帰国子女大学入試・合格体験記vol.52

interviewees_s_239_profile.jpg 加地隼人さん。1989年東京都生まれ。父の転勤で2歳から9歳までアメリカはイリノイ州シカゴで過ごす。帰国後、東京の小学校、中学校を卒業し、高校入学と同時に再び父の転勤で渡米することに。NY州のScarsdale High Schoolを卒業した後に帰国。2009年に慶應大学経済学部に入学。現在は同大学3年生として経済学を勉強する傍ら、バンド活動を行っている。

【慶應義塾大学法学部法律学科合格】
【早稲田大学社会科学部合格】

<はじめに>

私が受験したのは早慶上智のみなので、私立大学の帰国入試に限定した情報しか提供できません。自分が国立大学を受験したわけではないので、詳しい違いはあまり説明できません。それでも、」国立受験に挑んだ友人の取り組みを見た限り、私立受験と国立受験は別物といっても過言ではないです。

また、受験をしたのも、この体験記を書いている現在より3年前の2008年夏です。現在とは若干の傾向の違いはあるかもしれません。しかし、受験の構造に大きな変化がない限り、この体験記は参考にはなるのではないかと思います。

以上の点を踏まえた上で、私の合格体験記を読んでみてください。帰国入試における自分の成功や失敗が、これから受験に臨むみなさんにとってプラスになれば幸いです。

<自分にあった対策を!>

帰国入試では、いかに自分にあった対策を練られるかが鍵になります。何故なら、帰国入試を受ける人は、みな異なったバックグラウンドをもっているからです。帰国生の中には、海外滞在年数が2年の受験生もいれば、10年以上滞在していた受験生もいます。当然、一人一人に必要な対策は異なります。

課題となる教科は人によって違いますし、対策も自分に合ったオーダーメイドなものが必要となります。このことを念頭において、帰国入試に臨んでください。そうすればより効率的な対策を打ち出すことができるのではないかと思います。いろいろ情報が飛び交いますが、周りに流されず自分がやるべきことを見極めましょう。

<自分のバックグラウンド>

自分のバックグラウンドに軽く触れておきたいと思います。私は幼少年期と高校3年間の計10年間をアメリカで過ごしました。2-9歳まではシカゴで過ごし、その後は東京へ、そしてまた高校入学時に渡米しました。高校はNYの現地校に通いました。典型的な日米を行ったり来たりという感じですね。その影響があってか、英語は得意でも、日本語力が人より若干弱かったと思います。

英語が得意といっても、アカデミックな英語やSATレベルの英語には苦戦しました。日本語力の乏しさは小論文の出来に反映し、中々悲惨でした。また、高校時代はサッカー、バンド、遊びに明け暮れていたため、学校の成績はお世辞にもいいとはいえませんでした。

それでも、統一試験に関しては、SAT1が1820、TOEFLが109と、難関私立大学のボーダーはなんとか超えていました。つまり私の場合、小論文対策に全力を注ぐべきだということがわかりますね。ちなみに、私の第一志望は慶應大学の経済学部で、早慶の文系の学部をいくつか受けようと決めていました。

<現地でやるべきこと>

統一試験のスコアをひたすら上げましょう。早稲田や上智などは統一試験のスコアを重視しませんが、慶應は統一試験のスコアで合否がほぼ決まると言っても過言ではありません。自分の志望校を受験するにあたって、どのような統一試験のスコア提出を要求されるかも、事前にしっかり調べましょう。

また、帰国入試は一般の入試と同様に、予備校選びも重要なファクターです。駿台、河合塾、代々木ゼミナールが主要な予備校ですが、それぞれ特徴があります。私が通った予備校は、生徒数が比較的少ない。恐らく他の予備校の4分の1程度の人数しかいません。また、先生方が親身に指導してくれるという印象も受けました。

先生との距離が近いため、小論文や志望書の添削をお願いしやすかったのです。慶應を受ける自分にとって、志望書や小論文の出来が重要です。先生方とコミュニケーションが取りやすい環境で勉強できたことは、大きな追い風になりました。自分に合いそうな予備校をちゃんと選びましょう。

帰国してから受験まで3ヵ月弱しかないことも念頭に置いてください。私は小論文を苦としていましたが、苦手な教科がある人は、現地で対策を始めないと間に合わないでしょう。小論文の対策をしたいのであれば、現地で新聞を読むなり、本や新書を読んでおくなりするだけでも、かなり違ってくるはずです。

<帰国後>

先ほど述べたように、帰国してから私立大学の入試が始まるまで3ヵ月ほどありますが、その間は予備校に通って勉強する生活が続きます。ここでは、自分の志望校に向けた具体的な対策に集中していくことになります。

具体的な対策を練るためには、まず自分の受験する学校の出題傾向や選考の形式を把握する必要があります。面接を実施する学校を受けない人は、面接対策をやる必要はないですし、もっと細かく言うと、英文和訳問題を出題する学校を受験しない場合は、当然英文和訳の対策をする必要はありません。出来るだけ無駄な努力をしなくてすむような対策を心掛けた方が、効率的に勉強できます。私の場合は、早慶の対策に徹しようと考えていたので、過去問、面接練習、小論文のネタ集めをしていました。

予備校生活では、何かといろいろ楽しい誘惑が待っていると思います。自分も多少遊んでしまって、そのことが結果にも少なからず響いてしまいました。中には、ぎりぎりまで遊んでいて、勉強をしなくても受かってしまう人もいますが、それはあくまで他人の話です。自分はいま遊んでいていいのか、自分の実力をしっかり把握しつつ、その辺のことは考えた方がいいと思います。上述したしたように、周りに流されずに、自分のやるべきことを見極めましょう

<受験結果>

慶應の諸学部に関しては満足行く結果となりましたが、早稲田に関しては4学部中1学部しか合格しませんでした。早稲田の試験は、3科目中英語と国語はボーダーラインをとれたはずですが、小論文の出来が悪く、それが結果的に明暗を分けたのだと受け止めています。

<最後に>

終わってみれば、第一志望は合格したもの、全体的には少々冴えない結果でしたが、良くも悪くも納得のいくものでした。私立に限って言えることですが、振り返ってみて思うのは、帰国入試を受けることができるのは大変貴重な特権です。正直に言ってしまうと、帰国入試は一般の受験に比べるとぬるい部分は多い。しかし、そこに甘えるのではなく、自分にとってよりハードルの高い学校を積極的に狙って行ってください。皆さんの健闘を祈っています!

Scarsdale High School :
活動報告 「世界の学校から」vol.26 越島健介
http://www.rtnproject.com/2010/08/_vol26_1.html