海外生活体験者・学生インタビューvol.138

interviewees_g_137_profile.jpg 柚下将慶さん。1990年神奈川県生まれ。小学4年から小学6年まで、モロッコへ渡りラバトに滞在、Rabat American Schoolに通う。その後、中学1年のときに帰国し、東京学芸大学附属大泉中学校に編入。その後、同附属高等学校大泉校舎を卒業し、現在は中央大学法学部国際企業関係法学科の3年に在籍する。法学部に所属するが、FLP(Faculty-Linkage Program)という学部の垣根を越えた、新しい教育システムによる国際協力についても学んでいる。

―柚下さん、こんにちは!

こんにちは!

―まず、初めに柚下さんの経歴について、生い立ちから教えてもらってもいいですか。

はい。僕は神奈川県平塚市で生まれて、その後、東京に家族と引越しました。そこから、小学生になる前まで東京にいたのですが、父親の転勤で青森に行くことになり、そこで3年ほど過ごして、また帰ってきました。小学校4年生のときに、アフリカのモロッコへ行き、そこに3年間滞在しました。小学校6年生まで滞在し、中学1年生で日本の公立の学校に編入しました。その後、父親の転勤の都合で、違う公立の中学校に転校して、中学2年生のときに、国立の東京学芸大学附属大泉中学校に編入しました。東京学芸大学附属高等学校大泉校舎に進学し、そこを卒業して、現在中央大学の3年生です。

―ありがとうございました! 転勤が多いんですね(笑)

1つめは英語力を身につけたこと

―ところで、やはりモロッコへ行かれたということで、海外生活を経て、自分の将来の夢とかのターニングポイントになったのではないかと思うのですが、どうでしょうか。


やはり、モロッコに行ったことがターニングポイントの一つだと思っていて、理由が3つあります。1つは、英語力です。モロッコの公用語はアラビア語とフランス語なのですが、インターナショナルスクールに通っていた関係で、英語で勉強をしていました。英語が上達したというのは、今となってはすごい財産であり、英語を使えるからこそできることがたくさんあります。例えば、大学で研究している論文を読む際に、英語力は自分のアドバンテージとなって、国際機関のレポートとかも読むことができるし、日本の文献だけでは得られない情報というものがたくさんあるので、勉強の面ですごく助かってます。

2つ目は国際協力に関心を持ったこと

―もしも、日本にずっと住んでいたら?


それは想像もつかないですね(笑) それくらいモロッコでの生活というものは影響力があるんですよ。2つ目というのが、国際協力について興味が湧いたということです。モロッコはアフリカの貧困国なので、車で通学する際にしても、小さな女の子が車に寄ってきて、花を買ってくれないかと。

―歩いて行くのは危険?

そうですね、モロッコはそれほど治安が良くなくて、日本人だと狙われやすいということもあり、毎朝車で通学していました。やはり、現実を目の当たりにして、何故貧困が起こるのかに興味を持ち始めたし、それについて日本はどういう貢献ができるのか、自分が、世界がどのように貢献できるかについて興味を持ち始めて、現在、国際協力について大学で勉強をしています。

―少し具体的に聞きたいのですが、どういった形で国際協力に貢献できると思いますか?

それはやはり、大学3年生としてすごく悩んでいることなんですが、現段階では公務員として、先ほど申し上げた国際協力に貢献していける人間になりたいと思っています。僕は外務省を志望しているのですが、外務省だけが国際協力をしているのではありません。NGOや民間の企業も、現在CSRとかBoPビジネスという新しい形態のビジネスもできているし、アクターは様々です。

アクターにはそれぞれの役割があると思っています。例えば、NGOは地域に密着し、他のアクターと比べると、住んでいる人たちに寄り添っていて、現地と触れ合う機会が多い。民間企業であったら利益を出さなければならないのですが、NGOは利益を求めずに活動ができる。だから、地方であまり利益が上がらないところでも活躍できるというのはNGOの特徴だと思います。逆に、企業というのは経済を通じた協力ができるので、そこでwin-winの関係をどう築くのかというのも非常に面白いと思います。

何故そこで公務員かというと、僕は外務省の役割というのが、日本が一団となって国際協力に取り組める環境作りをすることだと思っているんですね。国と国とのつながりをもっと強化することによって、企業やNGOがそこの地域により深い援助をすることができる。例えば、紛争中に企業やNGOが支援をするのは非常に難しいので、その紛争とかをどうやって未然に防ぐのか、どうやって早く終わらせるのかというのは外務省の仕事であり、政府と政府とのやりとりの中で解決していく。だから、そういう支援で日本、世界が一団となって国際協力に取り組めるような環境作りに従事したい。

―やはり、それは企業よりも国の方が大きな力を発揮できるからですよね。

外務省が国と国との繋がりというのもを良好化していけば、より多くの企業が地域に進出できる。例えば、日本とアジアの貧困国との貿易を増やして経済提携をより増やしていくと、2国家の関係が良好化する。そうすると、人が行き来しやすくなるんですよね。また、企業とNGOとの連携についても、政府がリーダーシップを発揮して、日本の企業、NGOと一体となって国際協力に取り組める態勢を作ることにすごく魅力を感じていて、将来そういう仕事ができればいいなと思っています。

―熱弁、ありがとうございます(笑) 一つ気になったのですが、NGOは利益を出さないということで、将来の生活に不安があるのではありませんか?

そうですね。利益よりも現地の生活を優先するから、資金的な意味合いで利益は少ないと思います。でも、実際僕はNGOで働いている方々にお話をお伺いしていますが、やはり皆さん熱意がある方が多く、お金よりも自分のやりたいこと、それは他の企業や政府でできないからこそ、熱意を持って自分の仕事に意義をもってやられているのだと思います。僕はそのような支援の仕方も素晴らしいと思っています。

3つ目は偏見を持たなくなったこと

―ちなみに、3つめ理由って何でしたっけ? 聞きそびれてしまいました(笑)

それは、良く言えば偏見を持たなくなったということですね。日本にずっと住んでいては、海外のことについて、日本人としての考え方、イメージが形成されてしまう。でも、僕はそのイメージが形成される前に海外に行ったので、外国に対するイメージというものがより柔軟になった気がしますね。例えば、アラビア人など、全く異なる文化を持つ人たちと3年間一緒に楽しく過ごしていたので、偏見がないですね。

―僕自身は、ドイツに行く前に、とても日本が名残り惜しくて泣いてしまったのですが(笑)、モロッコの行く前と行った後のイメージの違いについては?

それは難しい質問ですね(笑) なぜなら行く前のイメージが全くなくて、アフリカの国ということで、砂漠があることくらいしかイメージできてなくて、本当にイメージが湧かなかったですね。でも、実際行った後は、モロッコは非常に穏やかな国で、ゆったりとした環境があって、のんびりしていました。

―ラバトにいたときに、何か不満とかはありませんでした?

いや、特にないです。でも、やはり日本ってすごく発達している国なんだなって。素直に思いました。高いビルもないし、道路も日本ほど綺麗に舗装されてないですし。そういう意味で、途上国と先進国の差を肌で感じましたね。

5年後、10年後のビジョンについて

―最後の質問となるのですが、5年後と10年後の自分について、ビジョンがあれば教えてください!

5年後ということで、入りたてだと思うのですが、自分もどこかの組織に属して、国際協力を軸に人生を歩んでいきたいと思っています。目標としては、よりマクロな視点から、国際協力を俯瞰できるような人間になりたいですね。貧困の問題というのは、他の問題と非常に密接に関わっていて、僕は貧困についてしか勉強をしてこなかったのですが、実際繋がりがあるということが最近ようやく分かってきました。これからどんどん勉強していき、もっと世界の情勢や構図をしっかりと把握できるようになりたい。

その後の5年間は、マクロ的に世界を見ていった上で、国際協力に取り組んでいけるようになりたいですね。5年と10年ではそんな差はないので、まだあんまりイメージが沸かないんですけどね(笑)

外務省というのは、国際協力だけに従事するわけではないのです。むしろ、それについては僕は良いと思っていて、もっとマクロな視点から国際協力を見られると思います。なので、色々と知識をつけた中で、改めて国際協力にチャレンジしたいですね。

―分かりました! 長々と、お忙しいところ、ありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました!

Rabat American School :
http://www.ras.ma/

インタビューアから一言

柚下くんとはほぼ毎日一緒にいるのですが、初めて彼の想いをぶつけてくれました!(笑) 自分のやりたいことは何かを自問自答した結果、大学を効率よく使っていて、最近はゼミでの活動も本格化し、毎日を有意義に過ごしているのだと感じました。国際協力に関して、残りの大学生活を通して、彼の持っている素晴らしい資質に見合った将来の夢に向かって突き進んでいって欲しいです! いつも彼に刺激を与えてもらっているので、僕も色々と見習いたいと思います。インタビューありがとうございました!
interviewees_g_137_2_profile.jpg 古屋開。1990年ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。生後1年で帰国した後、小学6年から中学3年まで父の転勤で再びドイツへ。4年間フランクフルト 日本人国際学校へ通う。帰国入試で学芸大学附属大泉校舎へ入学し、現在は中央大学法学部国際企業関係法学科3年に在学。大学では、「飢餓で苦しむ途上国と 肥満で悩む先進国」のフードバランスを整えるTABLE FOR TWO中央大学の代表を務める。