帰国子女大学入試・合格体験記vol.37

interviewee_s_151_2_profile.jpg 畑悠歩さん。1988年神戸生まれ。14歳から18歳までイギリスのロンドンに滞在。St. John’s Leatherheadを卒業後、帰国する。予備校で受験勉強をした後、慶應義塾大学に入学。現在、経済学部3年に在籍中。大学では、金融系のゼミで国際経済と金融を学びつつ、学園祭の実行委員会にも所属している。

【慶応義塾大学経済学部・早稲田大学商学部合格】

僕は、私立の受験では早稲田と慶應を受け、両方ともに合格しました。その後、予備校の国立コースを受講して、一橋大学を受けましたが、残念ながら落ちてしまいました。

自分の受験生活を振り返ったときにまず思うのが、「自分は流されてばっかりいたなぁ」ということです。特に将来やりたいことがあったわけでもなく、ただ大学には入らなければならないから受験をするくらいに考えていた僕は、人間としてはダメダメでしたね(笑)

この体験記では、そんな僕でも、ちゃんと名門と呼ばれる大学に合格できて、あと一歩で国立大学にも行けたプロセスを、順々に説明していきたいと思います。そして、これから受験を控えているみなさんにも、自信を持って頂けたら幸いです。

現地での勉強 〜イギリス編〜

僕がイギリスにいたときは、日本での受験は全く意識していませんでした。しかし、現地での成績は非常に重要です。後で詳しく説明しますが、成績がないと書類審査が通らない、つまり、土俵の上にさえ立てないのです。幸いにも、現地の共通試験(A-level)の成績は良かったのですが、もし良くなかったらと思うと、冷や汗ものです。

A-levelを受験する海外生活者の方は、最低ラインとしてA×2、B×2くらいは目指しておいた方がいいです。これ以下だと絶対にダメだというわけではないですが、これくらいの成績があればまず安心です。普通に勉強していれば決して難しくはないはずです。もちろん、東大や京大を目指す方はA×3は欲しいとこですが。

ちなみに、僕はMath、Economics、Geography、Japaneseを取っていました。以下、科目別に簡単に説明したいと思います。

Mathの勉強

Mathに関しては、とことん問題を解き続けることです。過去問、テキスト、練習問題を手を抜くことなく解き続ければ、必ず成績は上がります。ここでしっかりとAを1つ押さえておくのは重要です。また、A-level Mathで学んだ知識は、大学受験中や入学後も以外と役立つので、しっかりと「身につけておく」ことをお勧めします。

EconomicsとGeographyの勉強

EconomicsとGeographyは正直きつかったです(笑) アジア系の学生はみんな理系科目を取る中、深く考えることなく好きな科目を取ったら、英語の海に溺れました(苦笑) Geographyに関しては、徹底的にケーススタディを覚えるのが、得点への近道です。授業内容を完全に頭に叩き込むのは前提として(たいした情報量ではない)、少しでも細かいデータ、具体的な名称を試験中にアピールできるかで、点数に差が出てきます。

Economicsは、いまノートを見返しても、なかなかレベルの高いとこをやっていると思います。とりあえずは、授業の骨子をきちんと理解して、大量のグラフを理解、描けるようにすることです。あとは、とことん長文問題を解き続けました。始めはとにかく時間がないと思うのですが、徐々にパターンに慣れ、筆記スピードも上がるはずです。

僕も語学力を理由にイギリス人に負けたくはなかったので、必死に書く練習をしていた記憶があります。おかげで、「やればできる」という自信がつきました。また、内容的には、数学の部分を除いて、大学で教わる初級マクロ経済と大差ありません。そのレベルの経済知識を身につけることができると、日本で経済系の論題を理解し、小論文を書くときに大変役立ちました。

以上、少し長くなりましたが、イギリスでのA-levelを受けるときに知っておいたら便利な情報と、なぜしっかりやることが大事なのかを説明したつもりです。現地での試験は大学入試の最初のステップだと言っても過言ではありません。

Japaneseの勉強

最後に、JapaneseはさくっとAを取っておきましょう。内容はなんであれ、Aが1つ増えるというのは大事です。

<私立受験編>

ここからが本番です。まず現地での成績によってスタートラインが大分変わってきます。特に、私立で慶應を目指している方は、現地での良い成績は絶対条件です。逆に現地で良い成績があれば慶應には行けると言っても過言ではないでしょう。

本命の慶應の経済学部は受験科目が小論文だったため、私立の受験は小論文を中心にしました。具体的な勉強方法に関しては、国立受験編で後述します。

<国立受験編>

国立受験を始めた動機ですが、必ずしも国立大学に行きたいという強い思いがあったわけではありませんでした。私立受験が終わったとき、入学までの半年間をどうすれば最も有意義に過ごせるかを考えました。私立受験のときに受けた講義、学んだことは、何よりも自分のためになっただけでなく、小論文の授業を通して考える力がめきめきと伸びるのを実感していました。そして、半年間バイトなどに使うよりは、予備校に通うことで、受験だけでなく、将来的にも役立つであろう「力」を身につけることにしたのです。とは言え、やるからには全力で合格を目指したのは言うまでもありません。

一橋大学受験対策

一橋の受験は英語と小論文を課されています。また、小論文も要約問題と論述問題に分かれています。はっきり言って、英語と要約問題は8割近くを取るのが大前提です。英語と要約問題は、機械的に練習を重ねれば確実に点が取れるようになります。つまり、合否の分れ目は論述問題にあるのです。それは、論述問題は簡単には得られない、さらに深い思考力が必要とされるためです。

英語の勉強

受験英語を勉強するにあたって、以下の2つのことに集中しました。1つ目は、自動詞と他動詞の区別や、inとexceptの場合のみthat節は前置詞をとる等々、重箱の隅をつつくようなパターン化された問題を機械的に解けるようにすること。2つ目は、徹底的に語彙を増やすこと。そして、基礎学力をつければ、あとは過去問を繰り返し解き続けるだけです。

要約問題の勉強

要約問題の鍵は読解力、つまり筆者と問題の作成者の意図を汲み取る力です。僕は要約問題に関してだけは、あまり苦労しませんでした。幸いにも本を読むのが昔から好きで、文章そのものを理解する力はある程度あったと思います。あとは、問題の作成者がどのような答えを期待しているのか、それを汲み取る練習をしました。それは、英語のように繰り返し練習をすることで、徐々に見えてくるものです。

小論文の勉強

小論文に関しては、十人十色の方法があると思います。ただ、ここでの最も有効なアドバイスは、「先生の言うことを愚直に聞け」ということです。まとめノートを作れと言われたら、資料や参考図書をひたすらまとめる。いい点が出るまで書き直せと言われたら、ひたすら書き直す。

正直、僕はそこまでいい生徒ではなかったと思います。小論文を繰り返して書くよりは新しい問題を解くことに時間を使ったし、まとめノートも他の生徒のように膨大な量にはなりませんでした。

受験で成功するためのアドバイス

受験には2つの型があると思います。既存のレールに従わなくても、自分なりの勉強方法を持っていて成功まで突っ走れる天才型と、プロの言うことをとことん、ひたすらに聞いて成功する凡人タイプです。僕はその中途半端な間を行ってしまい、それが中途半端な結果に終わってしまった理由の一つだと思います。

実践的な試験までの道をつらつらと述べてきましたが、改めて強調したいことが3つあります。

先生の言うこと、指示されることにはひたすら従う

こう書くと見栄えは悪いかもしれません。ただ、受験という長い競争を勝ち抜くにはプロの敷いてくれたレールの上を歩いて行くのが最も近道です。一部の人には当てはまらないかもしれないし、信頼しきれる先生に恵まれない場合もあるかもしれません。しかし、大多数の受験生にとっては成功への鍵となると思います。

受験を楽しむ!

受験で得たことはその後にも多いに役立ちます。知識だけでなく、ものごとを論理的に理解する力や、考える力が身に付くからです。「やらされている」と感じるのではなく、「未来のために努力している」という実感を持ち、何でもポジティブに捉えて行くのは大事だと思います。

共に高め合うことの出来る仲間を見つける

いい意味でのライバルを作り、時に協力し、時に競争しながら受験をすることは、長い受験までの道を乗り越えるのに、とても重要な刺激だと思います。

<最後に>

僕は一橋の筆記(2次試験)は通ったのですが、面接で落ちてしまいました。いろいろ理由はあると思いますが、一橋に行きたい!という思いが周りの受験生よりも低かったせいかもしれません。ただ、国立コースを受講したことは間違いではなかったと胸を張って言えます。その時期に学んだことは、いまになって成果が現れているような気もします。

国立受験をするみなさん! 国立コースで勉強することは、受験だけでなく、将来ずっと役立つものだと思ってください。そして、貪欲に先生やライバルたちからいいものを盗み取ってください。以上が、僕の体験から言える全てだと思います。

St. John’s Leatherhead :
http://www.stjohnsleatherhead.co.uk/