海外生活体験者・学生インタビューvol.72

interviewer_s_47_profile.jpg 倉門和遠さん。1986年東京生まれ。高校1年まで日本で過ごすが、その後、父の転勤により、スイスのジュネーブでおよそ4年間過ごす。 International School of Genevaを卒業後、大学受験のため日本へ帰国。慶應義塾大学に進学し、現在法学部法律学科3年に在学中。

あっきー : それじゃ、インタビュー始めるね。よろしくお願いします。
わたる : よろしくお願いします。

―では、まず最初に、子供の頃に熱中したことを教えて下さい。

小さい頃は、昆虫採集が大好き! もー夢中でしたね。小2のときに、父からカブトムシを買ってもらったんだけど、飼育の方法がわからなくってすぐ死んでしまったのが子供心に悲しくて、悲しくて。動かなくなったカブトムシ見て、子供心に大ショックだったのを覚えてる。

その経験から、どうやったら死なさずに昆虫を飼えるかを考えていたら、生き物にますます興味を持ちました。特に、幼虫から成虫へと全く形の違うものに変わっていく昆虫に強く惹かれたなぁ。昆虫を飼育していくうちに、他の動物にも興味が沸いてきて、カナヘビ、蛇、トカゲ、ヤモリ、ハムスターなど、たくさんの生き物を飼ってたよ。

蛇は後で母に見つかり、さすがに怒られ(苦笑)、泣く泣く外へ逃がしたのを覚えてる。あれはすごく悲しかった。だってエメラルド色だよ? もう宝石みたいでキラキラしてた。こーゆー生き物って、普通はみんなから嫌われるけど、自分は好きだった。変わったモノの持つ奇妙な特徴に魅力を感じていたんだと思う。

へ、ヘビですか!? 私はちょっと遠慮したいですね(笑) なんだか聞いてると、私だったら飼いたくなくなるような生き物ばかりですね。

あはは。まあ、たいていはそういう反応するよね。でもヤモリは目がくりくりしていてかわいいよ?

うーん、分かんない(笑) 今度、機会があれば奇妙な?生き物の魅力を詳しく教えてね。えっと、生き物の飼育の他に夢中になったことは?

もう一つはバスケットボール。これは今でも続けているから、もうかれこれ10年以上の付き合いです。小学校のときに、漫画「スラムダンク」を読んで以来、惚れ込んでしまって、始めたのがきっかけ。ちなみに、みっちーが一番好きです。

小学校からミニバスで続けていて、それから本格的に練習に取り組むようになったかな。練習するようになって大会にも出始めたけど、自分は補欠で、あまり試合に出してもらえなくて悔しかった。中学校入ってようやくレギュラーになれたんだけど、最後の年の引退試合は一回戦負けで、たった1点差だったから、あのときこーすれば良かったとか、試合後に思い出しちゃって、かなりへこみました。

―「スラムダンク」私も好きです! その漫画。いいですよね。なんか熱くって。読んでいると、バスケットボールやりたくなってしまいます。一回戦負けですか……。とても悔しいですよね、引退試合だったのに。他につらかった経験とか、苦手だったこととかはありますか?

勉強面では、算数が苦手だった。このままではまずいと思って父に特訓してもらったんだけど、つらくなってくると、うとうとしちゃって、めっちゃ叱られました(苦笑) でも、特訓の甲斐あって、少しづつ克服出来たよ。

あとは、小学校5年のときに静岡県に転校して、中学2年の夏までいたんだけど、最初の1年とちょっとくらいかな、人生初のいじめに遭いました。ボールあて鬼とかで、皆が協力して僕を狙うものだから、いっつも鬼してました(苦笑) あとは、自分の机の中の所有物がたまになくなったりとか。まあ、無視されるのが一番辛かったですけど。さすがに、男泣きしましたね、風呂場で(笑)

―ひどい!! そんなことあるんですね。許せない……。

まあ、でも精神的に少し強くなったと思う。人を大事にしようとか、人に嫌なことされても恨まずにいようとか、そう思えるようになったし。ある意味良い経験だったと思う。まあ、そんなこともあって、バスケットボールにのめり込んだり、数少ない友達と釣りに行ったりとかしてました。

―そうですか。でもそうやってポジティブに考えられるっていいですね。それからスイスの高校に行ったって聞きましたけど、そっちはどうでしたか?

向こうでも相変わらずバスケットボールやってました。やっぱり好きでしたので。でも、米国出身の友だちやアフリカ出身の友だちの身体能力には唖然としました。「こりゃ勝てない」と落胆しましたね。日本人としての限界を感じました。

それでもめげずに(笑)、自分がどうプレゼンスを発揮して活躍できるか考えたんだけど、シュートが得意だったので3ポイントシューターとして戦おうと。結果的には、入部選抜試験を経て、12人のうちの1人に入ることが出来て、レギュラーになれました。「Wataruにパスすれば決めてくれる」っていうチームメイトからの信頼を築けたのは、自分を認めてもらえたようで嬉しかった。

最後の年に、スイス国内大会で優勝したんだけど、チョー気持ち良かった。チームで喜びを分ち合えることも嬉しかったし、今まで諦めずに続けてきて良かったなと心から思えた。もちろん、自分の力だけじゃなくって、チームメイトに恵まれたからこその経験だし、バックグランドや価値観違う人たちとのチームワークの大切さを知った気がします。

勉強では、国際バカロレア資格(IB)を取るために勉強していたんだけど、結構ハードでした。それまでの人生で一番勉強したと思います(笑) 周りの親しい友だちが文武両道を本当に地で行くので、バスケットボールやってるだけじゃだめだと気づかされました。まあ、気付くのが遅いんですけどね(苦笑)

最初は英語とか全くできなくて、成績もボロボロ。自分ができないってことは知ってたけど、自分自身に負けるのが嫌だったので、一から鍛え直すつもりで、とにかく食らいついていきました。デキる友人と対等に付き合えるようにしたいですし。

あ、そうそう、生物の実験は楽しかった! 羊の脳の解剖は衝撃的でした。でも学ぶものが多かったよー。良い先生、良い友だちに巡り会えたおかげで、色々挫折はあったけど、結果的には卒業試験で良い成績を残すことが出来たし、スイスでの経験は自分を磨いてくれたと思う。

IBとってたんですか……。私の友人も大変だって言ってました。羊の脳って、またそういう話……うぅ(泣)

あ、ごめん(笑) それと、ひとつ心残りだったのは、ヨーロッパ一周旅行して見聞を広めたかったこと。忙しくてそれほど頻繁に旅行できなかったので。地続きなヨーロッパに住んでいる機会を、もっともっともっと生かせたら良かったと思う。

―学生の本分は勉強ですもんね。まだまだこれから、ヨーロッパに行く機会なんてたくさんありますよ! 問題ないですって。ところで、帰国してから大学では何をしていたんですか?

ざっくりと主にやったことを説明すると、アルバイト、バスケットサークル、民法ゼミでの法律の勉強などかな。

アルバイトは家庭教師をやっていたんだけど、人にものを教えるって難しいよね。今までに全部で4人の韓国人生徒に教えてきたけど、小学生は特にきつかった。遊びたい年頃だからさ、勉強に集中してやらせるのが、もーしんどい(笑) 家庭教師としての自分の使命は、生徒の成績を上げることたけど、学校のこととか人間関係とか、色々相談にのったりして、プチパパやってました(笑) でも、そうすることで、緊密な信頼関係が築けた。

サークルでは、またまた相変わらずバスケやってました。やっぱり今まで打ち込んできたことだったんで。あっち行って自分はまだまだだなって思ったから、もっとスキルを磨こうとも思ったし、自分が積み上げてきた経験を後輩に教えようとも思った。サークルで新入生15人中9人が初心者でさ、どうやって鍛えるか、代表と相談したりして色々悩んだけど、Yって奴はかなり上手くなったから、自分の経験が少しは人のためになったと実感したよ。

あとは、せっかく法学部に入ったんだから、法律好きになって少しは理解を深めようと思った。法律って複雑で分かりにくいけど、知ってると生活が便利になるなーって思ったかな。法律は生活のルールだけどさ、普段は意識することなく何気なく生きてるじゃない? でも、これ知らないと損をしたり、逆に、知っていて得したりすることが多々あるって気づいたよ。今 『特上カバチ』とかやってるけど、民法知らないと困ることがあるって、見ていてわかるよね。堀北真希可愛い(笑) それをゼミでがっつり学べたことは良かったよ。

バスケットはわたるにとって「友達」ですもんね。法律は難しいよ。六法なんか読むと頭がパンクしちゃいそうです(笑) それじゃ、わたるが大学時代の活動から学んだことを、ずばり一言で表すとなに?

難しい質問だね……ん、でも、今振り返ってみて思ったこととしては、
バスケからは「情熱とチームワーク」、
アルバイトは「先読みと教え方」
法律は「ルールを理解し現実に当てはめる」
かな。
あれ、ちゃんと答えられているかな?

―なるほど。では、最後の質問になりますが、今まで生きてきた中で、影響を受けた人はいますか。また、どんなことを学んだのか教えて下さい。

やっぱり両親ですね。父には色々厳しく怒られたり教えられたりしてきたけど、そのおかげで今の自分がある。とても感謝してます。

今就職活動しているんで、その中に限って影響受けた人では、ノボルディック製薬の人事の大島さんとリクルートエージェントの人事の由利さんには、「就活に対する考え方」「自分の軸を持つことの大切さ、見つけ方」を学んだように思う。自分の熱意を自分の言葉で語る、ってやっぱ大事だよね。借り物の言葉じゃ相手に刺さらないと思う。
そして、何と言っても、今までお世話になったすどうさん! 人間力をどう鍛えるか。これに尽きると思う。

本だと、秋山好古、真之兄弟ですね。『坂の上の雲』に出てくる人物でさ。彼らの人生の捉え方と生き方には感動して色々考えさせられた。後は、木村秋則さんとか。『奇跡のりんご』という本で不可能と言われていた無農薬リンゴ栽培を成功した人で、もう、そこまでのプロセスが凄まじい。死にものぐるい、なりふり構わない姿勢を学んだかな。 最後に、圓川隆夫さん。『我が国文化と品質』って本を書いた人なんだけど、これが今の自分の就活の1つの軸になりました。

まだまだあるけど、とりあえず、こんなもんで(笑)

あっきー : 色々と話せて良かったです!就活頑張りましょうね。
わたる : こちらこそありがと。うん、がんばろーぜぃ!

活動報告 「世界の学校から」vol.13 倉門和遠 :
http://www.rtnproject.com/2009/10/_vol13.html

インタビュアーから一言

クールなイメージの倉門くんでしたが、インタビューをしてみると、案外気さくで、とてもアツいところもあって、ちょっと予想外でした(笑) じっくり話してみると、ひとの意外な側面もよく見えてくるんだなぁと思いました。あと、どんなエピソードも論理的に、かつ、わかりやすく話してくれて、インタビューしていて楽しかったです。就活大変だと思いますが、頑張って下さい! わたしも倉門くんに負けないように頑張ります!
interviewer_s_13_profile.jpg 秋山雪乃。1986年京都府生まれ。中学2年まで日本で過ごし、その夏に渡米。カリフォルニア州サンディエゴ・アーバインなどに滞在し、高校2年の年に 一 時帰国。その夏、再び渡米。University High Schoolを卒業し、帰国後、早稲田大学法学部に入学。1年休学して北京語言大学に留学し、現在4年に在籍。憲法水島ゼミ所属。学生NGOチャオに所属し、中国ハンセン病療養者村でのボランティアに従事している。