帰国子女大学入試・合格体験記vol.38

interviewee_s_153_profile.jpg 岡村美佳さん。1986年東京生まれ。4歳から8歳までの4年間をアメリカのニューヨーク・カリフォルニアで過ごし、日本に帰国。中学1年生のときに、今度はイギリス・ロンドンに渡り、5年間過ごす。Marymount International Schoolを卒業後、日本に帰国し、06年に東京大学理科Ⅱ類に入学。教養学部生命認知科学科を卒業後、東京大学総合文化研究科に進学し、現在修士1年。大学では、酵母を使ってDNAの転写・組み換え機構について研究を行っている。

【東京大学理科Ⅱ類合格】
【慶應大学商学部・上智大学理工学部・千葉大薬学部合格】

幼少期

幼稚園から小学校3年生までの4年間、ニューヨークとカリフォルニアで育ちました。気付いたら英語が喋ることができた年齢だったので、2回目の渡英では英語にも困らず、兄妹の中でも運のいいときに転勤が降ってきた子供でした。

高校生活

イギリス時代は学校の勉強のみ。どちらかと言えば放課後の部活動のために学校へ行っていました(笑) 特にアカデミックな学校ではなかったので、少しやれば上位の成績が取れたし、IBに向けての準備はきちんとしてくれる先生の授業を履修していたので、最低限のことだけをやっていました。もっとやればもっといい点数が取れたのにと思うこともあるのですが、高校生活を満喫した、という満足感はあります。

アメリカのニューヨークやカリフォルニアにいた人たちは、受験に関する情報を持っており、日本の受験に向けての勉強もしていて、帰国してから少し引け目を感じる部分はありました。その具体的な例が、慶應の理工学部を受けるのに物理が必要であるという情報でした。

もちろんちょっと調べればすぐわかることなのですが、私の学校から日本で理系に進んだ例がほとんどなく、日本では物理受験の方が一般的であることを知りませんでした。他にも物理を受験科目としているところがあり、必然的にその学部を併願することができませんでした。そういった意味で、情報が乏しかったと思います。

しかし、そのせいで学校の勉強が疎かになり、IBやSATの点数に影響が出るのであれば、まずは現地の勉強を優先するべきだと思います。受験に向けての準備は、日本に帰って来てからでも遅くはないし追いつく余地がありますが、IBやSATの点数はやり直しがききません。現地での頑張りを評価してくれるというのが帰国受験のメリットなので、その最大のアピールのために、まずは向こうの勉強をしっかりすることが大切だと思います。

受験1

私は当初、医学部を志望していました。最初の年は、どうせ受かっても行かないから、と他を一切受けませんでした。後から考えると、それが原因で受験に対する心構えをするのが遅くなったと後悔することになりました。9月の私立受験という目標がない分、7月からの2ヵ月必死にならず、新しい日本の寮での生活が楽しくて、勉強そっちのけで遊んでいました。予備校では、最初のうちはどの科目も基礎からやっていたので、少し余裕を持っていました。

そして、私大の受験が終わり、後半戦がスタートしました。気付けば、数学、生物、化学と基礎固めをしていなかった私は完全に乗り遅れ、全くついていけなくなっていました。ただ、どの医学部もいわゆる正統な受験問題を出す受験形式をとっておらず、学科勉強に関してはそれで乗り切れてしまいました。

しかし、結果は全敗。評価基準が「総合的」な感じがして、結局敗因はグレーゾーンのままなのですが、やはりちゃんとやっていた人が合格したというのは、事実として謙虚に受け止めました。どこも押さえなかった私は、必然的に浪人することになりました。

受験2

2年目は一般の浪人コースに入って、全科目勉強の仕直しです。いかに自分が1年間やっていなかったかを思い知らされました。取りあえずは、生物、化学のゴロを丸暗記から始まります。丸暗記がなければ、それを分析に用いたり、発展させたりする能力は付きようがないと思います。

帰国受験の寿命があるので、2年目には慶応大学の商学部、上智大学の化学、千葉大学の薬学部を受験、医学部受験に先だって、いくつか行くところを確保しました。そして、東京大学の理科II類にも出願しました。

医学部は前年同様に受験しましたが、すべて不合格。しかし、1年の勉強の甲斐あって東大に合格。そのときは希望通りの道ではなかったのですが、浪人した1年は無駄にはならなかったのかなと納得しました。

医学部受験

慶応、東北大、東大以外の医学部に関しては、正直具体的に何を見ているかはよく分かりません。ただ、納得のいく優秀な人が合格していったことは確かです。

小論文を書くにあたっては、具体的な体験談やデータをもっているといいと思います。新聞や雑誌を読んだとき、また、授業で気になる情報があったときは、それ用のノートに蓄積するといいとでしょう。

地方の医学部は、地域依存が高く、なるべく残ってくれそうな人を取ると思われがちですが、正直帰国生にそれを求めているとは思いませんでした。多様性・国際性アピールのためであり、逆に違った人も入れていこうという姿勢を持っているので、地域的なことよりは、自分がいかに幅と深みのある人であるかを提示できることが重要ではないかと思います。

東大受験

~数学~

とにかくいい解答を作る、頭の整理が出来るようになることが重要だと思います。IBでやっていたような数学とはレベルが違います。機械的に公式に当てはめるようなものはなく、どの公式を使うか、どうやって解答への道を作るかという作業から自分で切り開いていきます。私は、模範解答を丸写し、それを踏まえて似たような問題を並べて自分できれいな解答を作るといった方法を取りました。

~化学・生物~

覚える! そして、数をこなすことです。資料集の薀蓄的なところにも興味を持って、頭に叩き込むといいと思います。

~小論文・面接~

理系に関しては、見ていないに等しいと思います。

最後に

海外から見ている方々へ。とにかく目の前のことを一所懸命やることです。せっかくの海外生活を楽しむということも、人としての糧になると思います。

受験生の方々へ。目標を定め、それに関する情報を得るということ、それを網羅的にしっかりとやって、頑張ってください。

Marymount International School :
http://www.marymountlondon.com/home.php