活動報告「世界の学校から」vol.33 池田祐太郎

今回は、オレゴン州ポートランドのWestview High Schoolです。ご紹介いただくのは池田祐太郎さん。千葉大学工学部都市環境システム学科を卒業後、現在は東京理科大学大学院イノベーション研究科知的財産戦略専攻1年に在籍されています。オレゴン州のキャッチコピーは「クリーン(Clean)、グリーン(Green)、フレンドリー(Friendly)」。都市と自然が巧みに共存しており、州都ポートランドは、全米の「住みたい町ランキングトップ10」に毎回ランキングされるそうです。

interviewees_gt_61_profile.jpg 池田祐太郎さん。1987年富山県生まれ。中学1年から高校を卒業するまで、アメリカのオレゴン州に暮らし、Westview High Schoolを卒業。大学受験のため帰国し、千葉大学工学部都市環境システム学科に入学。現在、東京理科大学大学院イノベーション研究科知的財産戦略専攻1年に在籍。「理系」というバックグランドを活かし、「知的財産(権)」のプロフェッショナルを目指す。

活動報告

<オレゴン州について>

私はアメリカ合衆国オレゴン州で中・高等部の4年半を過ごしました。オレゴン州のキャッチコピーは「クリーン(Clean)、グリーン(Green)、フレンドリー(Friendly)」。他州の大都市と比較して治安の良さが魅力的な土地です。街の景観は美しく保持され、道路や歩道もきれいに整備され、豊かな自然を都会でも楽しむことができます。

オレゴン州の最大都市ポートランドは、全米の「住みたい町ランキングトップ10」に毎回ランキングされるそうです。生活水準は全米で中位に位置しており、消費税が全くないため、他州と比較しても生活費が安いのも理由の1つだと思います。また、様々な農産物の生産地でもあり、新鮮な食材も豊富です。近年、定年後にオレゴン州へ移住し優雅にのんびりと生活する人々が増加傾向にあるようです。

オレゴン州は都市と自然が巧みに共存しており、教育を受ける環境としては最適だと思います。また、機構は過ごしやすく、スキーやスノーボード、ゴルフ、テニスなどのアウトドア・スポーツは、州内であればどこでも楽しむことができます。

<学校について>

そのような恵まれた環境に、私が卒業した母校Westview High Schoolはあります。1994年創立の新しい高等学校でありながら、ビーバートン公立学区において、最大規模を誇ります。オレゴン州全体を見ても、3000人の学生が通っている高等学校は稀で、我が母校はその最大級の規模が自慢の1つであったと思います。 report_s33ikeda1.jpg


英語を第2言語(ESL;English as a Second Language )とする学生は全体の約7パーセント。私自身、その1人でしたが、提供される学習環境のレベルはかなり高かったと思います。ほとんどの日本人の学生は、ビーバートン公立学区の他の高等学校に進学するため、日本人在籍数は10人にも満たないと思います。日本語を全く見聞きすることなく、そして、他の日本人の友人に頼ることなく、真摯に英語と向き合えることは魅力的だと思います。

どうしても乗り越えられない壁にぶつかってしまっても、学生の進路相談や日々の生活をフォローするカウンセラーや丁寧な指導が自慢の講師陣が全力で助けてくれるため、不安や不満なく学生生活を過すことができる環境だと思います。また、治安の良い土地柄からか、差別や偏見など、ネガティブな態度をとる者はあまり多くありません。デメリットを挙げるとすると、広大な面積の校舎であるため、端から端への教室移動は、10分の休み時間では困難なときがあります(笑)

<部活について>

report_s33ikeda2.jpg アメリカでは小さい頃から複数のスポーツを経験することが一般的です。高校でも、ほとんどの場合、1年間を3シーズン(夏・冬・春)に区切って部活を編成しています。私は年間を通じて3つの部活に所属するほど器用ではなかったので、サッカー一筋を通しました。春から冬までを部活に、冬から春にかけてはクラブチームに所属し、サッカーに情熱を注ぎました。あとは、選抜された州の年代別のチームで通年活動していました。


日本の部活とは大分趣が異なり、チームがいつも一緒で一丸となって取り組むという感じではありません。さまざまな部活でスキルを磨いている学生が集まる一方で、すべての部活でエース級のプレーヤーもいたりするなど、バラエティ豊かなメンバーで構成されています。

各高校にはマスコットがあります。私の母校のマスコットは「Wild Cat」でした。ユニフォームにはマスコットが描かれたエンブレムがあしらわれ、それを着て活躍する者は絶対的な憧れを抱かれる存在となります。部内には、上から「Varsity」、「JV」、「JV2」とカテゴリがあり、日本で言う1軍、2軍といった具合に分けられます。Varsityチームに所属するメンバーだけが身に付けるユニフォームがあり、それを勝ち取ることは容易ではありません。 report_s33ikeda3.jpg


部活の魅力は、自分の高校のために、全員で掴む栄光のために、全員が純粋に、泥臭く努力できるとことだと思います。そこには人種や言語の違いは関係ありません。違いがあるからこそ魅力的であり、そこで何かを成し遂げたときの達成感は、日本ではなかなか味わうことのできない感覚ではないでしょうか。

サッカーの試合では、保護者のボランティアにより、スターティングメンバーは名前をアナウンスされ、歓声と共に登場します。整列時には、両チーム、観客全員で国歌斉唱です。それはアメリカ国民ではない私にとっても気分を盛り上げるものでした。何より、観客を含めた全員で1つの試合を盛り上げる一体感を感じます。その場に立つためだけに努力できたと言っても過言ではありません。

<クラブチームについて>

次にクラブチームについてです。夏シーズンにチームメンバーとして、敵として、ライバルとして切磋琢磨した仲間とプレイすることができます。高校サッカーとは異なり、人種は様々でしたが、エリートと呼ばれる者がトライアウトを経て1つのチームとして活動します。

report_s33ikeda4.jpg 所属していた「Westside Metros Soccer Club」は、オレゴン州内でも名門のクラブチームでした。そこでは、チームが年代別に分けられているため、高校サッカーとはまた異なった楽しみや苦しさ、難しさがあります。ただ、同じ高校に通い、同じクラブチームに所属する友人とは、「みんなで高校を強くして優勝しよう」を合言葉に、苦しい練習にも耐えることができました。


<最後に>

組織は違っても、誰かのために、何かのために貢献する気持ちを忘れず、また、自分自身も奢らず、邁進することができるのは、アメリカならではだと思います。特にオレゴン州では、歴史にある「オレゴントレイル」が色濃く人々に伝承されていると思います。新天地での暮らしを夢見て、人々は「オレゴントレイル」を通って、この地に移住し始めました。長い過酷な旅を経てオレゴンにたどり着いた開拓民のDNAは、今もなおこの土地の魅力となっているのだと思います。

母校での生活は毎日が刺激的な日々でした。大規模な高校であるため、毎日何かしらの出逢いがありました。私にとって、高校生活は「=サッカー」と言っても良いくらいですが、学業を疎かにせず、3年間の早期卒業を可能としたのも、日本人があまりいない厳しい環境とWestview High Schoolならではのサポートのおかげだったと思います。

ありがとう、Westview High School!! Go! Wild Cat!!

Westview High School :
http://www.beaverton.k12.or.us/westview/
Westview High School Boys Soccer :
http://www.beaverton.k12.or.us/westview/athletics/wildcatsoccer/bsoccer_splash.html