帰国子女大学入試・合格体験記vol.57

interviewees_s_241_profile.jpg 良知春佳さん。1989年静岡県生まれ。生まれてすぐ神戸に移り、1歳のときに渡米。ニュージャージー州のFarBrook Schoolという幼稚園から中学校まである学校に入学。小学校4年に一旦帰国し、東京で暮らす。高校2年の夏に渡英し、サリー州キングストンのMarymount International Schoolを卒業後、大学受験のため単身帰国。現在は、慶應義塾大学経済学部経済学科3年に在籍。藤田康範研究会に学び、慶應義塾體育會水泳部競泳部門にも所属している。

【慶應義塾大学経済学部、商学部、法学部政治学科、総合政策学部合格】


<まず最初に>

私が大学受験を真剣に考え始めたのは、イギリスの友だちが現地の大学に実際足を運ぶのを見てからです。当初は日本に帰る気は全くありませんでした。小学4年から高校2年までの間で「日本はもういい」と思っていたという理由と、日本という国に故郷というものを感じなかったからです。しかし、両親との相談の結果、日本の大学に進学してみようと思い直しました。そして、やるからには全力で日本の大学受験に挑もうと思い、全てに関して全力でやりました。

<IBに関して>

IB Diplomaは2年間のプログラムです。恥ずかしい話ですが、私はコツが摑めず、11年生の始めの成績は、それはとても酷いものでした。Predicted Gradeは34点辺りで、学校に通っていた生徒の誰よりも悪かったのではないかと思います。

そこで、私はインターネットで必死にIBのことを調べ、Oxford Study Courseという日本でいう塾の夏季講習を見つけました。11年が終わった夏休みに、とにかく弱点克服ということで、評価が5以下の科目を全て1からやり直しました。

そのコースでは、大学の寮を実際に使わせてくれるシステムになっており、そこでひたすら勉強しました。授業中はもちろんのこと、わからないことがあるかもしれないからと、そこで教えていた先生のメールアドレスを聞いて、解けない問題があればすぐにメールしたりしました。

また、IBのHPから過去問がたくさん入っているCDを購入し、学校の宿題以外にも自分に宿題を課し、何度も類題や新傾向の問題をこなしました。それは、やはりコツを摑むためです。それらの問題をこなすことで、傾向と配点の仕方を徐々に理解し始め、テストでも良い点数を取ることができるようになりました。

IBで40点以上取れた最大の理由は、先生との信頼関係を築き上げたことです。Portfolioが課題として出されれば、納得が行くまで、何が悪いのか、何をもっと強調すべきなのかを先生に相談しました。自分で言うのも恥ずかしいですが、全身で「信頼しています。だから、教えてください!」という姿勢を見せるよう心がけました。何故なら、そうすることが良い点数を取るための最大の近道だと思ったからです。

<IB期間中の苦労と気晴らし>

「人よりできないなら、人の倍やれ」と小さい頃から両親に言われていたこともあって、毎日3時間くらいの睡眠で、レッドブルを片手に授業に出ていたものです(笑) それが1年半続けられたのも、水泳を幼い頃からやっていて、本当の意味での苦しさを知っていたからのようにも思えます。水泳では呼吸ができなくて、死にそうな思いをしますが、勉強でそこまで苦しいと思うことはありません。ですから多少の睡眠不足は、全く苦しくありませんでした。

睡眠時間3時間なんて可能なのかと思う方もいるかと思います。しかし、普段の睡眠時間を取り返すかのように金曜日の夜は、死んだように寝ていました。金曜日の夜ほど嬉しい時間はありません。私にとっては、ちょっとした気晴らしの時間でした。

気晴らしといえば、私はAfter School Sportsでバレーボールをしていました。週3回のもので、2週間に1回は他校と対戦し、また、シーズンの終わりはトーナメントがあります。規模の小さいものではありましたが、ヨーロッパからアフリカの学校まで集まり、ちょっとした国際交流の場でもありました。

<志望校の選択>

前述したように、本当にIB一色の生活を送っていたので、どの大学を受験するかは、帰国してから考えました。慶應義塾大学を選択したのは、やりたいことがこの大学には詰まっていたからです。大学のパンフレットをもらい、カリキュラムを暗記してしまうほど読み込んだのを今でも覚えています。

一番興味を惹かれたのが、経済学部のProfessional Career Program(PCP)という経済学を全て英語でやるプログラムです。2年生から3年生になる春休みの間にテストは行われるのですが、この間その試験に合格し、今年の春から夢のPCP生徒です。

<慶應AO入試>

話は少し戻り、IBの点数が発表されて間もない時期に受験したAO入試について話したいと思います。IBの点数も結果的にPredictedを7点も上回り、自信過剰になっていたときに、慶應のAO入試を知りました。統一試験のスコアをかなり重視してくれる慶應だから、40点以上あれば大丈夫だろうという、変な自信を持っていました。今思うと、非常に甘い考えでした。

AO入試は特別なもので、何かに特化した生徒でないと受験はお勧めしません。私は確かに、高校のバレーボールの試合では3年連続でMVPを受賞し、IBで40点を越えていましたが、AO入試では「大学=研究の場」という意識を持って受験しなければなりません。一般の帰国受験もそうですが、AO入試では特にその分野で自分が既に突出していることを示さなければなりません。

私は受験を帰国してから考え始めた未熟者だったため、1次試験は通過しても、2次試験では不合格通知をもらいました。しかし、この試験のおかげで、自分の知識のなさを改めて知ることになったことは間違いなく、そこから私の猛反撃が始まったと言っても過言ではないでしょう。

<慶應義塾大学帰国入試>

 ~統一試験結果/成績表~


これは、Student Adviserが報告してくれるとは思いますが、統一試験の結果に関しましては、IBの本部から直接成績表が渡るようにしましょう。その手続きがちゃんとありますので、それを逃すことのないようにしましょう。

  また、成績表は10年生のものからしっかり保管しましょう。大学によっては、過去3年間の成績表、日本の高校にいた経験があるなら、当時の学校の成績までをも要求するところがありますので、注意をしてください。

 ~必要書類~

必要書類の確保は、帰国前から始めることです。受験間近になって、「あれがない」「これがない」という事態にならないためにも、入念にチェックしましょう。私はコルクボードを購入し、To Do Listと受験というタイトルのスケジュールも作成し、いついつまでに何が必要かを、常に書き入れておきました。

 ~志望理由書~
この志望理由書は、大学のカリキュラムを横において作成するのが一番です。自分がこの大学に入学して、何を学びたいのか、それを学んで将来何をしたいのかを明確にVisionとして持ち、そのVisionを文章化するという作業です。また、この作成は予備校の先生に何度も見てもらうと良いでしょう。私は、何度も見せに行き厭がられたくらいです(笑) 先生から「もう大丈夫だよ」という一言をもらえるまで、徹底的に私はやりました。

<最後に>

現在統一試験を目前に控えている方、統一試験まで後1年くらいある方、色んな方々が見られているかと思います。受験受験と、必死になることは悪くないです。しかし、先輩として一つ言えるのであれば、受験があるからと受験を自分が本当にしたいことをしない理由にしないで下さい。やりたいことがあるのであれば、それもやると良いと思います。受験もやりたいこともできる、そんな受験生になって下さい。それが、いつ自分の糧となるか分かりませんから。

Marymount International School :
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