帰国子女大学入試・合格体験記vol.48

interviewee_s_163_profile.jpg 山本晃一さん。1990年香港生まれ。香港で18年間暮らす。現地の日本人小学校・中学校を卒業後、Concordia International Schoolに進学。2009年6月に卒業後、帰国し横浜国立大学経営学部会計情報学科に合格。現在1年に在籍。大学で夢中になれるものを模索中。

【横浜国立大学経営学部合格】

海外滞在時

私は経済的な理由から私立大学を受験する選択肢はなく、はじめから国公立大学一本に絞っていました。叔母の影響を受け公認会計士になりたかったので、そのサポートがある横浜国立大学経営学部会計情報学科を受験することを決めました。入試は小論文と面接です。学校の成績と統一試験はそれほど評価されないし、英語の試験はありません。このことを私はG9にして知って(しまっ)たので、日頃からニュースや新聞を読み日本語に触れる一方で、学校の勉強と統一試験の対策を頑張りませんでした。そして、私はあとでそれを後悔することになるのです。

帰国当初

私は9月上旬に帰国し、予備校に通い出しました。通い出したばかりの私は、周りの皆と同じように勉強していれば受かるだろうと、軽い気持ちでいました。毎週の課題である小論文の復習・予習をこなし、課題図書は週2冊のペースで読む。小論文を書く際に煮詰まったときは講師に直接相談しに行く。これらをこなしたあとは、皆と一緒に息抜きをしたりもしていました。

お受験

そんな私が初めて迎えた受験が法政大学です。予備校にもしものために受けるようにと勧められたからです。私は私立受験シーズンが過ぎる頃の9月に帰国しましたが、法政大学だけは出願に間に合いました。法政大学の入試は英語と小論文です。私が勉強を怠ってきた英語があります。英語が苦手だと自覚していたので、英語の過去問を10年分解きましたが、小論文の過去問は解きませんでした。

甘かったのだと思い知らされる

私は不合格。皆は合格。皆と同じこと「しか」しなかったから、落ちるのは当たり前です。なぜなら、皆は高校時代に学校の勉強と統一試験の対策をちゃんとしていたから、英語が鍛えられています。しかも、7月から予備校にほぼ毎日通い、英語・日本語・小論文を勉強しています。その頃の私は週1で塾に通い、小論文を学んでいただけでした。つまり、勉強量が圧倒的に違います。私は皆に差をつけられていたのです。皆と同じこと「しか」しないようでは差を埋めることはできません。

まずは差を埋める

だから、私は毎週の課題小論文の復習と予習をこなしつつ、つまり、皆と同じことをしつつ、皆が7月の頃に使っていた教科書で勉強しました。この教科書は皆の基礎を作り上げたものです。これを終えてから、過去の課題小論文を読み返すと、また違う視点から物事を考えることができるようになりました。基礎なくして発展はありえません。

そして、課題図書に加えて、自分が興味をもった本であれば、新書であれハードカバーであれ買って読破しました。しかも、私は課題図書の著者のブログを読んだり、そこのリンクから他の記事を読んだりと、インターネットをフルに活用しました。

しかし、片っ端から読めばいいというものではありません。本や記事を読むのは小論文のネタにするためです。そして、ネタに昇華させるためには、それについての知識を深めなければいけません。考える力なくして知識は深まりません。そのためにはただ読むだけではなく、読みながら自分でツッコミを入れることが重要だと思います。それを鵜呑みにせずに自分で考える。そうすることで、それはネタとして記憶に残るし、ネタを上手く小論文に応用する力も養われます。

小論文の過去問も解きました。しかし、4年分だけです。なぜなら、適当に数だけこなしても意味がないと、法政大学の受験で思い知ったからです。だから、私は何度も書き直して、講師に添削を頼んでいました。そのたびに改善点がみつかります。小論文で完璧なものは出来上がりませんが、とりあえず講師がOKを出すまで書き直しました。

つぎに差をつける

私は皆との差を埋めるべく勉強しました。しかし、受験に勝つためには、皆に差をつけなければなりません。私が一番努力したのが面接対策です。面接で聞かれるのは志望理由です。私は複数の講師に協力してもらい、横国以外の2校の志望理由書をそれぞれ2週間ずつかけて完成させていました。それを横国に応用することは簡単です。しかも、横国の面接練習も1週間びっちり行いました。単純に考えて一ヶ月強です。

皆が気を抜く面接対策。だから、似たような志望理由ばかりが飛び交い、面接官はげんなりです。そんな面接官も唸る志望理由を聞かせることができれば、皆に大きく差をつけることができると思います。

おわりに

はじめに、学校の勉強と統一試験の対策を、つまり、英語の勉強を頑張らなかったことを後悔していると述べました。それは、法政大学に落ちたからではありません。私は法政大学に落ちたことで、周りと同じことをしてるだけではいけないと気づき、気持ちを引き締めることができました。それから横国を受けるまでの一ヶ月半は、これまでの人生の中で一番勉強したと思います。

そもそも、横国の入試に英語はありません。ではなぜ後悔しているのか。帰国して勉強を始めると、将来の夢が変わることがあります。私は公認会計士ではなく、社会福祉系の事業を立ち上げたいと考えるようになったのです。

そのための勉強に相応しいのは、横国の経営学部会計情報学科ではなく、一橋大学の商学部だと考え、受験することにしました。一橋大学の入試には英語があります。それもかなり重要視されるものです。私はもちろん勉強しました。皆との差を埋めるべく勉強しました。しかし、その差はあまりにも大きすぎたようでした。

帰国以前から準備をしておくことにこしたことはありません。私は横国の経営学部に入るための準備‘しか’しなかったのです。皆さん、東大や一橋は無理だと諦めていませんか? 帰国子女であれば、英語と日本語を頑張るだけで、入れる可能性が十分あります。限界を作らずに挑戦してください。

Concordia International School :
http://www.cihs.edu.hk/modules/homepage/