海外生活体験者・社会人インタビューvol.111

interviewees_s_110_profile.jpg 倉石知美さん。1987年生まれ。長野県出身。小学校、中学校と地元の公立校で過ごし、高校はアメリカのNY州にあるEastchester High Schoolに3年間通い、卒業。その後帰国し、日本外国語専門学校フライトアテンダント・エアライン科・グランドスタッフ専攻へ入学。2008年11月にANAエアサービス東京へ入社し、現在成田空港でグランドスタッフとして勤務中。

アメリカ生活あれこれ

―高校3年間アメリカでの生活を経験なさっていますが、そこでの一番の思い出はなんですか?


学校ではソフトボール部とバレーボール部に所属しており、とても楽しかったです。妹が同じ部に所属していましたが、日本人は他にいませんでした。外国人との交流は、スポーツありきだったと感じています。また、wellness campを通じて、日本人の友だちと出会ったことで、他の州の、他の高校の日本人との輪も広がりました。卓也くんと出会ったのもそれがきっかけでしたね! 他には、アメリカ国内を家族でたくさん旅行しました。フロリダのディズニーワールドは本当に楽しかったです。なんと言っても規模が違いますね!

―逆にアメリカで辛かった思い出は何かありますか?

勉強……ですね。初めての海外で、日本にいる頃から英語は一番の苦手科目でした。最初は本当に困りました。身の回りの全てが英語だったのは本当に辛かったです。会話はもちろんできませんし、外国人の笑いの観点などもわかりませんでした。授業についていくのと、毎日の膨大な宿題をこなすので必死でした。テストも結構ありましたから。

社会人への一番の近道を考えた

―帰国後、日本外国語専門学校へ入学されたとのことですよね。帰国生は帰国入試で大学受験をする方が大多数だと思うのですが、そのなかで専門学校へ行くことを選んだのはなぜですか?


大学で4年間勉強する意味がよくわからなかったと言いますか、単純にその四年間をイメージできなかったからです。帰国する前から早く社会人になりたくて、その時興味のあった職種が、グランドスタッフの仕事かホテル業界の仕事でした。英語にも関係があるような仕事に興味があったのです。

そんなとき、父親から専門学校の存在について教えてもらいました。教員である父の教え子が、当時日本外国語専門学校に通っており、その話を聞くことで、自分の中ですごく興味が強まりました。帰国後はすぐにオープンキャンパスに行きました。入学のためのテストはありませんでしたが、奨学金のためのテストは受けました。そのため、帰国入試用の予備校には一切通いませんでした。社会人への一番の近道を見つけたというところですね。

―他の帰国生のなかで一人だけ違う選択をしたことに関して、抵抗感はなかったのですか?

ありませんでした。アメリカの大学に進学することも考えました。ただ、それも同じで、大学へ行ってまでやりたいこともなかったため、やはり社会人になろうと思いました。現地の大学へ行っていたらどうなったでしょうね?(笑)

―一般の大学を卒業して航空会社へ務めるのはやはり厳しいのですか?

大学からの就職はわかりませんが、日本外国語専門学校では、面接の対策や履歴書の添削など、支援は全力でしていただきました。授業も、エアライン業界で元々働いていた方が先生だったので、業界で働くに際しては、学ぶことがとても多かったです。さらに、英語も重点的に勉強しました。TOEICの点数をあげるために勉強しました。PCの資格取得もしました。ちなみに、日本外国語専門学校の当時の就職率はほぼ100%でした。エアライン科だからといって、みんながエアライン業界へ行ったわけではなく、ホテル業やアパレル業など、就職先は様々です。

―専門学校ではどのような生活でしたか?

先ほど、PCの資格を取得したと言いましたが、その他にもビジネスマナーを勉強しました。秘書検定も取得しましたし、手話、韓国語、スペイン語なども勉強しました。ペン字なんかもやりましたね(笑)

―専門学生と大学生との一番の違いはどのような部分だとお考えですか?

その当時は、大学生の生活に対する知識といいますか、イメージが全くなかったので、全然わかりませんでしたが、逆に社会人になってから大学生に感心しました。みなさん4年間しっかりと勉強されていたのだと感じました。

―と言いますと?

大学卒の方を見てそう思うのです。私は20歳で入社したので、学生気分が抜けきれていませんでした。しかし、大学を卒業した方々は入社時からしっかりしているように見えました。仕事を覚えるのも早ければ、先輩スタッフや上司の方とのコミュニケーションの取り方も上手です。

大学生は4年間も何をやっているのだろうと、未だに思う部分はありますが、私は大学へは行くことはとても良いと思います。充実した時間がもてると思います。勉強だけではなく、サークルもいいですよね。そういうところで、人付き合いの術を学ぶのでしょうか。

空港は国の扉ですもの!

―そもそも航空会社へ勤めたいと思われたのはいつ頃からですか? 何かきっかがあったのですか?

私は長野出身です。そのため飛行機に乗ることがありませんでした。しかし、アメリカへ行くことで飛行機を利用する機会が増え、チェックインやPCでの作業をしているグランドスタッフの姿がとても格好良く見えました。華やかで、一目惚れのような部分はありましたよ。それに加え、せっかくアメリカで語学を猛勉強したわけですから、英語に携われる仕事がしたいという思いもありました。

―素人目だと、やはり女性×航空会社=CAみたいな部分があるのですが、グランドスタッフを志望したのはなぜですか? CAになりたいとは一度も思ったことがないのですか?

CAになりたいとは一切思いませんでした。飛行機にいれば、お客様と接する時間は密ですが、やはり地上で働いていることで様々な方と出会えます。上を飛んでいるよりも、その点がとても魅力的でした。あとは、パソコンも触りたかったのです!(笑) そういう意味で、本当にCAには全然興味は向きませんでした。

また、自分がいろいろな国を周ることよりも、自分がいろんな国からの人を迎える側でありたかったのです。私自身がそうであったからだと思いますが、慣れない空港という場所で親切にしてもらえると、日本もいい国だなと思っていただけると思います。国の扉ですもの!

―グランドスタッフの主な仕事内容を教えていただけますか?

専門用語等があるので、うまく説明できるかわかりませんが、全力を尽くします!(笑)  一部にはなると思いますが……、まずは、チェックイン業務ですね。お客様のパスポートの確認をしたり、お荷物をお預かりしたり、搭乗券を発行したりします。おそらく皆さんが一番イメージするグランドスタッフの仕事ですよね。チケットは当日も購入できるので、発券カウンターでサポートを行ったりもします。

フライトコントローラーという仕事もあって、いろいろな情報処理を行います。座席の調整を行い、場合によってはお客様に席の移動をお願いすることもあります。他にも、預けた荷物が搭載されているか等の情報処理を行ったり、乗車率に合わせて機内食の量を調整したり、情報伝達したりします。

到着便に対する事前準備もします。飛行機にお手伝いが必要なお客様が何人搭乗されているかを確認し、到着ゲートで円滑な対応ができるようにします。実際ゲートでは、ベビーカーを用意したり、お客様のお荷物をお預かりしたり、急患の方の対応をする場合もあります。搭乗案内のアナウンス、ラウンジでの接客業務、オフィスでの事前準備など、その他にも本当にさまざまな仕事があります

多くの「ありがとう」をゲットする

―入社以来、何か辛い経験はありましたか?


お客様とのFace to Faceの対応が一番神経を使います。その方にあったサービスで対応しなくてはならないのです。沢山の質問をされるお客様もいて、正直なところ私の知識や対応力では充分でない場合もあります。実際に、自分の誤った案内でお客様を不快にさせてしまうこともありました。それは本当にあってはならないことですし、そうなった際にはしっかりと上司に相談をします。

―仕事中、一番やりがいを感じるのはどのような場面ですか? また、グランドスタッフとして何か大切にしていることはありますか?

ありきたりかもしれませんが、「ありがとう」と仰っていただけるのが一番うれしいです! 最初は機嫌が悪そうな方でも、手続き終了時に笑顔で「ありがとう」と言ってくださると、とてもうれしくなります。そう多く言っていただけることではないので、時折いただける「ありがとう」という言葉は、最高にうれしいです! 自分としても、その人に合った対応ができたという達成感と自信に繋がりますしね。

もう一つは、日本人の方も含め、いろいろな国籍の方と出会えることが魅力だと思います。普通に日本で暮らしていたら、日本人としか接する機会しかありませんが、空港は本当に様々な国籍の方々が出入りします。友だちになるという話ではありませんが、その方の日本への滞在の一部に私がなっていると思うと、大きなやりがいに繋がります。

―今後もグランドスタッフとしてキャリアを積んでいくと思うのですが、そのうえで何か目標としているものはありますか?

対応しているお客様全員の満足に繋がる業務はできていないので、一人でも多くの方に満足していただけるよう、ただただ自分の業務レベルや質を上げたいと思っています。より多くの「ありがとう」をゲットするためにも!(笑)

―やはり航空会社は夢のある企業だと私は思います。今後航空会社への就職を希望する方へ何かアドバイスをいただけますか?

語学力は大きなメリットになります。英語はもちろんですが、中国語等、たくさんの言葉ができると対応力が上がると思います。海外からいらっしゃる方は不安を抱えていることも多いです。言葉でのアプローチは、安心感につなげるためにとても効果的なのです。

また、早番や遅番などがあり、生活は不規則なため、体調管理は本当に大切です。そしてなんと言っても、常に見られている仕事なので、身だし並みには気を配れると良いと思います。他にも、人の話を親身に聞いてあげられる人は、この仕事に向いていると思います。本人にとってもやりがいになると思います。

Eastchester High School :
http://www.eastchester.k12.ny.us/district2/schools/highprofile.htm

インタビューアから一言

アメリカで過ごした高校生活で知り合いになった倉石知美さんにインタビューを依頼しました。今回のインタビューを通して、今までぼんやりとしか理解していなかったグランドスタッフの仕事内容がよくわかりました。また、CAではなく、グランドスタッフとして航空会社で働く魅力について、個人的に興味を持っていたので、すごく参考になりました。インタビューを快く受け入れていただき、本当にありがとうございました。
interviewees_s_251_profile.jpg 浅野卓也。1989年東京生まれ。小学校、中学校と地元の公立校に通う。04年、9年生の開始に合わせ渡米。アメリカコネチカット州のGreenwich High Schoolを卒業後、帰国する。現在は早稲田大学教育学部複合文化学科に在籍し、3年目を迎える。第2外国語はスペイン語を選択。課外活動ではゴルフサークルに所属し、年2回のリーグ戦に向けて、日々練習を重ねている。