海外生活体験者・学生インタビューvol.106〜前編〜

interviewee_s_179_profile.jpg 中野雄介さん。1989年東京都生まれ。小学校3年生のときにイギリスへ渡りサリー州に滞在。Whitgift Schoolに11年生(15歳)まで通い、その後日本の高校入学に合わせて帰国。国際基督教大学高等学校に入学し卒業後は国際基督教大学に進学。現在教養学部アーツサイエンス学科の3年生。専攻は経済学だが、リベラルアーツの教育方針の下で、経済学以外の科目も多数学ぶ。部活動ではソフトボールをしており、経験者に負けぬよう練習に取り組んでいる。

―今日はインタビューよろしくね!

こちらこそよろしくー!

小さい頃は結構やんちゃで

―雄介は小学校3年生からイギリスに行ったみたいだけど、その前の話について聞いていい? 日本にいた頃は、どんなことが好きな子だったの?

昔は図鑑とかを見るのがすごい好きだったな。主に恐竜とか動物とか。あとなぜか国旗も。爬虫類なんか好きでね、昔は亀を飼ったりしたな。今も好きだけど(笑)

テレビゲームも大好きだったけど、外で遊ぶほうが好きだったね。友だちと遊ぶときは、絶対一度は外に出て公園に行ったりした。「外出たい!」って思うときは、よく俺のほうから誘ってた。みんな仲良しで、けっこう賛成してくれたし。なんと言っても、わくわくするのはお泊り会! いつも一緒にいない時間も遊べてさ。一緒にご飯食べたり、風呂入ったり、それは楽しかったな。

―そうかぁ。逆に小さい頃苦手としていたことなんかもある?

もちろんあるよ。まずは大人に怒られるのは本当苦手だった(笑) 特に先生は怖くて、怒られないように言いつけはよく守ってた。宿題もちゃんとやったし、授業ではまじめだったし、態度も気をつけてた。あとは、上級生とか友だちのお兄ちゃん、お姉ちゃんと話すのは苦手だった。

長男だから年上の人と話すことに慣れてなくて、それが理由のひとつだったかも。特に、小さい頃は体の大きさも違うし、ちょっと萎縮してた(笑) 今でも先輩より後輩と話すほうが好きだし、この性格は変わってないのかな。もう一つ苦手だったのは、自分の気持ちを抑えることかな。要するに、小学校低学年ぐらいまではやんちゃで、よくけんかしてたんだ(笑)

俺だってできるじゃん!

―なるほどね。次にイギリスに行ってからの話を聞いてもいい? まずは小学校時代、何か印象に強く残ってることはある?

うん。イギリスでの中学受験はなかなかの思い出だな。イギリス行って1年3、4ヶ月ぐらいで、現地の中学受験をすることになったんだ。と言うのも、公立の学校はすごく評判が悪くて、実際荒れてたんだ。私立と公立の学校は質の差がかなりあって、その後のイギリス生活のためにも、私立に行く方が断然よかったんだ。

全く英語が分からない小学生が、わずかな期間で、ある程度英語を身に付けなくちゃいけなかったから、当時は大変に思ったよ。テスト自体は難しくないんだけど、言葉の壁は大きかった。家庭教師を何人も付けて、学校でも特別授業のようなものに参加して、親からもみっちり勉強見られて……。このときは小学生のくせして現実を疑ったよ(笑)

だけど、単に親の強制だけで勉強したんじゃないように思う。当時は英語ができなくて、生活のあらゆる面で無力さを感じてた。現地の子と混じって受験に成功すれば、多少なりとも自信は取り戻せると思ったな。俺だってできるじゃん!って。それで、何とかこの期間は走り抜いて、その甲斐もあって、何校か合格できたんだ。小学生ながらに、嬉しかったな、この時は。

水泳にバドミントンとスキー

―そうだよね。それは誰でも嬉しく思うよ! 他にもいい思いではあるの?

たくさんあるよ! 一つは日本の友だちが家族と一緒にイギリスに遊びに来てくれたこと。まだ、日本の方が断然いいって思ってた時期に来てくれたから、すごく嬉しかったし、楽しかった。しかも、その子が日本からのビデオレターを持ってきてくれたんだ。「こんなにまだ俺のこと覚えてくれてるんだ」って思うと、ありがたかった。

それから、最初の一時帰国はよく覚えてる。2年ぶりに帰って、わずかな時間だけど、日本の生活をして、友だちに会って……。やっぱ日本がいい!って、この時は思ったよ。イギリスと違って、なにもかも便利で、子供も自由に遊べて、なにより仲良しの友だちに会えて最高だった。おかげでイギリスに帰るのが嫌になっちゃったけど(笑)

あともうひとつ! 小5の頃5000mを泳ぎきったときは嬉しかった。この時ばかりは、自分に自信を持てたというか、満ち足りた感じだった。

―小学生でそれはすごいなぁ! 水泳が好きだったの?

いや、習い事でやっていただけで、そこまで好きってわけではなかったかな(笑) むしろバトミントンにはまってた。と言っても、イギリスのクラブ活動は週に一回しか活動日がなかったんだけど、それには絶対毎回行ってた。バトミントンは、初心者でもラリーぐらい簡単にできるし、コートを走り回って羽を拾うのも、相手を揺さぶるのもすごく面白くて。先生も相手してくれて、本当楽しみに行ってたな。

あとはスキーだね。父親の影響で、毎年スキーに行ってたんだけど、イギリスにいた頃は、ヨーロッパ大陸まで行ってスキーしたんだ。日本とは比べ物にならないスケール。飽きることはなかったよ。

―ヨーロッパでスキーかぁ。行ってみたいな(笑)

俺はCチームで練習も週1で

―次に、イギリスの中学時代について聞くね。このときはどんな活動してたの?

バトミントンに加えて、スカッシュとホッケーもやった。いずれも週1だったけどね。一対一のスポーツは好きみたいで、スカッシュもすごく楽しかった。ホッケーは一応学校のチームでプレーして、試合もたまにだけどあったな。

―色んなスポーツやってたんだね。

決してうまくはなかったんだよ。週1じゃ当然かもしれないけどね。ただ、イギリスっぽい話なんだけど、ホッケーに関しては、先生はAチームっていう、うまいチームだけ集中して育成して、Cチームのような下手なチームには全然興味ないんだ。日本で言う1軍とか3軍みたいなものだけど、チームが違う人同士は別々で練習してた。俺はCチームで練習も週1だったんだ、Aチームはもっと練習あったけど。

日本の部活と違って、先生が練習を用意してて、それに参加する形だったから、先生が週1って決めたら、そうなるんだ。なんだか、俺らCチームって、見捨てられてるよな……、みたいな惨めな気分になったことも、時にはあった。けど、仲間と一緒にプレーするのは好きだったから、続けようと思った。ホッケー自体は面白いと思ったし、自分が好きでやってたからか、不思議とモチベーションは保てたよ。ちょっと悔しかったけどね。

もはや遠い国になってた

―そうだね、それはくやしいだろうね。。。他にそういう思いをしたことはある?

あるよ、英語に関することで。帰国するときになっても、まだ発音が下手で、たまに自分の発音を真似されて、馬鹿にされるのは本当に悔しかった。6年も住んでて、何してるんだ俺は!って。英語の本を音読したり、家庭教師に鍛えられたり、何かしらしてはいたんだ。ただ人前で話すことに、もっと慣れておくべきだったんだと思う。どれも家で練習しただけだから。

―やっぱり発音は難しいね。でも、イギリス滞在中に、「自分よくやったなぁ」なんて思うことだってあったんじゃない?

そうだね。悔しい思いばかりで終わったわけじゃないよ。また受験の話なんだけど、日本の高校受験の成功は、自分としては達成感を得られたな。一人で帰国して、受験して合格して、またイギリスに戻ったんだ。一人でそんなに動くのが初めてで、よくやったなって思えた。生まれて初めて、一人で飛行機乗ったし(笑)

日本を長い間離れて、もはや遠い国になってたから、正直日本に行くのは不安だったんだ。だけど、「もう決めたことは決めたんだ」「さあ行こう!」って開き直って、変に考え込むのはやめて、受験に集中した。そんなこともあって、俺としては、この受験は大きなイベントで、終わった後はほっとしたよ。

―そうなんだ、合格おめでとう!(笑)

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立花友恵。1989年生まれ。東京都出身。幼稚園から小学校まで横浜で過ごし、中学・高校と私立和光学園へ通う。高校在学時に、オーストラリアのメルボルンに1年間、留学生としてForest Hill Collegeへ留学。現在、多摩大学グローバルスタディーズ学部3年に在籍中。大学では、バスケットボールサークルとボランティア・サークル Habitat For Humanityに所属している。