帰国子女大学入試・合格体験記vol.39

interviewee_s_139_profile.jpg 柴田真也子さん。1988年東京都生まれ。4歳から7歳までエジプト、17歳から20歳までパキスタン、イギリス、スペインに合計7年半滞在。 American School of Madrid卒業後、慶應FIT入試で法学部法律学科に合格。一橋大学法学部にも合格、入学し、現在2年に在籍。

【慶應法学部FIT入試合格】

<一次試験>

まず、慶應法学部独自のFIT入試は、他の帰国生入試とその内容がだいぶ異なります。FITの一次試験は書類選考ですが、2000字の志望理由書や2ページに及ぶ自己PR、自らに影響を与えたこと、慶應に入った後に期待することなど、書かなければならない書類の量が非常に多いです。

~志望理由書~

私はその中で2000字の志望理由書から取りかかりました。最初に目次のようなものをつくり、エッセイを書くときに行うブレインストーミングの作業にかなりの時間をかけました。私は自分が学びたいこと、そう願ったきっかけと将来の夢について書きましたが、そのためにその内容に関連する書物を5冊以上読み、自らの関心や問題意識を深めるために情報収集の作業に力を入れました。

枠組みの段階から予備校の先生に何度も添削して頂き、実際に2000字の志望理由書として文章にしたのは、願書提出期限の1週間ほど前でした。ただし枠組みがしっかりと出来ていたので、文章にするのは非常に楽でした。志望理由書にたくさんの時間をかけたので他の書類にはあまり時間をかけられませんでしたが、提出期限ぎりぎりまで手を抜かずに、全てを書き上げました。書類の量が多くて大変ですが、どの書類も力を入れて書くことが重要だと思います。

<二次試験>

~小論文~

二次試験は、三田キャンパスにて3つの試験をこなします。まずは小論文です。法学部の教授が実際に試験会場にて45分ほどの講義を行います。それを、メモを取りつつ聴講した後に、その内容についての問いに対する小論文を書きます。

私のときは「人権における表現の自由と情報化社会の摩擦」についての出題でした。この内容については、教授が講義の最後の方で述べていたことなので、講義を最初から最後まで、しっかりと気を抜かずに聞いておくことが大切です。

また、メモも講義が終了次第すぐに回収されてしまうので、講義終了後見直している時間はありません。メモをとりつつ講義の内容を頭に叩き込むことが必要です。字数制限がないのでそこは融通が利きますが、問いに対する講義内容を踏まえつつ、自分の問題意識、意見をちゃんと書き表すことを念頭に据えて論文を仕上げました。終わったのは時間ギリギリだったと思います。

~プレゼンテーションと質疑応答~

小論文の次は15分ほどのプレゼンテーションと面接官による質疑応答です。プレゼンテーションの内容は自由に決められます。私は志望理由書の内容を広げ、現在の国際政治や国際法に対する自分の問題意識や考察について発表しました。ですから、1次試験合格発表後の10日ほどの時間でも、どうにか内容をまとめることが出来ました。

FITの面接は、普通の慶應の帰国生入試と比べるとずっと厳しいという話を聞いていましたが、実際もかなりシビアでした。私は本番で10分ほどプレゼンテーションの時間をオーバーしてしまい、それに対してお叱りを受け、また、プレゼンテーションの内容に対しても厳しい指摘を受けました。「違う学部の方がよかったんじゃないの?」とまで言われました。ただ、何を言われてもきちんと相手の質問に答え、自分の考えを表現するように努力しました。

~グループ・ディスカッション~

最後はグループ・ディスカッションになります。6人1組で、3人の試験官の前でディスカッションを行います。私のときのテーマは、「インターネットにより情報の波及が進んでいるが、今後の印刷物の役割について述べよ」というものでした。私の周りはみんな国内生で、ディスカッション時にも、とても丁寧でかしこまった言葉を使っていて驚いたのを覚えています。

しかし、帰国生はディスカッションというものを海外の学校で大体は散々やっています。私も、2次試験の内容の中で、グループディスカッションが一番やりやすかったです。相手の発言に耳を傾けつつ、自らの意見をしっかりと述べる態度をとり、議論の舵取りのような役割を担えると、ポイントが高いと思います。私も司会のような役割を担い、議論の方向性を示唆したりしました。

<最後に>

これで試験の内容は全部です。FIT入試は、最初から最後まで、内容が非常に濃くてなかなか大変ですが、その分自分の力を磨く要素をたくさん含んでいます。実際に、この志望理由書が、国立大学を受験時の面接内容のベースになりました。

また、自分の関心のある分野に対する知識を深めるきっかけにもなりました。試験内容をこなす間はしんどいですが、終わった後、さらに合格した後の充実感は大きいものです。どの試験内容も手を抜かずに、しっかりと向き合って全力を尽くすことが合格の鍵だと思います。

また、予備校の先生の力も私には非常に大きいものでした。私は、予備校の先生のアドバイスをしっかりと頭に叩き込んで試験に向かいました。然るべき人からのアドバイスに耳を傾け、自らの欠点を踏まえつつ、試験の前に出来るだけそれを改善するように努めて、全力を尽くしたことで摑んだ合格だと思っています。

American School of Madrid :
http://www.amerschmad.org/

合格体験記vol.32 柴田真也子【一橋大学法学部合格】:
http://www.rtnproject.com/2010/01/vol32_1.html