海外生活体験者・学生インタビューvol.111〜後編〜

interviewee_s_158_profile.jpg 上田千佳さん。1989年生まれ。京都出身。4歳から13歳までをロンドン、中学3年 から高校1年までをニューヨーク、高校卒業までをロサンゼルスで過ごし、LAのWest High Schoolを卒業後、帰国し、東京大学文科Ⅰ類に入学。現在法学部2類(公法コース)4年に在籍。大学ではスポーツ愛好会バレーボールパートに所属し、セッターとして日々練習に励みつつ、学外の社会人サークルでイラスト活動にも勤しむ。3年からは刑事政策を扱う川出ゼミでも奮闘中。

どんな環境でも受け入れられる

―アメリカに移られて、高校はどんな感じでしたか?

イギリスに9年以上いたので、英語は特に不自由なかったし、何よりもう転校の繰り返しで、新しい土地にいちいち感動というか、異文化を感じなくなりましたね(笑 )自分が軸として持つ文化も特にないので、「ふーんここはこんなところかー」という気持ちで、いつも。どんな環境でも受け入れられると思います、今でも。

―溶け込むのに時間はかからなかったですか?

かからなかったですね。元々おしゃべりだし、あまり緊張しやすいとか、控えめなところもないので、友だちの輪にはすぐ溶け込めました。やっぱり、繋がっている年数の差っていうのは、日々感じる人生ですが、今は今で、楽しもうと思えるので。短い年数の知り合いが多いですが、みないい友だちです。

―バレーボールはやめられてしまったとのことですが、じゃあ代わりに何に打ち込んだとかありますか?

今でも漫画描くんですけど、始めたのは高校のときですね。元々文章を書くのが好きで、小説とか書いていて、絵を描くことは全然違う暇つぶし程度の趣味だったんですが、漫画の方がいろんな人が見てくれるなと思って描き始めました。今までなんだかんだいってもアウトドア、かつ集団行動が多かったので、部屋に籠って朝から晩まで原稿……という日々も新鮮でした。孤独な作業ですが、達成感がすごく好きです。

美大か東大か、大喧嘩する

―大学受験の話の前に、大学の志望先などはどうやって決められましたか?

お恥ずかしい話なんですが……、高校で塾の先生との面談のとき、「どこか志望は?」と聞かれ「ありません」と答えたら、「あそ、じゃあ東大文Iね」と言われました(笑)

―どうして(笑)?

「上を目指しておくのにこしたことはない」ということを言われましたね。しかし、それにしてもあまりに極端で。今思えば、帰国子女枠なので、そこまで非現実的ではなかったんですけれども、大学に入ってまで一所懸命勉強したくもなかったし(笑) という感じだったので、初めはもめました。美大に行きたかったので。

―美大ですか? 絵を描くのが好きだったからとか。

そうですね。それとデザイン系の仕事に就きたいなぁと思っていたので。好きなことを仕事にするのが、やはり楽しいですよね、きっと。そう思ったからです。受験が近づくにつれて、本格的に取り組めば東大も難しくないとわかって、親も欲が出たのか、かなり勧められましたけれど、はじめはやっぱり美大が諦められなくて、中々受験のスイッチが入りませんでした。

―スイッチが入ったきっかけは?

まず、親と先生に「そんなに行きたいのなら、大学に通いながら専門学校に行けばいいだろう。東大に受かったら行かせてやるよ」という餌をぶらさげられたのがきっかけですが(笑)

受験が進むにつれて、やっぱり絵で食べていくって、すごく夢物語だな、非現実的だなと、熱が冷めてしまったところもありますね。絵は趣味で出来ますし。あと、こんなに頑張って勉強したのに使わないのも、もったいないないなと。親や環境に感謝しているという気持ちもかなり大きかったので、特に帰国子女という環境を与えてくれたことを。だから、社会に還元すべきだなと思い、最終的に文Iを目指そうと思いました。受験については、一度同じRTNプロジェクトで記事を一本書いたので、割愛してもいいですか?(笑) 人生で一番辛かった時期ではありました。

「きみ絶対に負けず嫌いでしょ」

―乗り越えられたのは、なんのおかげだと思いますか?

んー、やっぱり負けず嫌いとか、忍耐力ではないですかね。

話は少し変わるんですが、私の東大の友だちで、女の子で一浪で理系に入った子がいるんですね。けれど、その子は、そこまで東大にこだわっていたわけでも、理系にこだわっていたわけでもないのに、わざわざ一浪までして入ってきたようで。

「なんでそこまでしたの?」って聞いたんですよ、ある日。そしたらその子が「今ここで諦めたら、自分はこれから先の人生ずっと何かある度に諦めるんだ。何か大きい壁があるたんびに、自分には無理だなって、諦めて生きて行くんだなって思って。それが嫌で、だから意地でやった」って言ったんですよね。最初すごいなぁと思ったんですけど、自分にも少し当てはまると思います。ここで諦めたくないと、思ってしまったんですよね。

―上田さん、やっぱり負けず嫌いですね(笑)

夏に外資系投資銀行のインターン行ったんですが、そのときに元人事の方がいらっしゃって、みなで一緒にご飯食べたんですが、その方が「本当に負けず嫌いな人は、顔見ただけで分かる」って仰って、「きみ絶対に負けず嫌いでしょ」って言われてしまって、「えっ!」ってなりました(笑)

―いやぁ、なんとなく、わかりますそれ(笑)

え? 本当ですか(笑) 負けず嫌いであることは、確かに認めますけどね。んー、好きなことや自分が頑張っていることは、負けたくないですね。せっかく頑張りだしたのなら、もっと頑張ろうと思いたくなります。

気持ちの切り替えがはやくなった

―大学生活では何を頑張られてらっしゃいますか?

高校までは、常にひとつのことしかしていなかった気がします。絵描くだけとか、勉強するだけとか、大学に入って突然色々なことを一度にやるというか、やらなくてはいけなくなり、両立するって大変だなと思いました。主に勉強とサークルですが。やりたいこととやらなければいけないことが重なるって、とても辛いですね。

もしかしたら、今までは勉強以外、特にやりたいことがなかったから、勉強していたのかもしれません。それでも、試験前になるとやっぱり気持ちは完全に勉強にスイッチしますね。大学生になって、気持ちの切り替えがすごくはやくなりました。時間単位で、何に集中するべきか切り替えられるようになって、自分でも一日の中で時々別人のようで面白いです(笑)

―これからは、サークルに、勉強に、就職活動にと、毎日忙しい中でも集中していけそうですね。

そうですね。最近は忙しすぎて、自分が3人くらい欲しいところですが(笑)

―大学生はなんだか忙しいですよね。

なんでも全力だからですよ、きっと(笑)

―なるほど! ではそろそろ。素敵なインタビューありがとうございました!

こちらこそ、楽しかったです。ありがとうございました!

West High School :
http://www.whs.tusd.org/

インタビューアから一言

上田さんはいつも気力、迫力いっぱいで、日々全力!というイメージですが、本当にそういう人生を送ってきたんだなと改めて思いました。他の帰国子女よりも転校が多く、波乱万丈な人生だったと思いますが、その中で養われた精神力は素晴らしいと思います。これからもパワフルな上田さんでいてほしいですね。サークル、勉強、就活と忙しくなると思いますが、持ち前のバイタリティで乗り切ってください!

前編はこちら>>
三雲俊介。1988年生まれ。中学1年の夏に幼少期にも数年滞在した、米国カリフォルニア州オレンジカウンティー、ニューポートビーチに移り、私立St. Margaret's Episcopal Schoolに高校卒業まで6年間通う。高校卒業後、慶應義塾大学法学部法律学科に進学。現在4年に在学。現在は法律系サークルとフットサルサークルに所属している。