海外生活体験者・学生インタビューvol.107

interviewee_s_152_profile.jpg 畑悠歩さん。1988年神戸生まれ。14歳から18歳までイギリスのロンドンに滞在。St. John’s Leatherheadを卒業後、帰国する。予備校で受験勉強をした後、慶應義塾大学に入学。現在、経済学部3年に在籍中。大学では、金融系のゼミで国際 経済と金融を学びつつ、学園祭の実行委員会にも所属している。

最初は「いやいやながらの留学」

―小さいころはどのような少年でしたか?

スポーツなどアクティブなことは好きでしたが、どちらかと言うと、おとなしい少年でした。一人っ子だったせいもあって、家でLegoをしたり、本を読んだりして、想像力を育んで?いました(笑) その反面、学校ではバスケを頑張っていました。小学生ながら朝練があり、昼休みもバスケをして、放課後は部活をするという感じで!

周りの仲間が楽しくて、ずっと続けていましたね。特に筋が良いわけではなかったのですが(笑) それでも、先生からキャプテンに指名されたのは、小さいながらも嬉しくて、責任を感じたのは、今でもはっきりと覚えています。そのころから、他人に認められたり、評価されたりするのが、1つの大きなモチベーションになっていました。

―中学2年生でイギリスへ留学したわけですが、その環境の変化をどう感じましたか?

幸いにも、中学校はそれなりの進学校へ入学できたし、楽しかったので、イギリスへの留学を聞いたときは衝撃でした。しかし、父の赴任による留学だったので、僕に拒否権はありません。最初は、流された結果のいやいやながらの留学(笑) でも、今では、その大きなチャンスに出会えた自分は、すごくラッキーだったと思っています。

全く異なる環境で、次々に挑戦

イギリスで最初に通った学校は、すごく小さい私立の学校でした。イギリス人はむしろ少数で、アラブ系、アフリカ系、アジア系などが多い多国籍の学校で、あまりイギリスにいる実感はありませんでしたが、その分馴染みやすい環境でした。英語の喋れない当初は、イギリス人よりも「お互い外国人」の彼らと仲良くなりやすかったのだと思います。

初めて聞く国名の友だちもできたりして、多種多様な価値観に出会えたのはすごく楽しかったですね。今までとは全く異なる環境に飛び込んで、そこに馴染むことができたというのは、とても大きな自信になりました。それまでは内向的で、“挑戦”するというタイプではなかったのですが、様々なことに挑戦すれば、それなりに成果を得られるということを学んだと思います。

無駄にしてきたチャンスに愕然

―それじゃあ、高校生活はますます充実していたのでは?

中学時代とは一転、高校生活はちょっと後悔してるです。。。実は(苦笑)

イギリスという環境に慣れてしまったためか、だらだらと過ごしてしまったというか。学校には様々な行事があったので、それをこなすうちに高校生活が終わってしまった感があります。僕が通っていた学校では、中学まで頑張っていたバスケの人気がなかったんですね。だから、スポーツを頑張る!ということもしなかった。

授業を真面目に受け、学校が終わればテニスをして、週末には友人宅でパーティーをするという、イギリスの高校生の典型的な生活を送ってました。寮生活をしていたということもあり、確かに楽しい日々ではありましたが、今から考えるともったいない時間を過ごしていたなと思うことがあります。

高校は中学校とは違って、生徒の90%がイギリス人の学校に通っていたので、それまでとはまた違う環境でした。そこに馴染んで友だちもでき、それなりの成績で卒業できたというのは大きな成果だし、達成感はあります。ただ、「これを成し遂げたぞ!」みたいな、自分自身の裏付けになるようなものがない。それが後悔になっていると思います。

高校を卒業してから気づいたんです。卒業式が終わり、日本に帰るまであと3週間というときになって、いままで自分が無駄にしてきたチャンスに愕然としました。そして、その3日後には、とりあえずミラノに飛んでみたんです。そこで食べた街角のピザのおいしさ、ドゥオモの頂上から見る景色の、イギリスとは全く違う、素晴らしさに感動しました。

初めて触れた大陸の空気は新鮮で、ヨーロッパには国や文化の数だけ違う価値観や物の見方があることに改めて気付きました。そして、いままで様々なチャンスを逃してきたことを深く後悔しました。そして、大学時代は何か1つでいいから大きなことを成し遂げたいと思うようになりました。

三田実とSDIで学んだもの

―いまの大学生活はどうですか?

今は「三田祭実行委員会」という、慶應の学園祭を作るサークルで活動しています。高校時代から持っていた「何か1つ大きなことを成し遂げたい」という想いもあり、大規模なことをがっつりとやっている場所を探していたら、そこに行き着きました。志の高い仲間と1つの目的へ向けて頑張ることで、日々違う刺激を受け、自分を高められる。そういう環境にいる今は、充実した生活を送っていると思います。

ここでの活動は色々な気づきを与えてくれます。今就職活動をしていて思、うのですが、セミナーで聞く仕事の話やチームマネジメントの話などは全て三田祭実行委員会の活動の中で経験できるんです。委員会の中でも、特にインフラ整備を行う部署にいるのですが、その地味な活動の中からシステムの根底を支えることの面白さなど、他では決して味わえないようなことが多くあります。そして、4年間やり抜いたときには、この経験がこれからの長い人生の基盤となるような自信になってくれると思っています(笑)

―他には特別な挑戦とかしていますか?

アルバイトではSDIというベンチャー企業で働かせていただいているのですが、これもとてもいい刺激になっています。社員の数も20人以下という小さな会社なので、社員の方がとても気さくに接してくれます。お昼に連れて行ってくれたり、社長が一服に誘ってくれたりするのですが(笑)、その短い時間にいろいろな話をしてくれるんです。

例えば、仕事の話や会社立ち上げから今に至るまでの話などは、大学にいるだけでは得られない貴重な経験になっています。就活の相談とかもして、どんなキャリアを歩むべきかといった話もします。やはり、ベンチャーで会社を興そうという気概のある方ですから、その話はある意味過激です。しかし、目を輝かせながら会社の話をしてくださったりするのを見ると、自分も上を見据えて、頑張っていきたいという気持ちになります。

世界を舞台に戦える人材になりたい

―さきほどもちらっと出てきた就活が始まっていますが。。。どうですか?(笑)

悩みどこですね(笑)

ただ、ベンチャーでのバイトの経験を通して、「自分が楽しめる」仕事に就きたいという思いがあります。ベンチャーで働いている人たち、特に社長さんは、本当に楽しそうに仕事をしているんです。それこそが、きつい毎日を乗り越える原動力になるのかなと思います。ただ、僕の「楽しめる」が何なのかは、まだまだ模索中で、仕事をバリバリやりながら探して行きたい。

あとは、海外で活躍できる仕事を見つけ、海外に対しても高い競争力を持つ企業で働きたいと考えています。日本が沈みつつあるいま、それを底から支えるにしろ、上から引っ張り上げるにしろ、自分の能力を高めて、世界を舞台に戦える人材になりたいと思っています。

―なるほど。日本をよろしくお願いします(笑) 就活頑張りましょ!

頑張りましょう!(笑)

インタビューアから一言

様々な環境の変化の中で、失敗と後悔を確実な成長に繋げているのが伝わってきました。きっととても頑固な人なんですね(笑) そこには粘り強さと底力が潜んでいると思います。それをとことん生かして欲しいです。就活を経て、また一回り大きくなって、やりたいことが決まるといいですね。日本を変えていけるような活躍を期待しています。頑張ってください!
岡村美佳。1986年東京生まれ。4歳から8歳までの4年間をアメリカのニューヨーク・カリフォルニアで過ごし、日本に帰国。中学1年生のときに、今度はイギリス・ロンドンに渡り、5年間過ごす。Marymount International Schoolを卒業後、日本に帰国し、06年に東京大学理科Ⅱ類に入学。教養学部生命認知科学科を卒業後、東京大学総合文化研究科に進学し、現在修士1 年。大学では、酵母を使ってDNAの転写・組み換え機構について研究を行っている。