海外生活体験者・学生インタビューvol.136

interviewees_g_136_profile.jpg 中瀬慎さん。1988年生まれ。富山出身。創価大学経済学部4年生。大学のプログラムで、イギリス・マンチェスターのヒルトンホテルで1ヶ月のインターンシップを経験。その後、インドのデリー大学へ1年間交換留学する。留学中に出会った社会人と一緒に、日本企業のインド進出サポートを手掛ける会社NRM Internationalの設立に携わる。帰国後は、大学でインド研究会というサークルを創設し、代表として活動している。

イギリスのヒルトンホテルで働く

―大学2年生の春休みに、イギリスでインターンシップされたそうですね。

はい。大学のマンチェスター・インターンシップ・プログラム(MIP)を通じて、ヒルトンホテルで1ヶ月間働きました。MIPは1ヶ月間マンチェスター大学で語学研修を受けて、その後1ヶ月現地でインターンシップができるというもので、毎年春休みに行われています。

―なるほど。どうしてそのプログラムに参加したのですか?

理由は2つあって、1つは、身につけてきた英語力を試したいということでした。大学に入ってからの2年間、英語で経済学を学ぶインターナショナル・プログラムというコースで英語力を磨いてきたので、それが海外でどのくらい通用するのか確かめたいと思っていました。もう1つは、海外でのインターンシップを通じて、ビジネススキルを高めたかったからです。世界を舞台に働きたいと考えていたので、このプログラムでそのための一歩を踏み出すことができると感じました。

―実際にヒルトンホテルで働いてみてどうでしたか?

スタッフのホスピタリティーの質の高さに感動しました。彼らは常にお客様が何を求めているかを考えており、感動を届けようと必死で働いています。顧客のデータ分析や積極的にコミュニケーションをとることで、一人一人に合わせたオーダーメイドのサービスを提供していることにすごく驚きました。お客様への細かい配慮を大切にしているのがヒルトンのブランド力の源泉であると肌で感じました。

グローバル人材へ成長するためにインドへ

―イギリスでの経験を踏まえて、インド留学を決めたのはなぜですか?

私は将来グローバルに活躍する人材になりたいと思ってイギリスへ行きました。グローバル人材に求められる資質は数多くありますが、その中でも、①語学力、②コミュニケーション力、③専門性、④柔軟性、⑤環境適応力の5つが特に大切であると思います。このうちの①から④までは、これまでの大学での勉強やイギリスでの経験を通して、ある程度身につけることができたと実感していました。しかし、⑤環境適応力を全くつけていなかったので、新興国で1年間生活することで高めたいと思いました。新興国の中でもインドに決めたのは、BRICsと呼ばれるような、すごいスピードで国が発展している様子を肌で感じたかったからです。

―インドいいですね。現地の大学ではどんな勉強をされていたのですか?

開発経済とファイナンスの勉強をしました。日本で開発経済のゼミに所属していたのもあって、この勉強には特に力を入れました。授業で学んでいる内容通りにインド社会が動いていることには驚きました。例えば、インドではインフレ率が年10%近くで、農村部の庶民たちが都市部で暴動を起こします。そこで政府が利子率を上げてインフレを抑制することで、物価が安定に向かうと庶民たちは農村部へ戻っていきます。このように勉強したことを実際の生活を通して理解でしたのは非常によかったです。

―勉強以外のアクティビティは、どういったことをされていたのですか?

ソーシャルサービスリーグという社会貢献クラブに所属して活動していました。ゴミ拾い運動や献血活動などをデリー大学の学生と一緒に行った結果、インド献血協会という団体から表彰していただくことができました。

インドでNRM Internationl社の設立に携わる

―現地で会社の設立に携わる経験をされたそうですね。

現地で知り合った元銀行マンのイギリス人と元英語教師のトルコ人が、日本企業のインド進出サポート事業を手掛けるNRM Internationalという会社を設立しようと考えているとの話を知り、インドと日本の橋渡し役として、現地で出会った日本人の友人と一緒に働くことを決めました。NRM Internationalが提供しているサービスは①リロケーション&ハウジングサービスと②付加サービスの2種類です。具体的に、①は物件探しから生活環境の整備までのトータルサポートなどを通して、インドに赴任してきた日本人が快適な生活を送るためのサポートを行っています。②はインド進出を考えている日本企業に対して、オフィスや工場、サプライヤー探しのサポートを行っています。

―すごいですね。そこで担当されていたのはどのような仕事ですか?

営業を担当していました。MRM Internationalが提供しているサービスを利用していただける可能性のある日系企業を合計約300社訪問しました。商社や保険会社、旅行会社、日本食レストランなど、幅広い業界の様々な規模の会社に対して、とにかく体当たりする思いで足を運びました。話を聞いていただけないことがほとんどで、何度もくじけそうになりましたが、あきらめずに挑戦し続けた結果、ハウジングサービスの契約を3社と結ぶことができました。契約が成立したときの喜びと達成感は、一生忘れることができません。

―貴重な経験をされましたね。この経験から学んだことはなんですか?

社会人としてのマナーを守り、信頼関係を構築することの大切さです。約束の時間を絶対に守る、連絡をいただいたら迅速にお答えする、任された仕事を期限までに正確にこなすなど、当たり前のことを当たり前に実践していくことで、少しずつ信頼していただけるようになります。学生だからといって言い訳するのではなく、求められているスタンダードに合わせて行動していくことが重要です。これらのことを徹底的に実践したことで、実際に私の意見を聞いてくださる社会人の方が増えたことから、マナーを守ることの大切さを肌で感じました。

インドと日本の架け橋になる

―インドでは勉強、クラブ、営業と盛りだくさんの経験を積んでこられた中瀬さんですが、帰国された後はどんな大学生活を送っていますか?

大学の学生にもっとインドのことを知ってもらい、インドへ留学する学生や将来的にインドと繋がっていく学生を増やしたいとの想いから、インド研究会というサークルを創設しました。2011年の2月に出来たばかりなので、まだまだ小規模の団体ですが、13人のインド留学経験者を中心に、勉強会や留学サポートなどを行っています。私たちの活動を通して、インドに目を向けてくれる学生が一人でも増えてくれることを夢見ながら毎日活動しています。

―すごくアクティブですね。サークルの活動で一人でも多くの学生がインドに目を向けてくれることを私も願っています。それでは、最後に中瀬さんの将来のビジョンについて教えてください。

日本とインドのさらなるwin-winの関係の構築に貢献したいと思っています。日系企業が製品開発やインフラ整備における技術力を武器にインド市場を拡大してくことで、日本経済とインド経済の双方を活性化させることができると思います。実際に2006年12月に、「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC=Delhi-Mumbai Industrial Corridor)」という、日本の太平洋産業ベルトのインド版を開発するという構想が日本とインドの政府間で合意されて、プロジェクトが現在も進行しており、今後も日本とインドの関わりが増えていくと予想されるので、その一端を担いたいと思います。

―なんかカッコいいですね。具体的にはどのような立場から携わりたいと考えているのですか?

経済学部で金融を学んだということもあり、銀行に興味を持っています。インドに進出したいと考えている企業に対して、インフラ整備などのプロジェクトへの融資や資金調達のサポートなどに携わることで、日本とインドの橋渡しになりたいと思います。そして、いつか「インドのことは中瀬に聞け」と言われるようなスペシャリストになることが大きな夢です。

―素晴らしいお話をたくさん聞かせてくださり、ありがとうございました。中瀬さんの壮大な夢が実現されるように応援しています。

NRM International:
http://www.nrminternational.com/

インタビューアからの一言

第一印象ではクールで物静かな人なのかなと感じていたので、お話を聞いてギャップに驚きました。実際は、スーパーアクティブに色々なことに挑戦されており、向上心や行動力など見習うところがたくさんありました。日本とインドの架け橋になるというステキな夢も持たれていて、これからの中瀬さんの活躍から目がはなせないと感じました。海外生活経験で培った力を存分に発揮し、これからも頑張ってください。私も負けないように頑張ります。ありがとうございました。

interviewees_g_136_2_profile.jpg 市川智也。1989年生まれ。愛知県出身。創価大学法学部4年生。海外経験は南アフリカへ交換留学1年間、ベトナムへボランティア1ヶ月間。将来的に発展途上国の経済成長に貢献することを夢見て、現在就職活動を行っている。趣味はスキューバダイビングと登山で、アフリカ最高峰のキリマンジャロを制覇。創価大学ワールド会の副代表を務め、留学経験者による後輩への留学支援をしている。