海外生活体験者・学生インタビューvol.164~後編~

interviewees_gt_61_profile.jpg 池田祐太郎さん。1987年富山県生まれ。中学1年から高校を卒業するまで、アメリカのOR州に暮らし、Westview High Schoolを卒業。大学受験のため帰国し、千葉大学工学部都市環境システム学科に入学。現在、東京理科大学大学院イノベーション研究科知的財産戦略専攻1年に在籍。「理系」というバックグランドを活かし、「知的財産(権)」のプロフェッショナルを目指す。

都市環境システムを学ぶ

―大学生活はどうでしたか??

在籍していた都市環境システム学科は、都市環境のあり方を幅広い概念で捉えアプローチしていく学科。例えば、人と環境が共存する都市を創るには、エネルギーのリサイクル、風力・太陽光といった自然エネルギー、廃棄物の活用に必要な技術革新を学ぶ。それから、都市災害への対応や快適な都市を支えるための都市情報の活用やコミュニティの在り方も多角的に捉えることに務めるのね。

少し宣伝をさせてもらうと、都市計画、住環境計画、都市空間設計、都市経営、都市防災、都市基盤、環境マネジメント、環境エネルギー、環境リサイクル、都市環境、都市通信、都市数理解析などのテーマについて、環境の基盤となるハード、人と人とのコミュニティや情報の流通を司るソフトに関する工学的技術を幅広く学び、確かな専門性を身につけることができるはず!

都市環境のあり方を総合的にアプローチする学科は、数少ないだろうし、とてもユニークなカリキュラムが特徴だと思う。都市空間計画、都市基盤工学、都市環境工学、都市情報工学の4つの領域から構成されている中で、都市情報工学分野に注力して、卒業研究、学会発表、国際会議への参加を経験したよ。

―国際会議へ参加されたのですか?! すごいですね!!

まあね(笑) 学部生での参加は稀なようで、普段の生活では経験できない貴重な時間を過ごすことができた。国際会議への参加は、卒業研究の成果に関して発表したので、まずは卒業研究について話すね。

―お願いします!

知的財産教育の研究

卒業研究のテーマは、「オンライン教育システムを活用した理工系学生対象の知的財産教育」。発表内容をザッと話すと、理工系学生に不可欠な教育を分析し、それは知的財産に関する教育だと捉えて、不可欠な教育をフォローするためのシステムおよびコンテンツを開発した。実際に、理工系学生数100名に対して、一定期間の試験的に使用してもらって、ひとまず今後の試験的運用機会を勝ち得たというのを論文としました。

国際会議では、卒業研究内容の、特にオンライン教育システムおよびコンテンツを開発したことについて発表した。もちろん、試験的に使用してもらった結果や獲得データについてもアウトプットできたはず。ちなみに、国際会議論文のテーマは、“Intellectual Property Online Education System Based on Moodle”。英語での論文は初めての経験だったので、とても苦労したけど、所属していた研究室の檜垣教授の手厚いサポートと、米国生活での経験のおかげで、余裕を持って提出期限前に提出することもできたよ。

国際会議とは別に、国内で開催された研究会にも参加させてもらって、沖縄まで発表に出かけてきたよ。貴重な経験になったけど、やはり学問もグローバルであるわけだから、国際会議は唯一無二の経験だったと思う。ちなみに、参加した国内の研究会は、ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会(LOIS)で、オフィスシステムの基本となるインフラなどの要素技術から、アプリケーションなどの応用技術やシステム化技術まで幅広く扱っている研究会なんだ。

―さすがですね(笑) 

バリ島で国際会議に参加する

―国際会議に参加されてどうでしたか?


参加した“2011 International Conference on Data Engineering and Internet Technology”の開催場所は、なんとインドネシア・バリ島(笑) 国際会議が開催されたホテルはリゾート地にある超超超豪華なホテルでした! ちなみに、檜垣教授のご好意で、宿泊先も国際会議が開催されたホテルと同じホテルに。なかなか素敵な数日間でしたね♪(笑)

毎朝食はバイキング、昼食は高級中華料理やインドネシア料理、ホテルにはプールもあったし、何よりここまでするか!というサービスは、一度味わうと忘れられないかな。是非お勧めしたいです(笑)

肝心の国際会議だけど、持参したPCの不具合で、他の参加者のPCを貸してもらった以外は、基本的には大きな失敗というのもなく、英語での発表も質疑応答も無難にこなせたと思う。ただ、やはり知識レベルの差から、より専門的な回答を求められていたとは思うけど、自分ができることは全てやり切れたと思う。

発表後は、システムの改善策のきっかけを得るために、海外の研究者と積極的な意見交換にも努めたし、ランチタイムの意見交換から、研究範囲のよりグローバルな視点が必須だということも認識できたと思う。ただ、まだまだ改善すべき課題も多くて、一体何年かかるのだろうという疑問は大きく残っていたかな。後は、言語力はさらに継続的に磨きをかける必要があると思った。やはり、最低限の「話す・聞く」だけだと、より専門的な意思の疎通ができないからね。

学業にアルバイト、そしてフットサル

―これから働く上で英語は欠かせないとは言われていますけど、学業にも英語は欠かせないということですね。

そういうことだと思う。だから、帰国子女の可能性は大きいと思う。言語以外の対応力や忍耐力や感性とか、言葉では表すことが難しい事柄を経験していることも強みだと信じている。

そういった観点から、予備校で帰国子女の大学受験をサポートするアルバイトには、かなり力を入れてるよ。かれこれ勤務して5年目。やはり、生徒は日本とは異なる教育制度を受け帰国していて、バックグランドは多種多様だからね。日本の文化に戸惑うひとや、周囲の誘惑に惑わされるひともいるから、個別ケアが必要不可欠! 後は海外と異なる受験制度に慣れてもらうことに努めて、各自が目指す大学合格へ導くまでサポートしてる。

アルバイトの業務管理をするチーフ職にも就いていて、チーム全体の能力向上、ミス削減に貢献できていると思う。特に、社員とアルバイトの業務の受け渡しをスムーズに行えるよう情報共有を徹底している。全ては生徒に有意義な授業を受けてもらうのと、講師にスムーズな授業実施をしてもらうため。一度生徒として経験していることだから、何をしてもらいたいとか、何が必要かというのが分かりやすくて、目標が明確になるんだよね。

―大学での研究とアルバイトの両立は大変そうですね。もうサッカーはされていないのですか?

大学入学当初はサッカーサークルに所属していたけど、現在は社会人中心に構成されているアマチュアフットサルチームに所属している。チームに所属して3年は経つと思うけど、色々と学ばせてもらったと思う。フットサルはもちろんのことだけど、お酒の飲み方だとか、働くこと、結婚までのプロセスや結婚してからの遊び方(笑)なんかも教えてもらっているよ。

端から見ると、ただの一フットサルチームなのかもしれないけど、チーム全員がフットサル競技に真摯に取組んでいるから、私にとってはとてもかけがえのない場所だと思っているの。唯一の学生だけど、チームメイトの社会人の方は、職種も業種も違えば、年齢もバラバラ。職種や年齢が異なるメンバーでチームが構成されているから、限られた時間をマネジメントしなければならないし、チームとしての方向性や練習方法の確立も考えなきゃいけない。だから、色々と鍛えられてると思う。

―いつか遊びに行かせてくださいね(笑)

「大学院」「RTN Project」「就職活動」

―今後は何に力を入れるつもりですか?

キーワードとしては、「大学院」「RTN Project」「就職活動」かな。

まず、現在所属している東京理科大学大学院イノベーション研究科知的財産戦略専攻では、まだまだ色々と探求している過程だけど、特許・実用新案・意匠・商標・著作権などに代表される「知的財産」に関する幅広い業務知識と法律知識を身に付けて、また、それを用いた企業経営へのアプローチ手法を取得することが課題の一つだと思っている。

研究としては、ブランドマーケティングに、あらゆる学問的観点からアプローチしていく予定。企業経営を確固たる地位へ導くためには、優れた価値を持つブランド確立が必須で、その構築には、コンセプトを明確にして、その個性を育て、消費者に認知させることが重要となっているんだ。知的財産に秀でた知識のもと、適切な商標登録を行って、ブランド名に対して法的保護を与えることも手段の一つであるのね。

実務経験が豊富な講師陣のレクチャーは、ブランドの設計、実行、評価の一貫システムに秀でていて、ブランドの現状と将来環境の分析、ブランド価値の既定、ブランドシンボルの設計、ブランド市場戦略シナリオの構築、統合的なブランド戦略の実行、検証と評価という、ブランドマーケティングに欠かすことのできない6つの手法を確立させる手掛りとなると考えてるんだ。

これからのグローバルな舞台では、クライアントとのコミュニケーションに英語力が必須で、常にクライアントのニーズを確実に理解することが求められるから、相互理解のもと商品の名前やイメージ、個性、価値を高めるブランドを構築していくための実践的トレーニングも講義で徹底されてる。

現在の研究科では、実践的なシチュエーションを想定したトレーニングも充実しているから、ブランドメッセージの受け手と送り手の情報伝達を確実に実現させられるよう努めていきたいと思ってる。

―分かりやすい説明、ありがとうございます(笑)

いえいえ(笑) あとは、RTN Projectの一員として、海外生活体験者のネットワーク構築、相互支援が目的のプラットフォーム化プロジェクトにも注力していきたいと思う。何より、切磋琢磨する仲間と団体への貢献、自己実現のために頑張っていきたいと思う。

就職した後は、グローバルな舞台で、常に顧客に求められて、成果を第一として行動するビジネスパーソンを目指したい。この世に存在する解決すべきあらゆる課題に対して、状況を突破する仮説を立て、それを実行する能力を身に付けたい。何より個人として、確立された存在となることを目指したいと思う。

また、組織に対しても、チームでクライアントの要求以上のものを提供するために、常に周囲に何かを与え、献身するという意識を持ち続けたいと思う。確固たる信頼関係を構築した上で、組織力の向上に貢献できるようなビジネスパーソンになりたいと思ってる。

―なるほど。僕も祐太郎さんに負けないように頑張りたいと思います! 祐太郎さんのアツく、強い気持ちの背景が理解できました。ありがとうございました!

こちらこそ、貴重な機会を提供してもらって、長々と(笑)ありがとうございました!!

Westview High School :
http://www.beaverton.k12.or.us/westview/
The 2011 International Conference on Data Engineering and Internet Technology :
http://www.irast.org/conferences/DEIT/2011/
ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会(LOIS) :
http://www.ieice.org/iss/ois/jpn/index.html

インタビューアから一言

祐太郎さんの人生は、まさにサッカーと共に歩んだ人生でした! 順風満帆であった人生のなかで、大きな挫折を乗り越えた後のご活躍は、目を見張るものがあります。当時のご苦労は想像を絶します。何が何でも前進するバイタリティ、ただし猪突猛進ではなく、冷静に状況を判断し、熟考かつ決断をするパワーは誰にも負けない強みであると確信しました。私自身も、これからの人生を歩んでいくために、祐太郎さんに負けぬよう、追いつけ追い越せの関係を構築できることを願っています。

前編はこちら>>


interviewees_s_251_profile.jpg 神谷貴大。1989年愛知県生まれ。現在、中央大学法学部政治学科3年。大学2年のときにJICA Vietnam法整備支援プロジェクトのインターンシップに参加。The Asian law Student Association(ALSA)に所属しており、現在は11のALSA加盟国・地域の法学生を日本に招き、学術活動・文化交流活動・全体総会を行うAsian Forumを主催。企画の副委員長を務める。ゼミでは国際政治と現代思想を学んでいる。また塾講師として主に小中学生の指導にもあたる。