海外生活体験者・学生インタビューvol.106〜後編〜

interviewee_s_179_profile.jpg 中野雄介さん。1989年東京都生まれ。小学校3年生のときにイギリスへ渡りサリー州に滞在。Whitgift Schoolに11年生(15歳)まで通い、その後日本の高校入学に合わせて帰国。国際基督教大学高等学校に入学し卒業後は国際基督教大学に進学。現在教養学部アーツサイエンス学科の3年生。専攻は経済学だが、リベラルアーツの教育方針の下で、経済学以外の科目も多数学ぶ。部活動ではソフトボールをしており、経験者に負けぬよう練習に取り組んでいる。

ICUで部活、青春してた

―その後は、ICU高校に入学したわけだけど、久々の日本の生活はどうだった?

ICUは帰国生も多くて、馴染みやすかった! だから、カルチャーショックとかにやられたりすることなく、日本に溶け込んでいけたよ。それと、部活は新鮮だったな。入学して間もなくして、ハンドボールを始めたんだけど、それが週5であって、そんなに一つのことだけに集中してやるのは初めてだった。

他の日本の高校とも違って、上下関係も全然厳しくなくて、そういう意味では、イギリスにいた頃とあまり変わらない感じでのびのびできたよ。部員が少なかったから、一年生の頃からスタメンにも使ってもらってた。思い返してみると、頑張って部活してたなぁ。うまい先輩がいると追いつきたいって思えたし、いつでも挑戦できる環境で楽しかったよ。

2年生になった頃は「7mスロー」っていう、サッカーでいうPKのようなものも、試合ではよく任されるようになった。大事な場面で自分を使ってくれたのは嬉しかった。でもね、引退試合のときはスロー外しちゃって負けちゃったんだ……。あの時は本当に悔しかったし、みんなにも悪い気持ちでいっぱいだったよ。その試合は、自分たち3年生はみんな泣いちゃって、そのときは青春を感じた(笑)

すごくICUに行きたくて、推薦のみ狙ってた

―部活に打ち込んできたんだね。帰国に不安を感じてたみたいだけど、すぐに溶け込めてよかったね! 部活を引退した後は、大学進学のことを考える時期だよね。どんな風に勉強したの?

俺は内部推薦で学校の成績を取るだけだったから、普通の受験と比べたら……(笑)

俺はすごくICUに行きたくて、推薦のみ狙ってたんだ。高校から大学に進学した先輩もすごく楽しいって言ってたし、入学してから専攻を決める制度はいいなと思ったんだ。正直高校生の時点じゃ何勉強したいかなんてわからなかったし、それを決断するための情報もすごく限られていたから。こんな風に、俺は推薦のことしか考えてなかったから、普通の受験対策は全然してなかったな。

もし一般受験に切り替えたら、だいぶ遅れをとってしまう状況だったんだ。だから、学校の勉強だけはかなり真面目にしたよ。「今勉強しないでいつやるんだ!」って意気込んだ。授業はどんな科目もばっちり聞いて、わからないところは先生に聞きに行ったり、苦手科目は問題集買ってバリバリ集中的にやったり。その時は真面目な生徒だったな(笑) だけど、その甲斐もあって、余裕を持ってパスできたよ。

野球場の売り子とインテリアの翻訳

―なるほどね。目標通り進めてよかったね! いよいよ大学生活について聞くね。初めにバイトについて聞きたいんだけど、どんなものをやってきた?

まず1つは、明治神宮球場での売り子(笑) これは、実は高3の頃からやってるから、もう4年目なんだ。これだけ続けられている理由は、歩合制を自分はすごく気に入っているってことと、シフトもすごくフレキシブルだってこと。売れば売るだけ給料が上がるから、毎回なんだかやる気を出せる。それに売上は毎回表にされるから、「他の売り子に負けてられない!」って思う。そういう意味では刺激はあるバイトだな。

できるだけ売れるように、すごいちまちましたところまで工夫するんだ。持ち運ぶお酒の量、お酒とおつまみの陳列の仕方、お客さんとの話し方や話す内容、どこを歩くかとか(笑) 単純作業ながらも、そういうところで考えるのは面白かったよ。それと長年やったおかげで、どんな人とも、積極的に話せるようになった。球場には老若男女色んな人がいるからね。子供からおじいちゃんまで、どんな人とも楽しく会話できるようになったと思う。

バイトは他にも翻訳をしてたよ。バイトしながら英語も勉強できるなんて、すごくラッキーだと思って応募したんだ。バイトの内容は、「快適な室内環境を提供する」ことを事業目的とした会社で、建設やインテリア関係の英文雑誌を日本語に訳すって仕事。つまり、社員さんに英語の資料を日本語にしてあげるってこと。

別に専門知識があるわけでもないし、難しい単語も多くて、最初はどうなるかと思ったけど、必死に勉強したから、なんとかなったかな。パソコンがあったから、それで検索してなんとかしてた。まあ、その間も給料は払われてるから、ちょっと申し訳ない気はしたけどね。

―へー面白い! なかなか対極的なバイトをしたって感じだね。

体育会ソフトボール部

―大学では何かクラブ活動とかはしてたの?

ソフトボール部に1年生の頃から入ってずっと続けてるよ。ソフトボールや野球はそれまでやったことなくて、最初は全然やろうとは思ってなかったけど、勧誘されて試しに部活を見てきたんだ。そしたら、部員の人たちも練習もすごく魅力的で、見事に引き込まれちゃった。

オンオフがはっきりしていて、練習中は真剣なんだけど、休憩中や終わった後はみんなフレンドリーで、すごく楽しそうなんだ。それに上下関係もなく、気軽になんでも相談できるような人たちでね。体験入部して練習をして、このスポーツ自体が面白いことを確認してすぐ入部したよ。本当に楽しい部活だと思う。

だけどもちろん、ずーっと楽しいことが続いたわけじゃなくて、大変に思うときもあったよ。部員は野球経験者が多かったし、あとから入ってくる人も経験者が多くて、自分のような未経験者は、みんなに追いつけないところがあったんだ。大学での練習量が自分よりも少ない人にも敵わなくて、活躍どころか、何もできないこともあったんだ。

こんな風に、しんどい時もあったけど、引退までずっと続けた。部員はみんな協力的で親切で、楽しい人たちだったから、一緒にやりたいって思えたからね。それにもしも部活をやめたら単なる逃げだし、すっごく気持ち悪いのも間違いないとも思ったんだ。最後まで仲良い仲間たちとソフトボールやってきたのは本当によかったと思うよ。

―そうか。頑張ろうと思える人たちと出会えてよかったね。それに活動を振り返ってよかったと思えるのはベストだね!

まずはやってみようって

―最後に、大学時代で大きな「出会い」なんかはなかった?

うーんそうだなぁ。クラスメートに一人、何にでも興味があって、何にでも手を出して、だからこそ本当に色んなことができる人がいた。その好奇心と活動っぷりに、俺は驚かされたし、尊敬したね。それからは「もう今さらやったって遅いよ」とかは思わないようにして、何でもやりたいことはやってみるようにしたよ。

例えば、大学で第2外国語としてフランス語を勉強してるんだけど、2年生の夏はフランスに行って自分から使ってみたりした。これはボランティアで行ったから、何も語学のために行ったんじゃないんだけど、せっかくだからフランス語をどんどん使ってみたいと思えたよ。怖気付くのをやめたんだ。

もう一つ挑戦したことはギター。いまさら楽器なんて遅いとか思わずに、バイト代はたいてギター買って、ネットで勉強して練習してる。おかげで、今ではそこそこ弾けるようになったし、コードとか音楽的知識も少しは身に付いたかな。クラスメートの行動範囲の広さに圧倒されて、自分もまずはやってみようって思う気持ちが強くなったな。

―そうなんだぁ。大学生活も充実させてるみたいだね。就残りの大学生活も楽しもう! 今日はインタビューに協力してくれてありがとう!

いえいえ、こちらこそ。今日はありがとう!

活動報告 「世界の学校から」vol.27 中野雄介
http://www.rtnproject.com/2010/12/_vol27_1.html

インタビューアから一言

中野くんの性格は一見淡々として見えるのですが、実は様々なことに精力的に取り組んでいて、そこから色んなことを感じ、学んでいるのだと思いました。また、自分の興味のあることに関しては、人に何を言われても構わないという、精神的に強い面も兼ね備えています。何があっても、自分自身のペースを崩さずに、着実に力をつけていくところが、彼の良さなのだと感じました。私も彼の良いところを吸収しようと思います。今回は、インタビューに協力してくれて、ありがとうございました。

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立花友恵。1989年生まれ。東京都出身。幼稚園から小学校まで横浜で過ごし、中学・高校と私立和光学園へ通う。高校在学時に、オーストラリアのメルボルンに1年間、留学生としてForest Hill Collegeへ留学。現在、多摩大学グローバルスタディーズ学部3年に在籍中。大学では、バスケットボールサークルとボランティア・サークル Habitat For Humanityに所属している。