海外生活体験者・学生インタビューvol.162
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伊藤耕平さん。1989年埼玉県生まれ。1歳からシンガポールで過ごし、5歳で帰国。中学1年の夏に再度シンガポールへ渡り、中学・高校時代を過ごす。Singapore American School卒業後、帰国し、立教大学へ入学、現在経済学部3年に在籍。開発経済学に興味があったため、現在はアジアの開発経済のゼミに所属し、行政機関やNPO団体等に研究発表等を行っている。 |
あの悪くて有名な伊藤耕平くんね
―今回はインタビューに応じて頂きありがとうございます。今回は伊藤さんの子供のころから、小学校、中学校、高校、そして大学と振り返って頂き、楽しかったことや挫折したことなど、様々なことを質問していきたいと思います。早速ですが、伊藤さんはどのような子供だったのでしょうか?
子供の頃の記憶があまりありませんので、親から聞いた話になってしまいますが、よろしいでしょうか?
―構いません。
私は親の転勤で1歳から6歳までシンガポールで暮らしていました。母親の話によると、イタズラや喧嘩ばかりしている悪ガキだったらしい。近所のお母さんたちの間で私の話題になると、「あの悪くて有名な伊藤耕平くんね」と言われていていたらしいです。
壁やベンチに「ペンキ塗り立て触るな!」と書いてあると真っ先にさわりに行ったり、外に遊びに行くと靴を脱いで帰ってきたり、近所で目が合うと必ず喧嘩になる子供がいたりしたそうです。覚えていませんが、興味があることに真っ直ぐだったのか、もしかしたら周りの注目を集めたかったのかもしれません。
―日本の小学校時代はどうだったんですか?
小学校時代は、いろんなクラブや習い事をしていました。サッカークラブ、スイミングクラブ、塾、それから英語を忘れないように英会話をしていました。学校の休み時間は、ほとんど外でサッカーなどのスポーツをして、クラスの友だちと遊んでいました。他には昆虫採集にもはまってました。
―苦手だったことはありますか?
塾や英会話に通うことが、苦手というか嫌いでした(笑) 勉強についていけないというわけではなく、単純に勉強しに電車に乗って塾に通うことが嫌だったのだと思います。
―嬉しかったことは?
嬉しかったことは、友だちと遊んでいたり、スポーツをやっていたりするとき、「いいプレイだったね」と言われて、褒められることでした。小学生のときに、書いた作文がクラスで一番良かったと先生に褒められたことあるのですが、その時は照れて素直に喜べませんでしたが、嬉しかったですね。
―では、面白かったことはなんでしょうか?
時々図書館に行き、シャーロックホームズのシリーズや動物の図鑑などを読み耽って、日が暮れるということがありました。昆虫採集なども友だちとよくやっていたので、動物や昆虫に関する知識は、小学生にしては多かったと思います。
サッカー漬けの生活が出来なくなって
―次は中学校時代について質問していきたいと思います。中学校時代にハマったことはありますか?
サッカーにはまっていました。小学校時代からサッカーはやっていましたが、中学校の部活に入って、本格的に練習をするようになって、ますますはまりました。週末など部活がないときは、一人で壁に向かってボールを蹴ったり、練習本を買って基本的なことをおさらいしたりしていました。スパイクを磨いたりすることも好きでしたよ。
―悔しかったことはありますか?
サッカーが出来なくなったことです。中学校1年生の途中でシンガポールにまた行ったのですが、学校では部活はシーズン制で、1年中サッカーをすることができません。また、近所にサッカーができる広い公園や壁がなかったので、練習することもできなくなりました。サッカー漬けの生活が出来なくなって、とても悔しい思いをしたのを今でも覚えています。
―忘れられない思い出は何かありますか?
体育祭のときに、学校の高跳びの新記録を更新したことが忘れられません。全校生徒と先生の前での記録の挑戦だったので、多くの人から注目を浴びて、自分の名前のコールが気持ちよかったです。
シンガポールに渡ってから、英語がしゃべれないことにずっと引け目を感じて、ネイティブの生徒とうまくコミュケーションがとれず、引っ込み思案になっていたのですが、それ以来、「英語は出来ないけど運動神経がいい奴」と認められ、そこからネイティブの友だちが出来て、英語の上達も早まったと思います。
―他になにか想い出はありますか?
前の監督に褒められたことがありました。ハイスクールの9年生のときに、転校前の学校のサッカーチームと戦う機会があったんです。そのときはとても嬉しかったですね。
英語に慣れておらず、前の学校のチームではコミュニケーションがうまく取れなかったので、不調で高く評価してもらえなかったんです。でも、次の学校のチームではうまくやり、試合中自分のプレーが出来たので、前の監督に試合中に褒められて、とても嬉しかったんです。
もっとチャレンジすればよかった
―高校時代はどんな感じだったんでしょうか。
サッカー、ラグビー、陸上部と、いろんな部活に参加していました。特に印象に残っているのは、ラグビー部の試合で、キックからトライを始めて決めたときです。とても気持ちよかったです。
それまで自分は足が速い方だと思っていたのですが、陸上部にすごい短距離走の選手がごろごろいました。この経験から、新しい分野にチャレンジする精神を養ったと思います。それまではサッカー一筋でしたからね。
―勉強はどうでした?
学校の授業で良い点を取ったことが記憶に残っています。成績が悪かった授業で、必死に勉強して、テストの点数が良くなったという経験がいくつかあります。例えば、生物学の授業で頑張って勉強したら、自分ひとりAが取れたこととか、数学の授業で先生を見返したことですね。
―充実した高校生活のように聞こえますが、なにか心残りだったことはありますか?
沢山あります! 今思えば、もっと多くのことにチャレンジすればよかったと、とても思います。恵まれた環境にいるのに、その中から得られることを全て吸収し切れていなかったと思います。たぶん、海外で生活していることが当たり前になって、その有難さが分からなくなっていました。
具体的に何をすべきだったかというと、今でも連絡を取り合うような友だちをもっと作っておけばよかったと思います。あと、アメリカの学校特有の力の入ったチャリティ・イベントにもっと参加して、多くのことを見聞しておきたかったです。一言でいうと、もっと積極的にチャレンジしたかったです。
大学では多くのことにチャレンジ
―それでは、大学生活をお伺いしたいと思います。ゼミについてお話を伺わせてください。どのようなゼミに所属しているのですか?
開発経済学を学び、アジア経済の研究を行うゼミに所属しています。
―伊藤さんにとってゼミとはなんですか? また、その魅力はなんでしょうか?
私にとってゼミとは、大学で単に授業を受けるだけではなく、自発的に何かを研究、分析する場です。ある社会問題の解決を現実的に考えたとき、学問で習う理論を応用するだけでは解決することが出来ないこともあると思うのです。実際に社会に何が存在し、それがどういう役割を持っているのかということを、一から学び直し、学術的な知識以外も身につける。そこから今まで学んだ学術的なことを応用させて、理論を現実的に組み立てていくことに魅力を感じます。
―アルバイトの経験はありますか?
はい。塾講師と飲食店でアルバイトをしていました。
―なぜ、塾講師だったのでしょうか?
一度でいいから、塾講師という責任のある立場に身を置いて、働いてみたかったんです。あまり長く続けられなかったので、いまでも交流がある人間関係は築けませんでした。ただそれでも、生徒のために勉強の資料を探して、プリントして、連絡帳をつけたりするという手間のかかる作業が、とても充実感を与えてくれました。そのバイトをしているからといって、全ての人が責任感のある人というわけではなく、どちらかというと適当にやっている人の方が多かったですね。
―飲食店はどうでしたか?
帰国子女限定でアルバイトを探している個人経営の飲食店があったので、あまり深く関深く考えずに始めました。そこでは、今までに関わったことがないタイプの社会人と知り合って、それぞれの人生の選び方の違いを知りました。そのうえで、一所懸命頑張っている人は、何をしていても魅力的だということを知ることができました。
―そう言えば、大学でもサッカーのサークルに所属しているんですよね?
日本一強いと言われているサッカーサークルに入りました。久しぶりに本気で体を動かすことで、ストレス解消になり、昔より頭を使ったサッカーが出来て、とても楽しいです。また、去年の秋、大学の全国大会で優勝も果たし、とてもやりがいを感じています。
―友人関係はどうですか?
予備校の帰国生コースで出会った友人とは、今でも仲良くしています。外資系企業や金融関係を受ける人が多かったので、その分野に興味を持ち、現在就職活動を行っています。夏の外銀のインターンにも参加することが出来ました。また、彼らのおかげで、大学の友人だけでなく、他の大学のことを知り、視野を広く保つことが出来ています。
座右の銘は「疾風に勁草を知る」
―それでは、伊藤さんご自身のことをお聞きしたいと思います。ご自分が思う自分の第一印象や性格はどのようなものだと思いますか?
第一印象はさわやかだと思います(笑) 常にだれに対してもさわやかに接しようと心掛けています。ですが、落ち込みやすく、暗いと言われてしまうことがあります。性格は、社交的で、表面上は誰とでも付き合える性格だと自分では思っています。ただ、ほんとの意味で打ち解けるようになるまでは、時間がかかる方だと思います。
―自分の行動パターンや集団での立ち位置は?
一つのことに集中する傾向があると思います。また、集団では、臨機応変に立ち位置を変えています。その場で求められていることに、自分を合わせるように心掛けています。ゼミでもサッカーでも、自分の立ち位置というものは、いつも意識しています。
―なるほど。では、最後に伊藤さんが大切にしていることをお願いします。
「疾風に勁草を知る」という言葉が好きです。意味は、困難な状況にあるときほど、その真の価値が問われるというものです。現在就活という困難な状況下にありますが、その中で価値のある行動と対応をして行きたいと思っています。
シンガポールにいたとき、特に高校時代、あまりチャレンジしなかったので、多くのことを学べなかったという後悔があります。そのときに、自分から行動しないと何も学べない、そして吸収しようという意気込みがなければ何も学べないということを学んだのです。これを座右の銘にし、困難な状況にあれど、価値ある行動を取りたいという自分への戒めです。
Singapore American School :
http://www.sas.edu.sg/
インタビューアから一言
伊藤くんとは帰国子女向けの予備校で知り合った。最初はクラスも違ってあまり交流はなかったが、懇親会で波長があい、また、偶然にも地元が一緒。それからよく話すようになり、大学入学後も交遊が続いている。多才で、物事に対していつも意外な視点を持てる人物であり、話していていつも感心する。これからも交流を深めていきたいと思っている。
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鈴木優雅。1988年東京都生まれ。生後間もなくイングランドに移り小2まで過ごす。帰国後、東京のインターナショナルスクールChristian Academy in Japanに編入。中学2年から高校卒業までをウェールズで暮らし、Kings Monkton Schoolを卒業。大学受験のため帰国し、一橋大学経済学部に入学。大学では数理ファイナンスを専門に勉強中。 |
