海外生活体験者・学生インタビューvol.86

interviewee_s_196_profile.jpg 田中夕貴さん。1988年福島生まれ。幼い頃から英語に興味を持ち、中学校のときから夏休みに単身留学。高校はアイルランドのダブリンに3年間留学し、St.Andrew’s College Dublinを卒業。卒業後、慶応大学法学部政治学科に合格。現在3年に在籍中。大学では、スケート部に所属し、朝練、授業、練習のハードな日々を送りながら、アフリカ地域研究ゼミにも所属し、主にアフリカの政治問題について研究している。

―では、インタビューを始めましょう! 少し緊張していますが、よろしくお願いします。

こちらこそ、よろしくお願いします。何でも聞いてください(笑)

英語とか海外大好きっ子に

―最初に簡単な生い立ちを教えてもらっていいですか? そのあと深く掘り下げていきたいと思っています。

やっぱり、お手柔らかに(笑) 小学校は普通に地元の学校を卒業しました。中学校は、私立茨城キリスト教学園中学校卒業。高校は留学でアイルランドへ3年間。卒業後は予備校に通って、慶應受かったので、今こうして在籍中です。

―いきなり中学から他県の私立だけど、そこを選んだきっかけは?

地域の教会が主催するボランティア活動として、英会話教室があったんだけど、小学校のころからそこに行ってたのがきっかけ。グアムとか行ったし、英語とか海外大好きっ子になっちゃって。英語教育に力を入れていて、交換留学制度があるところに行きたくって、がんばって勉強したの。

―え! 小学校のころからグアム?!  それもっと詳しく聞きたいな。

その旅行は福島県が主催した子供向けのイベントで、最年少が小3くらいで、上は中学生までと、結構年齢層が広くって。10日間という短い期間だったけど、現地小学校の子たちとの交流ができたの。今はもうテロとかで、きっとこんな活動ないだろうけど……。

でも、実は小学校時代の海外経験はこれだけじゃないの。小5の夏休みに1ヶ月間アメリカのカリフォルニア州でホームステイしたんだ。このプログラムも、きちんと同年代の人たちがいる家庭に入れてくれたから、ホームステイ先の子供とはすごく仲良くなった。翌年の夏休みには、その子が日本に1ヶ月ホームステイに来たの。

―いいなあ。友だちが日本に遊びに来るとか、楽しかっただろうね。親同士のも仲良くなった?

うん、仲良かったよ! 小6の夏は中学に向けての受験勉強だったけど、中学に入ってからも、中2と中3はまた私が彼女の家に遊びに行ったり、彼女が来たりしていたの。つい最近まで連絡とかよくしてたけど、大学入って途切れちゃった……。元気かな?

―そういう関係いいね! 私も海外また行きたいなぁ。でも今はこっちでの勉強がいっぱいいっぱい(笑)

9.11同時多発テロで留学がダメになる

―では、高校がアイルランドになったきっかけは?

小さい頃から短期留学を繰り返していたから、中高一貫校ではあったけど、前から高校は海外に行きたいと思っていたの。そこで決まっていた進路は、小中学校時代の夏休みに留学していた子が通うアメリカの高校に行かせてもらうこと。事はうまい具合に進んでいたんだけど、9.11のテロのせいでVISAが簡単に下りなくなっちゃって。中学の先生を通して、頑張って交渉はしたのだけど、結局だめだったの。

―なるほど、なんかすごいな。

仕方がないから、他の選択肢を考えて、一番珍しいアイルランドに行くことに決めた。今度は留学手続きを全て行ってくれるAgencyを通したの。そうしたら、私にあった場所を選んで来てくれた。すごく嬉しくって、すぐアイルランドに行って、学校が始まるまで語学学校に行って英語の勉強をしてた(笑)

―私は親の転勤で海外行っていただけだから、尊敬!

1年目はひたすら自分探しがテーマ

―高校はどんな感じだった?

私が入った高校は特別な仕組みになってたんだ。

1年生のときは、Transition Yearって言ってSpecial Educationの年。これから将来何を自分がして行きたいのか、ひたすら自分探しがテーマ。それこそ、ロッククライミングとかアウトドアをしたり、何でも好きなことをしてレポートを書いたり、文化について学んだり、もう何でもあり。でも、一所懸命に取り込むことが大事だったよ。私が一番力を入れていたのはおもにボランティア活動とヨーロッパの文化を学ぶこと。募金とかも行っていたし。

2年生のときは、1年生で取得してきた情報に基づいて、自分の進路に向かってひたすら勉強を始める年でもあり、統一試験(アイルランドではLeaving Certificate)に向けての勉強もしなくてはいけなかったの。ちなみに私は専攻科目として、主に地理・経済・生物・英語・数学をとっていたよ。

3年生はひたすら勉強。評価方法が独特だったから本当に大変だったよ。教科書とか厚さ5cmくらいのもあったし、最終的には家と学校用の2冊とかあったけど、重くって無理だった(笑) でも、3年のときは本当にこれ以上ないくらい勉強したよ。

―生徒一人一人の個性を自由に伸ばして行ける教育方針ですごくいいね。是非それを日本で取り入れて欲しいくらいだね。でも、統一試験は大変そう(笑)

あなたを海外に行かせていたわけ

―そんなに頑張っていたのになぜ日本に? アイルランドの大学は考えた?

うん、正直、言語面のフォローもあったしすごく大変だった。高校時代が一番勉強したと思うよ。私は実際もう高校のときから少し夢があったの。いずれは看護の資格を取得し、1年生の時に学んだアフリカで仕事ができたらいいなって思っていた。アフリカのことは、Social Development Studiesという授業とか、学校行事を通して学んだんだよね。

そのために必要なイギリスの看護資格が取りたかったし、専門分野の文献はやはり英語が多いから、イギリスの大学に行きたかったの。でも、アフリカに行かせるためにあなたを海外に行かせていたわけじゃないって、やりたいことやらせて来てくれた親がいきなり言い始めて……。結局、日本に帰国したわけ。

―そっか……。親の気持ちもわからなくもないけど、完全にこっちは不完全燃焼だね。でも、日本に帰ってきていきなりよく受験できたね……。気持ちの整理とか大変じゃなかった?

大学受験は、もう将来の夢はあきらめなきゃと思っていたから、すごい適当だったと思う。気持ちの整理というか、ひたすらがむしゃらだったよ。とりあえず、どこか良い大学に入ればいいんでしょ!って感じ。だから、本は片っ端から読んだし、面接で突っ込まれても答えられるように、いろんな問題について勉強した。

大学生活も、普通に部活に4年間没頭して、普通にどこか就職できればいいやって思っていたの。

ゼミに入って、私には希望が見えた

―ん? 思っていた? ってことは、今は違うのかな?

うん! 私はね、今アフリカの政治や経済に関して学ぶゼミに入っているの。結構専門的過ぎて、調査している自分を不思議に思うときあるけど、好きなことだからすごく没頭できるの。

アフリカゼミに入れてから、私には希望が見えたよね。最初の2年間は、ただなんとなく単位取れればいいやとか思っていたけど、3年になってから、勉強へ対する興味や関心すごく大きくなったし、意欲も違うのが自分でもわかるの。

将来は、どんな形でもいいからアフリカに携わって行ければいいなと、漠然とだけどイメージを持てるようになったよ。NGOに就職したいとも思っているし、イギリスの大学院に行って専門的知識をもう少し蓄えてからまた考えたい。イギリスは、やっぱり昔アフリカを植民地にしていたから、結構情報が豊富なんだよね。

―NGOに就職できたら、例えば、何して行きたいか考えている?

ん~……、まだあんまり決めてないけど、一般企業なりNGOなり、何らかの形でアフリカに貢献できる道に進みたい。一般企業だと貿易やCSRを通した形になるのかな。人権侵害にも関心があるから、人権状況の改善運動へ力を入れて行きたいかも。ソマリアの難民がケニアに避難しているんだけど、警察の行いも悪くって、実は国際法違反になっているんだよね。世界にはまだまだいろんな隠れている問題があるから。

―そうだよね。まだ日本は幸せな国だよね。そういうのもきちんと視野に入れながら、今後就職する立場としては、世界に少しでも貢献できればいいと思う。

「あなたの5ヵ年計画を立てなさい」

―では、最後に、2つ聞いていいかな? まず、あなたが生活していく上で一番大切にしていることはなんですか?

「目標」を大事にすることかな。時間の管理とか、一瞬一瞬を大切にすること。今しかできないことの大切さがわかるし、だらけてきたら、目標があることで初心を忘れずに見直しとかもできるよね。

慶應の体育会が、体育会に所属している学生に対して、特別に、そして自由参加型で行っているセミナーがあるんだ。その講義で、「あなたの5ヵ年計画を立てなさい」っていう課題があったの。まず、大まかに5年間の目標を考えたあと、細かくわけて小さな目標を立てることもやったんだ。組織管理やマネージメント力向上のための参加自由の講習だったけど、すごくためになったよ。

―私もやってみようかな、5ヵ年計画。目標!!  大切だよね。がんばろう!

諦めず、与えられた道で楽しさを見出す

―では、最後の質問。何かみんなにメッセージをいただけますか?

例え、描いていた道がだめになったとしても、諦めず、与えられた道で楽しさを見出すことかな。思うように行かないなんて、人生の大半でしょ? 思いもよらぬ道が、自分にとってプラスになることがあるかもしれない。私は、大学でアフリカゼミとの出会いがあって、今こうして目標に向かって勉強に励むことが再び出来ているの。大学に通わせてもらっている感謝をもって生きていくこと。勉強でしたくってもできない人は沢山いるんだから。みんなも自分の道に向かって頑張っていってください!

茨城キリスト教学園中学校高等学校 :
http://www.icc.ac.jp/ich/
St. Andrew’s College :
http://www.sac.ie/home.php

インタビューアーから一言

彼女は、大学受験期のとき、一緒の寮でともに勉強した仲でした。同じ目標に向かっていたのに、こんなにも育った環境が違ったのかと、インタビューを通して改めて感じました。小学生の頃から積極的な英語への意欲があったことが、今の彼女の学力の高さにつながっているのだと思います。私も今から、大きな目標を立て、実現させていけるよう、日々頑張っていきたいと思います!
土橋美紀。1988年生まれ。長野県出身。小学3年から6年まで、アメリカのオレゴン州に暮らし、高校3年間はアメリカのジョージア州で生活する、 North View High School卒業。大学受験のため帰国し、青山学院大学文学部英米文学科に入学。現在3年に在籍。大学では、教職課程を専攻し、英語教育などについて勉学中。児童福祉ボランティア青山子ども会という部活に所属し、相模原と青山キャンパスを往復する日々を送っている。