留学生大学入試・合格体験記vol.2

uken.jpg 盧禹剣さん。1985年12月中国吉林省生まれ。高校卒業した19歳のときに、日本へ留学する。2年間語学学校に通い、その後早稲田大学基幹理工学部に合格し、2011年現在情報理工学科4年に在学。留学生と現地学生の情報ネットワークを築くために、中国留学生会に入り、企画責任者として国際交流イベントを多数担当する。また、父の独立を手伝い、飲食店の立ち上げにも力を入れた。

【早稲田大学基幹理工学部合格】
【東京工業大学5類合格】

<はじめに>

留学生の大学受験は、一般の入試と別枠ということを先ず断っておきたいです。受験は2段階で構成されています。まず、私費留学生統一試験を受け、その点数を元に志望大学にアプライし、次は、大学別筆記試験、面接を受け、オファーをもらうというプロセスになります。これからRTN Projectに入る留学生のために、アーカイブとして残せたら嬉しいです。

<来日前>

・骨折
生まれから高校卒業まで中国に住んでいました。小学校まではのんびりと暮し、人並みに勉強して、サッカーに打ち込んでいました。中学入学直後、左足を骨折して1ヶ月学校を休みました。骨折の治療も苦痛でしたが、それよりも13歳だった自分は強い恐怖感を覚えました。「もう人並みの勉強さえできない!」今までの自信が崩れた記憶があります。

・中学校
学校に戻ってすぐに受験のレールに乗りました。体育の時間も休みの時間も、帰宅から寝るまでのすべての時間を勉強に使いました。意識が朦朧になっても、テキストを暗記していた記憶があります。その結果、期末試験で学年1位を取りました。それ以降も、テスト勉強は私の生活の9割以上を占めていました。

・高校
順位争いのテスト勉強が続きました。7時に学校がスタートスして、24時とか26時に寝る生活でした。高3のとき、とうとう5年も続いた受験マインドに亀裂が入りました。成績順位を守るような勉強には、耐え切れなくなったのです。志望大学には受かったものの、海外留学を決めました。受験しかできない自分に対して恐怖感を覚えたからです。

<来日後>

・日本語の勉強
大学に入るまで、2年間日本語学校に通いました。平仮名から文法、作文まで、体系的に日本語の基礎を学びました。今は英語で受験し、大学入学してから日本語を学ぶ学生もいます。「2年も語学学校に行っていたの?」と反対する声もあるかもしれません。しかし、日本で自分の基盤を築いていく上で、根幹である日本語に2年間集中して向き合えて、私は得をした気がしています。

・モチベーション1
両親は、私が中学生の頃、来日しました。私は仕送りをもらい、金銭上憂いのない生活を送っていました。裕福な家庭という自分の幻想が来日後すぐに崩れました。両親の居住環境、労働環境を目の当たりにしたからです。特に、両親は日本語が話せないため、生活上不便なところも数多くありました。自分のためここまで我慢してくれたのがよく分かりました。これからは両親と日本社会をつなぐパイプになろうと思いました。

・モチベーション2
日本でもう一度生活ベースを築きたいと思いました。19年間自分と関わった人たちと、地理的に分断されました。友情、信頼などは、限定された人の感情にしか生きていません。その土壌から離れた自分は、すべてを失った気がしました。言葉も分からない私は、日本の社会との壁も感じました。しかし、またゼロから始めればいいという楽観的な考えがあったから、カギとなる日本語を学ぶ気持ちが強まりました。

・情報収集
まず、以下の情報収集を行いました。統一試験の内訳は、日本語400点、数学200点、理科200点となっています。また、志望大学毎に出題の傾向などが異なるので、各大学に問い合わせて、過去問を郵送してもらいました。

・日本語
点数の比重(5割)が高く、全体に大きな影響を与えます。日本語試験は読解(200点)と聴解(200点)の二部構成となっています。読解を解く上でスピードが大事なポイントです。普段の勉強も、だらだら読むのではなく、制限時間内で問題を解く感覚を掴むとよいと思います。聴解においては、同じCDでも繰り返し聞いて、復唱できるまで練習することを薦めます。

・数学&理科
統一試験対策として、日本の高校数学&理科の問題集を解くといいでしょう。問題集は1、2冊で十分間に合います。繰り返し解くことを薦めます。試験範囲は数学Ⅱまでですが、志望大学の個別入試となると、数学Ⅲまで入る場合もあります。中国の高校では数Ⅲが未修のケースが多く、早い段階から習得し、練習を積むことが必要です。

・個別面接
オファーをゲットする最後の障壁です。全体の3割程度の重みではないかと思います。つまり、統一試験と大学別筆記試験の成績は7割。見られるポイントは4つあって、マナー、日本語力、論理性、情熱と私は考えます。実際には、どうして日本に来ようとしたのか、大学で何を学びたいのか、将来学んだことをどう生かすのか、どうしてうちの大学を選んだのか、などを聞かれました。

・スケジュール
統一試験は年2回、6月と11月に実施されます。私立の個別選考は9月から始まります。国立は1、2月に選考を始めるのが一般的です。私立大学志望の場合、無論6月の統一試験のスコアが必須となります。国立一本の学生も6月の試験で自分の課題を見つけて、11月までさらに磨きを掛けることを勧めます。

<最後に>

言うまでもなく、どの大学に入れるかは、就職のみならず、一生に影響する大きなことです。早い段階から計画立てて、実行するといいと思います。ご合格の朗報を願っています。