ごすが、その後、父の転勤により、スイスのジュネーブでおよそ4年間過ごす。 International School of Genevaを卒業後、大学受験のため日本へ帰国。慶應義塾大学に進学し、現在法学部法律学科3年に在学中。

活動報告

~International School Of Geneva~

1 学校の歴史

私の通っていたジュネーヴ・インターナショナル・スクール( International School of Geneva)は、スイスのジュネーヴ州にあるインターナショナル・スクールであり、歴史的には、1924年に国際連盟の幹部等により創設された世界初のインターナショナル・スクールです。

この学校の方針は、国際的にみて高いレベルの教育を提供するとともに、それを通じて、全ての生徒のポテンシャルや学習能力を高めることを目標にしています。現在、LGB(La Grande Boissière)には、およそ4000人ほどの生徒が在籍しており、非常に国際色豊かな学校です。

多くの生徒はIBを授業カリキュラムとして取っており、卒業後は、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学を始め、世界中の有名な大学に進学しています。

2 学校について


キャンパスは全部で3つあり、一つはジュネーヴ州、二つ目はジュネーブ州の隣のヴォー州、三つ目はジュネーブ近郊にあります。ジュネーブ州にあるキャンパ スはグランド・ボアスィエール(La Grande Boissière)といい、略してLGBと呼ばれています。ヴォー州にあるのはシャテーニュレー(La Châtaigneraie)といい、略して ラ・シャットと呼ばれています。

LGBは、ジュネーヴ市中心部近く(フランス国境近郊)にあり、3つのキャンパスの中で最も規模が大きく、最も歴史があります。キャンパスは、幼児部(第1[3歳]~4学年;約650人)、小学部(第5~8学年;約450人)、中学部(第9~12・13学年;約650人)で構成されており、幼稚園児から高校生までが一つのキャンパス内で学んでいます。

一方、ラ・シャットはジュネーヴ州に隣接するヴォー州にあり、レマン湖沿いの緑豊かなキャンパスに、約1,420人が在籍しています。このLGBとラ・シャットはキャンパス同士で交流が深く、スポーツを始めとするクラブ活動ではよくお互いの体育館を共有したり、合同練習なども盛んに行われたりしています。

最後のキャンパスは、国連キャンパス(Campus des Nation)といって、05年に開校した新しいキャンパスです。国際連合欧州本部の建物のすぐ近くという立地から、各国の国連代表部職員や国際公務員、CERN研究者の子弟らが多数在籍しており、07年現在では、在籍生徒875人に対し、出身国は87ヵ国、マザーランゲージは105種類にも及ぶ、まさにインターナショナルの名を冠するにふさわしいキャンパスとなりました。

その特殊性を生かして、授業の中では、難民、人権など国際問題や、母国語、宗教など国際理解が単元として取り上げられたり、国連機関勤務やCERN研究者である父兄が出向いて授業に協力したりする場合もあります。

3 授業について

授業の内容としては、3つ全てのキャンパスで、IB(インターナショナル・バカロレア)資格プログラムをメインの授業として採用しています。また、英語が母国語でない生徒のために、EALクラス(English as Acquired Language 英語フォロークラス)が設置されており、学校に編入または入学するにあたり、学校側から独自のペーパーテストを課され、その結果、英語能力が充分でないと判断された生徒は、およそ1~2年ほどこのクラスに入れられます。それと同時に、生徒は当初から通常のクラスにも編入され、各自の語学力の上達具合に応じて、個別に通常クラス(IB)とEALクラスのバランスが決められます。

この学校の特色としては、スイスという土地柄上、英語に加え、フランス語の2ヵ国語で教育を行っているところが挙げられます。そのため、英語で授業を受ける生徒はフランス語のクラスを取ることができ、また、それぞれの科目の授業を、英語をメインの言語として受けるか、それともフランス語で受けるかを自由に選択することが出来ます。現在のところ、スイスのインターナショナル・スクールで、これが可能なのは、ジュネーヴ・インターナショナル・スクールと、ロゼ校(仏:Institut Le Rosey)の2校です。

4 学校生活について

学校生活については、非常に活気があり、和気藹々としています。学校の設備については、メイン校舎が3つ、バスケットコートが外に5面、体育館が1つに、 中には体操場があり、地下には大きなカフェテリアと、ジュネーブ州という小さな州の割には、結構な設備と広さがあります。

クラブ活動も盛んで、生徒のおよそ7割以上は何らかのクラブに所属しています。私は、バスケットボール・クラブに所属していたのですが、私の代のチームはかなり強く、スイスのインターナショナル・スクール対抗試合では、2年連続で準優勝、優勝という成績を残しました。

その他、クラブ活動以外では、International Awardというプログラムがあり、簡単に説明すれば、キャンピング道具を持ってグループで山を上るというものです。このプログラムにはBronze、Silver、Goldの3つのレベルが用意されていて、Silverでは、3日間山に籠もります。聞くと簡単そうにみえますが、事前に各グループごとにスタート地点と目的地のみが記載された地図を渡され、それを元に自分たちでルートを作成して、どうすれば経由点を通りつつ安全なルートを通ってゴールまでたどり着けるか、なかなか難しく、体力的にもかなりハードです。

この学校の生徒はスポーツにばかり熱心かと言うとそうでもなく、本当に文武両道を地でいく人がいます。私自身、バスケがうまくて勉強も出来る人を初めてみました。彼らは、スポーツをひょうひょうとこなしつつ、スタンフォード大学、ハーバード大学などに進学するのです。スイスに身を置いて、すごい友達に会えたことは、私にとっては一つの貴重な経験でした。

学外では、フライデーナイトといって、たいていは友達みんなで集まって町まで飲みに出かけます。スイスでは、飲酒は16歳以上、たばこも同様なので、日本からみれば法的にかなりゆるい印象を受けると思いますが、生徒としては最高です。繁華街まで電車で5分、歩いて10分くらいでアクセスできる距離なので、立地条件の良さもこの学校の特徴といえるかもしれません。

5 最後に

スイスに来た当初は、フランス語はもちろんのこと、英語も全く話せなかったので、不安でいっぱいでした。友達から大和魂見せてこいと言われても、しゃべれ ない俺にどうしろと?という感じでした。現地校(フランス語を一から勉強するのは無理)ではなく、このインターナショナル・スクールに入ったのですが、今 振り返ってみて、私はこの学校で3年間過ごせてとても幸せでした。

確かに、IBの勉強でずっと大変でしたが、言葉が通じなくても理由を察して理解を示してくれるスウェーデン人のヒューゴや黒人のロイ。バスケットはボディランゲージでオッケーだと言ってくれたアメリカ人のギャビン。生物と数学のおもしろさを教えてくれたデスメット先生とバーロウ先生。

一緒に勉学とスポーツに励んでゆく過程で彼らと出会えたことは、私にとってかけがえのない宝物です。

International School Of Geneva :
http://www.ecolint.ch/ecolint/ch/en-ch/index.cfm