帰国子女大学入試・合格体験記vol.45

interviewee_s_160_profile.jpg 宮崎紗絵子さん。1989年生まれ。愛知県出身。高校1年の夏からアメリカ・カリフォ ルニア州のサンディエゴで暮らし、Rancho Bernardo High Schoolに通う。高校卒業後帰国し、09年早稲田大学法学部に入学。現在2年に在学中。大学では、法律サークルに所属し活動している。趣味はミュージカルなどの舞台鑑賞。

【早稲田大学法学部合格・名古屋大学法学部合格】

はじめに

帰国子女入試を受験する人には、海外滞在10年の人もいれば、単身留学で滞在2年という人もいます。それまでの経歴が大きく異なる分、受験の準備や対策も人によって違ってきます。全員に共通して言えることも盛り込みましたが、特に私と似た経歴の人に参考にしていただければと思います。

帰国前の準備

 ~TOEFL&SAT対策~

私は、滞在歴が短いこともあり、元々アメリカでの大学進学は選択肢にありませんでした。そのため、渡米直後から日本人用の塾に通い、小論文や現代文の授業を受けていました。TOEFLの勉強もすぐに始め、少なくともTOEFL iBTを4回、TOEFL PBTを3回、高校卒業までに受験しました。SATのための勉強は、TOEFLの勉強が少し落ち着いてきた高3直前という遅めの開始でした。

 ~志望理由書の作成~

帰国前にやっておいてよかったと思うことは、志望理由書の作成です。私は、アメリカで通っていた塾の授業の一環で、志望理由書作成や面接練習をしました。帰国後から受験までの約2ヵ月は、小論文や受験英語の勉強でいっぱいいっぱいなのが本音です。少しでも時間に余裕がある帰国前に、志望理由をまとめておいたり、面接で頻出する質問に対する答えを考えておいたりすることをお勧めします。面接では滞在国やそこでの経験に関する質問も多いので、帰国前なら周りの人からアイディアやアドバイスをもらうことも可能です。

 ~大学への提出書類~

 その他に、大学への提出書類についても言及したいと思います。大学に提出する出願書類は、量も多く、大学により必要な書類が異なる場合もあるため、ミスのないよう準備するのは大変です。ですが、帰国後その書類準備に時間をかけている暇はありません。志望理由書と同じように、こちらもある程度の準備を帰国前にしておくべきだと思います。早稲田大学などは、出願書類をホームページからダウンロードする形式をとっています。早めに書類を手に入れ、記入まで済ましておけば、帰国後に準備する他大学の書類の参考にすることもでき、書類作成がスムーズになります。とにかく、帰国後に小論文や英語の勉強に集中できる環境を作っておくことが大切です。

 ~個人的な反省点~

一方で反省しているのは、SATの勉強に集中できなかったことです。SATの英語はTOEFLよりも格段に難しく、初めからSATは無理だと諦めてしまっている自分がいました。TOEFLのスコアも低いことから、元々慶應の受験を全く考えていなかったのも、モチベーションが上がらなかった原因だと思います。確かに慶應以外の私立で、SATのハイスコアを要求されることはほとんどないので、その上でTOEFLの勉強に集中するのもひとつの手だと思います。ただ、SATの勉強をあまりせずに低いスコアしかないということは、その分大学の選択肢を狭めているというのを忘れてはいけないでしょう。これについては、また後で述べたいと思います。

帰国後

帰国後は、予備校に通う人が多いと思います。そこでは、ひたすら小論文と現代文、そして、受験英語の勉強の毎日です。

 ~効果的な勉強法~

人によって効果的な勉強方法は違うと前置きした上で、私の行った方法を紹介させてもらいます。それは、予備校の授業を休まず集中して臨み、宿題や講師の先生方が言ったことを忠実にこなしていくことです。もちろん、自分なりの勉強法を見つけて受験対策をできれば言うことなしです。でも、その自分なりを見つけるために色々と試している時間は私立入試までにはありません。特に、小論文の勉強については、授業を集中して聴き、課題を絶対にサボらないに尽きると思います。

 ~当たり前のことをやる~

別に1日中勉強しろと要求されているわけではないです。私も、毎日たっぷり6時間は睡眠をとっていたし、これに関してはあまりおすすめできませんが、お友達とおしゃべりしたり、部屋でテレビを見たりすることもしょっちゅうでした。ただ、予備校の先生がやれと言ったことはサボらずにやったつもりです。周りを見ても、早稲田から始まる私立入試でスムーズに合格していった人は、授業に出席して課題をこなすという当たり前のことを当たり前にやっていた人が多いように思います。

 ~国立入試に関して~

私立入試の後は、10月から2月末まで続く国立入試のための勉強です。私は、11月に名古屋大学法学部を、そして2月に一橋大学法学部を受験しました。一橋大学については不合格だったため、残念ながら合格体験記にはなりませんが、経験から反省点もいくつかあるので参考にしてください。

まず、先にも挙げたSATなどの統一試験に関してです。国立では2月末の東大、京大、一橋を目指す人が多いですが、SATやTOEFLのスコアが低いとその時点で選択肢は一橋のみとなります。ここで選択肢を広げるためにも、帰国前に統一試験の勉強をしっかりとしておくべきです。

 ~一橋大学受験対策~

ただ、逆に言えば一橋の場合、統一試験のスコアが低くても、当日の試験次第で合格の可能性は十分あるわけです。一橋の筆記試験対策ですが、私の経験から言えるのは、英語の勉強をしっかりとやっておくべきということです。国立受験に向けて、予備校ではより高いレベルの小論文の授業が展開され、皆が必死で小論文の勉強をします。そのときについ忘れがちになるのが英語の勉強ですが、一橋大の英語の試験問題は一般生と同じ内容とはいえ、読解や和訳など意外と難解な問題が多いです。受験1カ月前になって、英語をちゃんとやっておけばよかったと後悔することがないように、10月からコツコツと過去問を解いて試験の傾向をつかんでおくことをお勧めします。

終わりに

帰国後、あっという間に私立の試験当日が来てしまいます。その2ヵ月の間、受験勉強に専念できるように、志望理由書や提出書類などの準備をしておくのとおかないのでは、気持ちの余裕も違ってくると思います。受験勉強については、私立も国立も、予備校の授業に出席して課題を全てこなすという当たり前のことが最も重要なのではないでしょうか。受験が初めてという人も多いと思いますが、私立の入試、そして、国立の入試まで是非がんばってみてください。この体験記が少しでも皆さんのお役に立つことができればうれしいです。

Rancho Bernardo High School :
活動報告 「世界の学校から」vol.1 足立創
http://www.rtnproject.com/2008/02/post_20.html