活動報告 「世界の学校から」vol.20 山瀬加奈

Bellevueはマリナーズのイチローやスターバックス発祥の地で有名なワシントン州シアトルから、車で30分ほどのベッドタウン。ワシントン州はThe Evergreen State と呼ばれるほど緑の多い場所。また、シアトルは全米でも治安がよく、退職後に住みた都市No1として知られていますが、教育熱心な街とも言われています。今回は、明治大学国際日本学部1年の山瀬加奈さんに、Bellevue市にあるInterlake High School(通称IHS)をご紹介いただきます。

山瀬加奈さん。1991年生まれ。東京都出身。中学1年から高校卒業まで、アメリカのワシントン州Bellevue市に在住。04年中学受験に合格した直後、父の海外赴任が決まっていたことを両親に伝えられ、その年の夏、複雑な気持ちで渡米。09年6月Interlake High Schoolを卒業し、日本に帰国。10年4月、明治大学国際日本学部に入学し、現在1年に在学中。

活動報告

シアトルのベッドタウン

ベルビューは、マリナーズのイチローやスターバックス発祥の地で有名なシアトルから、車で30分ほどのベッドタウン。ワシントン州はThe Evergreen Stateと呼ばれ、緑豊かなシアトルはEmerald Cityという愛称を持っています。また、雨も多く、別名はRainy City。1年の2/3が雨か曇りで、アウトドアが楽しめるのは6月から9月の4ヵ月のみ。夏は湿気がなく気温も25度前後なので過ごしやすく、北海道より高緯度、樺太同じ緯度ではあるにもかかわらず、冬は気温がマイナスになることは少なく、雪も年に3、4回しか降りません。

西海岸の町ということで、古くからアジア系の移民が多いのですが、隣町のレドモンドにMicrosoftの本社ができてからは、インド人や中国系の人々が多く住んでいます。MicrosoftはもとよりBoeing社があるので、航空機関係、商社、また、水産業で働く日本人も少なくなく、日本のスーパー宇和島屋やビデオレンタル店、そして、日本語補習校もあり、日本人にとっても住みやすい街です。春にはアメリカの8大アニメ・コンベンションの1つ「サクラコン」がシアトルで開催され、アニメを通じて日本文化にも触れることができます(笑)

教育熱心な街

シアトルは全米でも治安がよく、退職後に住みた都市No1として知られていますが、教育熱心な街とも言われています。特に、ベルビュー市は有名で、全米公立高校ランキングで、ベルビュー市の高校5校のうち4校が50位以内にランクインしています。ちなみに、私が卒業したInterlake高校は18位でした。

HIS (Interlake High School)

~カリキュラム&環境~

ベルビュー市内では唯一のIB (International Baccalaureate)とAP (Advanced Placement) のProgramがある高校で、1200人の生徒が在籍しています。40ヵ国以上の第二言語をもつ生徒が在籍し、国際色豊かです。園芸のクラスがあることも特徴的です。

Microsoftの援助があるためか、宿題のダウンロードや提出、成績閲覧、出欠確認、レポートやエッセイ、パワーポイントによるプレゼンテーションなど、PCを使用する機会はとても多いです。必須科目にもPCの授業があり、そこで基礎的な知識を学べます。

ガリ勉のイメージがあるInterlakeですが、多くの学生がスポーツなどの課外活動に参加し、Football, Drill Team, Math Club, Jazz Band, Girls Golfは好成績を残しています。

~施設&設備~

学校は4年前に立て直したばかりで、とても広く、設備も充実しています。4つのPC室、漫画や日本語の本など多様な本を蔵書する図書館、シアター、大学情報やボランティア情報を閲覧・相談できるキャリアセンター、大中小の3つの体育館、トレーニングルーム、野球場、温室(園芸用)、テニスコートにフットボール場があります。

教室は先生の担当教科に関連するもので飾り付けられ、技術室や美術室には専門家が使うような器具・道具がそろっているので、充実した環境で徹底的に学ぶことができます。

学校の近くにあるゴルフ場や公園で、ゴルフチームやクロスカウントリー部が練習している姿もよく見かけます。徒歩20分のところには、小さなモールと映画館、公民センターがあるため、放課後に遊びに行くこともよくありました。

~教育理念~

IHSの教育目標は「誠実であり(Integrity)、『個』を持ち(Humanity)、学業に営む(Scholarship)」生徒を育てることです。友だちのようなカウンセラー、個性的な先生たち、多種多様な選択授業、そして、国際色豊かな生徒たちの中で過ごした高校生活で、私は3つの教育目標全てを達成できたと思っています。

入学時存在の薄かった私が、毎年学年から一人選ばれるIntegrity賞を3年生次に受賞し、Drill Team(ダンス部)の部長補佐とAnime Clubの部長になり、卒業時にTop 10%に選出されたのは、一人ひとりの生徒を大事にしてくれるIHSの存在があってこそだと思います。

シアトル日本語補習学校

英語を全く知らない状態で渡米した私にとって、日本語補習校の存在はなくてはならないものでした。自分の言いたいことが伝えられ、何を言っているかがわかる喜び。先生や友だちと一緒に比較する日本とアメリカの違い。滞在が長い友だちに現地校の宿題を助けてもらったり、シアトルを案内してもらったりしたこともありました。日本の流行について語ったり、CDや漫画を貸し借りしたり。先輩後輩関係があまりなく、時に、先生とタメ口で話してしまうという、日本語補習校なのに日本ではない、そんな不思議な環境でしたが、ここが心の支えであったことは事実です。

私が教員になるという目標を定め、国際日本学部に進むことを決めたのも、日本語補習校での授業がきっかけでした。高校に入ってからは、現地校の部活との両立に苦労し、最終的には大学受験のため中退してしまいましたが、シアトル日本語補習校は、私のもう一つの母校だと思っています。

「とりあえず挑戦」から生まれる充実した生活

先ほども述べたように、私は高校4年(12年生)をDrill Teamというダンス部とAnime Clubに所属しました。部に入ることは友だちを作るきっかけになりますし、授業を受けるときよりも英語をしゃべるので、英語力もつきます。そしてなにより、学校生活がいっそう楽しめます。今でも連絡を取っているのは、部活の仲間たちがほとんどです。

また、私は選択科目で園芸や演劇、障害児教育援助など色々な授業を受け、卒業のために必須のボランティア活動では、通訳や日本祭りのスタッフ、図書館の事務援助を体験しました。全く経験のないものを中心に、多くのチャレンジをしてみたことで、様々な人に出会い、異文化に触れ、多くのことを学び、寛容になれたと同時に、自分の「好きなこと」を見つけ、「個」を強くすることができたように感じます。英語で話すのが怖いからと言って何もしないより、少しでも興味のあるものは、とりあえず挑戦してみるといいと思います。

Interlake High School :
http://www.bsd405.org/default.aspx?tabid=120
シアトル日本語補習校 :
http://www.seajschool.org/default.aspx?tabid=120