帰国子女大学入試・合格体験記vol.32

interviewee_s_139_profile.jpg 柴田真也子さん。1988年東京都生まれ。4歳から7歳までエジプト、17歳から20歳までパキスタン、イギリス、スペインに合計7年半滞在。American School of Madrid卒業後、慶應FIT入試で法学部法律学科に合格。一橋大学法学部にも合格、入学し、現在1年に在籍。

【一橋大学法学部合格】

<はじめに>

私は、他の帰国生の方と比べると、少し変わった受験生活を送りました。受験中も自分の生活を勉強だけにはせず、友達と時々遊んでいました。それに、私は海外にいた頃から、日本の大学受験への準備を全くしていませんでしたし、どの大学を受けるとも決めていませんでした。日本に戻ってから考えればいいと思っていましたし、ただ、自分が勉強したい分野だけが決まっていました。ですから、予備校に入ってから受ける大学を決めました。

私立大学の受験が終わり、国立の一橋大学を受けようと思ったのも予備校の先生に勧められたからでした。ですから、海外滞在期間中の受験準備のためのアドバイスなどは出来ませんが、私がどのように一橋大学を受験するまでの受験生活を生き延び、勉強していったかを書きたいと思います。

<受験するまで>

国立大学を受験するまでに、私にとって最も大変だったことは、受験へのモチベーションを維持することでした。私立大学の受験が終わり、一橋大学を受けよう!と決めるまではよかったけれども、予備校での小論文と英語はドカンと難しくなるので、自分の出来なさに落ち込んだり、また、遊びたかったり、とにかく色々あったので、受験勉強に集中するのは非常に難しかったのです。

受験がどんどん近づいてきても、私はそこまで一所懸命でもなかったので、予備校の先生に叱られたこともありました。中々やる気を出せず、試験日当日まで準備万端の自信を持てず焦っていた私ですが、結果として合格することが出来たのは、やる気が出せない中でも、とりあえず継続していたことが大きかったのではないかと思っています。

それは、読書をしていたことと、毎週予備校で行われていた先生方の個別指導に通っていたことです。本は毎日かならず読み、様々な分野の本を読みました。そして、読んで興味深いことがあれば小論文の参考にして、わからなければとりあえず先生に質問しに行きました。また、どう勉強を掴めばいいのかわからなかったので、個別指導には常に顔を出しました。先生方のアドバイスを聞きにいくのは非常に大切だと私は思っています。先生方は受験のプロですし、何人かの信頼のおける先生方に非常によく面倒を見て頂きました。

国立大学の受験は、大学毎に試験に特色があるので、自分が受験する大学入試の型とそれを解くコツを掴むことが鍵となります。それは、もちろん自分が過去問を解いていく上で掴んでいくものですが、その過程で、少しでもわからなかったり、迷ったりしたら先生方に質問に行くことで前進していくと思います。

<小論文>

一橋大学の小論文は、過去問をやって、その形式に慣れることが重要です。年にもよりますが、一橋の問題文は抽象的な文章を読ませて、受験者が、その文章が本当は何をいいたいのかという核を掴み、それを文章で表現出来るかどうか、ということを問うている気がします。文章を読み取るのが容易ではないにも拘らず、その内容を掴み損ねてしまうと、小論文の中身が大外れしてしまう可能性があるので、読解力を高めることが大切ですし、またその一方で、時事ネタにも敏感であることが必要だと思います。法学や経済学、社会学などの基本的な諸思想について知っておくのも、課題文を読み解く上で役に立つと思います。

ちなみに、私は書き直しというものをほとんどやりませんでした。書き直しがあまり好きではなかったからなのですが、その分似たような課題文を見つけて新しいものを書いていました。書き直しをした答案は数えるほどで、いくつかの過去問と、特定大小論文講座で出た課題文の2つだけだったと思います。書き直しをするかどうかは人によると思いますが、小論文はある程度の量をこなさなければ、合格答案を常に書けるようにはならないと思うので、いずれにせよ、最後までとにかく書き続けていくことが大事だと思います。

あと、一橋の小論文は要約が今までかならず出題されています。ですから、要約の練習も忘れてはいけません。それは過去問である程度対処できると思いますし、予備校で練習問題を解きまくるのもいいと思います。要約は、傾向としてそれほど難しくなく、点数をとりやすいので、しっかりと力をつけておくことで合格に近づけるのではないでしょうか。

<英語>

一橋の英語も、小論文と同様に、その型に慣れておかなければなりません。とにかく和訳が多いです。和訳をさせられまくります。ただ和訳するのではなく、文章を読んで、それを要約して和訳したり、問いの内容に沿ったポイントを文章の中でいくつか探して和訳をしたりするので、要約能力+和訳能力を高めていかなければなりません。

エッセイは字数も短めな上に、3つのトピックから1つ自由に選べるので、そこまで大変ではないと思います。私は短いエッセイが苦手だったので、英語の先生に受験直前まで添削して頂いて、書き方のコツを教えてもらっていました。おかげで、入試でちゃんとしたものが書けたのだと思います。リスニングも決してハードルが高くないので、苦手でなければ大丈夫だと思います。とにかく要約と和訳能力が鍵です。過去問をたくさんこなして練習していくのがいいと思います。

<面接>

二次試験の面接です。現場では結局緊張するのですが、私は面接が好きだったので、特別な対策を練ったりはしませんでした。ただ、自分がやりたいことを明確に伝えること、予想されうる質問を浮かべてある程度準備をしていくことが大事です。

面接官の質問に対しては、焦って答えがまとまらないまま答えるよりも、少し時間をおいてからでも頭の中をよく整理してから話すようにもしていました。厳しい批判を受けることもありますが、負けないで自分の考えをしっかりと最後まで伝えることが大事です。

実際に、私は面接官に厳しい質問をばこばこと投げかけられて、他の受験者の倍の面接時間がかかりました。けれど、最後まで「負けるか!」と思って自分の思うことを伝える努力をしました。面接は、自分自身を、紙面を通してではなく直接見てもらえる絶好の機会ですので、是非活かしてほしいと思います。

<さいごに>

国立大学受験では、最後まであきらめないこと、だめそうと思ってもとりあえずぶつかってみることが大事です。私自身、実際の試験では1200字の小論文を終了30分前に全て消して書き直したり、面接もぼこぼこにされたりもしましたが、結果的に合格できたのは最後まで、あきらめずに精一杯試験をこなしたからだと思います。

国立大学受験のために勉強したことは、大学に入学してからの勉強にも結構役に立ちます。とりあえず、自分が出来ることを最後までやってみてください。つたない内容で申し訳ないですが、この文章が少しでも受験生の皆さんのお役に立つようなら幸いです。これから受験する皆さんが、自分の目標を達成できますように陰ながら祈っています。

American School of Madrid :
http://www.amerschmad.org/

合格体験記vol.39 柴田真也子【慶應法学部FIT入試合格】:
http://www.rtnproject.com/2010/06/vol39_6.html