海外生活体験者・社会人インタビューvol.90

interviewee_s_224_profile.jpg 矢田部利重子さん。1956年生まれ。山口県出身。高校卒業まで山口県で育ち、大学は上京して津田塾大学英文科に入学。当時は国立市に在住。3年間働いた後離職、実家に戻って結婚し、再上京する。夫の仕事関係でマレーシアに3年、アメリカに4年ほど在住。花がとても好きで花道に精通している。最近の趣味は、アメリカのクライムサスペンスドラマシリーズ。

周りの人間関係の構築を惜しまない

―本日は、インタビューに応じてくださることになり、ありがとうございます! 拙いインタビューアですが、よろしくお願いします。早速ですが、自己紹介をお願いします。

こんにちは。名前は矢田部利重子です。1956年生まれです。高校卒業まで山口県で育ち、大学は上京して津田塾大学の英文科に入学。国立市に在住していました。

―国立市ですか? 僕今住んでます!

(国立話で少々盛り上がる……)

―卒業後はどうされましたか?

車専門の商社に入り、中近東を担当していました。3年ぐらい務めて離職、実家に戻って結婚し、再び上京しました。

―最近はまっているものはありますか?

アメリカのテレビドラマシリーズにはまっています。クライムサスペンス系が好きですね。アメリカにいるときは、ケーブルTVで日本の番組をよく見ていたのですが……。自分が身を置いていない場所の番組に興味が向いてしまいます。

―海外はどこに住んでいらっしゃったのですか?

アメリカに4年、マレーシアに3年半ほどです。

マレーシアは私にとっても初めての海外で、4歳と1歳の子どもを連れてのことだったので、ある意味大変でした。子どもの幼稚園をマレーシアで行かせることになったのですが、子どもにとって初めて見る家以外の世界が、日本人の少ない環境だったので、慣らせるのには少し時間がかかりました。

―母親として、どうやってその状況を乗り切ったのでしょうか?

先生の助けがとても大きかったと思います。子供が幼稚園に行きたくないと泣いたときは私もつらかったのですが、先生が上手に受け止めてくださいました。

また、困ったときに助け合う日本人のコミュニティがあったことも大きいですね。同じように子どもを現地の幼稚園や学校に入れている母親たちに、経験談やアドヴァイスを聞いたりして、参考にさせていただきました。

―海外生活で心掛けていたことはありますか?

自分の周りの人間関係の構築を惜しまないことですね。本当に当たり前のことなのですが、何か助けをもらったら感謝をちゃんと示すとかです。私はあまり人間関係に苦労することはなかったです。ある意味幸運な場所だったと思います。全般的に言えるかどうかはわからないのですが、周りの人々が日本人を含め、とても温厚でフレンドリでした。

英語が課題でしたが、アメリカのカリフォルニアに住んでいるときは、英語を上手くしゃべることができない人たちのための無料の学校があり、English Language Development Classで英語を学んだりしていました。現地の日本人だけでなく、韓国の人たちとも仲良くなりました。

趣味を通じた日本文化の発信

―アメリカとマレーシア、印象に残った国はどちらですか?

決められないですね。アメリカとマレーシアは、どちらも人種のサラダボールのような国で、色々な文化背景の人たちがいました。そのような環境で暮らしたおかげで、子供たちも私も異人種・異文化への興味や理解が深まったのではないかと思っています。

―日本で生活していて得られなかったであろう楽しさはありますか?

現地での友人や人付き合いができたことですね。もっと日本人コミュニティの外に出ていれば、もう少し現地の友人が出来たとも思うのですが……。

マレーシアでは、日本人会で盆踊り大会やチャリティーバザーをやって、現地の人に向けて日本文化を発信していく機会もありましたから、それを通して現地の人とのつながりができました。日本の良いイメージの構築になったのではないでしょうか。また、両国とも現地のファーマーズマーケット(青物市場)で、なじみの人ができたりして、面白かったです。

―これから海外に行く方々にメッセージやアドヴァイスをお願いします!

アドヴァイスをするというような、大層なことはとてもできないのですが、やっておいた方がよかったと思ったのが、日本の文化などの勉強です。私自身、海外に行ったのは主婦のときなのですが、現地の奥さんや人たちと話していると、日本のことを知ろうと、日本の文化や料理などに話題を広げてくれるんですね。ただ、そのときに、うまく発信できなくて、残念だったなという思いがありました。

単にテレビなどで放送されるような日本文化の教養ではなくて、結構専門的なことを質問されることも多かったですね。私はお花が好きで花道をやっていたため、そこから話題が結構広がりました。主婦は、そのような趣味などから、家族以外の身の回りの人々との人間関係が広がったりします。

子どもや夫が日中家にいないことがとても多いので、積極的に外に出ようという心掛けが必要だと思います。また、夫は仕事、子どもは幼稚園や学校での生活や人間関係がありますので、家族の中での自分の位置付けに気をつけなくてはいけないですね。

また、お子さんをお持ちで海外に行くようでしたら、自分の子どもへの対応も大切になってくると思います。例えば、学校や生活面での親からのサポートですね。現地校に通うことになって、自分の子どもたちが言語面で意思疎通が難しいとき、親が学校について行ったりして、授業等の場面で意思疎通を助けることもできますが、子供の年齢によっては、それを嫌がる年頃であったりもします。私は、連絡帳みたいなものを作って、先生との連絡手段を確保し、自分の子どもたちの言語面での意思疎通をサポートしたりしました。

他にも、大学や高校の受験を控えているときに、一緒にオープンキャンパスについて行ったり、相談に乗ったりするのも大切なことですね。私の子ども2人は、たまたま日本の大学を受験することになったのですが、日本の大学を受験するためのセミナーですとか、そのような機会を探したりすることも、異なる環境の中では大切なのかもしれません。

―今日はありがとうございました!

インタビューアから一言

とても朗らかなお人柄で、僕がインタビューアなのに、逆にインタビューされたりしました(笑) 自分が今住んでいる町に住んでいらっしゃったこともあり、親近感を持ちました。アメリカやマレーシアで主婦の立場から苦労されたお話は、私が海外で生活していたときの母と重なるものが多々あり、海外生活を送る家族の良き母親のロールモデルだと思います。温和なオーラが終始漂っていて、とても話しやすかったです。矢田部さんのお話が、海外にこれから滞在する主婦の方々の参考になれば、たいへん嬉しくと思います。改めて今回は、インタビューに応じていただき、ありがとうございました!

大塚清輔。1989年生まれ。東京都出身。外交官である父に同伴して、2歳から18歳まで、スコットランド、タイ、アメリカ(ニューヨークとマサチューセッツ)、スリラン カ、スウェーデンにそれぞれ約3年間ずつ滞在。日本の大学を受験しようと帰国。中央大学に入学し、法学部国際企業関係法学科3年に在籍。国際交流学生団体 The Asian Law Students’ Association(和名:アジア法学生協会)に入会し、活動中。8歳からスコットランドの伝統楽器であるバグパイプを続けており、各種イベントで公演している。