帰国子女大学入試・合格体験記vol.31

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太宰治の真似をするニート
蓬莱ニート(Horai Neet)さん。本名田中潤。アメリカ合衆国カルフォルニア州、トーランス生まれ。08年にPalos Verdes Peninsula High Schoolを卒業。生まれ育ったアメリカを立ち、日本にて受験勉強を始める。09年、東京大学文科Ⅰ類に合格。現在1年に在学。08年に国民アイドル涼宮ハルヒと秋葉原万世橋から入水自殺を図った。

【東京大学文科Ⅰ類合格】

人生で一番泣きまくった半年間だったのではないかと思う。もちろん厳密に言ってしまえば赤ん坊の時はもっと泣いているのだろうけれども。。。いずれにせよ、よく泣いた。涙の数だけ強くなれるとか言うけれども、後半私はぼろぼろでした。早稲田・慶応・上智を、成功したり失敗したりしながらコツコツと勉強を重ねて、先生方から褒められたり貶されたり、一つ一つは大したことがなくても、そのころころ変わる毎日に辟易して疲れて、早く受験が終わってほしい一心で いっぱいいっぱいだったのです。

そして、いよいよ東大の試験まであと一か月というところで、小論文の模擬試験がありました。結果はD+判定。つまりまぁ、「お前何してんのw」っていう感じです。ある先生から呼び出しをくらって、「こんな答案は未だかつて見たことない」「ある意味芸術的」、そして挙句の果てには「君は東大を受ける資格すら持っていないと言っても良い。塾としてもお手上げ。」と言われました。今まで罵られてきたことは多いけれども、ここまでやられたのは初めてです。ふと去年の受験生の先輩が「そろそろ電車」と言っていたのを思い出して、私も真面目にどの路線に飛び込めばいいかな、なんて考えていたりしたものです。

そこから書き直しを加えて先生に持っていくと、さっと見て「読まなくてもゴミみたいな答案だってことは分かるよ」と言われました。これにはもう何とも言えなくて、その場で私は黙りこんで涙してたら、「君は全く成長していない」と言われました。「夏の間にあれだけ時間があって、よくもまぁこんな風になったもんだね。どこで道を踏み外したんだろうね」と。そして一番聞きたくない台詞をお見舞いされる。「きみ早稲田落ちたんだって? あぁ、まぁ、こんなの書いてたら当たり前だよね」。

この受験で唯一自分を褒められるところは、そこで放り投げなかったことだと思います。自分でもそこで答案を先生からぶんどって、くしゃくしゃに丸めて投げつけて「あなたとは違うんです!」と叫びながら、廊下でバック転をしなかったことに驚いています。きっとあまりにも意気消沈して、そんなことをする気すら浮かばなかったのかもしれないですが。

そこで、以前から信頼している別の先生にしっかりと指導してもらって、評価してもらって、「自分の言うことをしっかり聞け」と言われ、我慢しました。きちんと評価されるというのは大事なことなのです。その先生は私のゴミみたいな答案をちゃんと読んでくれました。読んで、何が悪いのか、何をどうすればいいのか、それをしっかりと教えてもらった。もう一人の先生は読んですらくれなかった。もちろん、それだけ酷いものを私が書いてしまったという問題はある。けれども。。。?

評価は大事です。読んでもらうことは大事です。なんだかんだで、小論文の試験は教授たちが読むわけですから、人に自分の書いたものを読まれることはとても重要なことです。読んでもらい、コメントを書いてもらい、それを参考にして、更なる高みを目指していく。それが重要です。

本を読んで知識をつけたり、時事ネタに関心を抱いたりすることは大事ですが、それをはたして文章に表せるのか、反映できるのか。それが東大の試験です。知識を問うているのではない、思考力を問うているのです。インプットされた情報を的確にアウトプットする。聞かれていることに対しての最適な答えをはじき出す。そして紙に書く。このステップをしっかり踏まなければ、合格しません。そして、そのステップをこなすためには読んでもらうことが一番重要なのです。

きちんと読んでくれる教師につく。コメントしてくれる教師につく。インプットとアウトプットをしてくれる教師につく。信頼のおける教師につく。紙面のコミュニケーションを取る。それが大事です。それが見極められるようになったからこそ、私は最後の最後でしっかりと相手とのコミュニケーションをとれるような答案がかけたのだと思います。

私が東京大学の試験で書いた日本語小論文と英語エッセイは、両方ともA評価でした。それは別に私が大量に本を読んでいたわけでもないし、カール・シュミットの議論を展開できたからでもないし、フェルマーの最終定理を解くような頭脳を持っていたからでもない。私は問題製作者とのコミュニケーションが取れたのです。相手がこの問題で何を求めているのか。本当は何が聞きたいのか。それが分かれば合格する。それが分かるかどうかの試験なのです。

皆さんも、常に自分の書いたものを読んでくれるオーディエンスを意識して、最後まで 頑張ってください。

Palos Verdes Peninsula High School :
http://www.pvphs.com/